ローズマリー
事故当時:61歳
インタビュー時:65歳
以前、大学の上級管理者だった。既婚、2子あり(1人が死亡)。 息子のジェームスは、2005年7月7日、ロンドンの爆弾テロで死亡。家族は皆ショックをうけたが、ローズマリーは、家族、友人、同僚、牧師や心理療法士を通じて、息子のために素晴らしい記念碑を作成することで支えられた。
語りの内容
私の姉妹たちや兄弟、夫の親戚たちは、みんなとても気にかけてくれました。でも、こんな時にも不思議なもので、こんなに大勢親戚が揃うと、必ずそれぞれに大変だったり、今回の件でもっと打ちひしがれたりしている人がいるものです。特に初めの頃は、私のほうがその人たちを、友人でさえも慰めたりしていたのです。たとえば、私にはこんなことが起きたの。でも、みんなは耐えられないわよね。だから、代わって私が恐ろしい経験をみんなに話してあげる、みたいな気持ちです。とは言っても、私の姉妹たちはすばらしかったけれど。
息子さんのことをご家庭で話されますか。
はい、結構頻繁に話しています。誰だって自然と話してしまうものだと思うし、そうしたくなるでしょう。そんなに簡単には忘れられないでしょう。その人がしたことなんかを話したりして。そう、今なら息子のことも話せるわ。ほら、あの子時々こんなことをしたわね、なんて。とても健全だと思います。でも、今でも辛いのは、会ったばかりの人に息子のことを話さなければいけない時です。それは、その人たちがどんな反応をするのか分からないし、私自身が結構関わっていることだって、気になるのです。いま私はある慈善団体の理事に復帰しようとしていて、まだ皆には話してはいませんが、間もなくそうしなければならないのです。というのも、よくは分かりませんが、気の進まない事柄については、自分では意識して話さないようにしてきたのですが、ただ話題にならなかっただけなので、しかるべき機会をみて話してみようと思うのです。話題にするのは、必ずしも容易なことではないけれど、でも、実務的なことがありますからね。それにあなたが私に聞いた最初の質問、何人子供がいると答えますか、みたいな質問なんて、とても難しいですよ。
インタビュー25
- ロンドン爆弾テロの後に人々が息子ジェームズを探していた当時のことを振り返り、ローズマリーにとってそれがどれほどつらい時間であったかを語ってくれました。彼女は息子に何かが起こったに違いないと確信したと言います。
- ロンドン爆弾テロの事件後、ローズマリーは、警察から死亡したジェームスの遺体確認を希望するかどうか尋ねられた。ローズマリーは夫と相談し、遺体確認はしないという決断を下した。
- 他の人に息子が亡くなったことについて話すと、逆にその人たちを慰めていたり、彼らの辛い経験を聞かされていると感じることがある。会ったばかりの人に息子のことを話すのは難しいと、ローズマリーは言う。
- ローズマリーはできるだけ早くふつうの生活を取り戻したいと思いましたが、決して前と同じ人間にはなれないのだと感じていました。