ペニー
インタビュー時:47歳
性別:女性
診断時:37歳
経歴:既婚、研修生教育担当マネージャー
国籍:イギリス人(白人)
短縮版:2000年、ペニーが37歳の時に、乳癌であると診断された。主な治療経歴は、乳房切除、放射線治療、抗癌剤としてタモキシフェン、アリミデックスを服用。その他、卵巣摘出も行っている。以後10年間、再発もなく過ごしている。
語りの内容
私がパートに出ていた時、ちょうど何かスキルアップのためにやってみようかと考えていた頃でした。私自身、人事関係部門での資格を取得したいと思っていたので、 大学に戻り、1年教養課程を取りました。どうやって再び勉強をするか知るためです。本当に充実していました。それから、3年過程のコースを取りました。私はずっとサックスを演奏したいと願っていました。私の義兄は、音楽好きで、ギターなんかを弾いたりするような人間でした。その彼が、私の誕生日にサックスをくれました。なので、3年ほどサックスのレッスンを受けたのです。本当に素晴らしかったです。自分の能力の範囲内で、いろんなことにチャレンジしてきました。友人と一緒に18カ月働いた後、地方自治体でフルタイムの研修生担当のマネージャーとして復帰しました。働いてもう7年になりますよ。振り返ると改めて思います。「いやはや・・・時が経つのは早いものです」
この間にも私は他の活動も行っていました。18か月の研修期間中の早い段階で、私は2人の女性に、彼らの仕事を手伝ってくれないかと声をかけられました。彼女たちは、地元で、乳房切除を行った女性の衣類を扱ったビジネスを行っている、とのこと。お金の為でなく、彼女たちの助けになるのなら、と引き受けることにしたのです。彼女たちは、ウェブ上に載せるパンフレットを作りたいとのことだったので、私は友人と協力して、他の乳癌患者の3人の女性に会いました。私達は、いろんな種類の服を着て、たくさんの写真を撮りました。ホテルやそこのプールなどが撮影場所です。私達の名前は、パンフレットやウェブサイトに載り、とてもよい経験をしたと思っております。
実際に切除をした女性自身が、乳房切除を行った女性向けの服のモデルとなること、これは本当に重要なことだと思います。多くのモデル女性たちが切除女性向けの服を着用した様子は、本当に素敵に見えますよね。ですが、申し訳ないのですが、それはリアリティのある着用例の写真ではないのです。着用モデルは、切除手術を受けた方が行う必要がある、と私は考えます。実際に着用した場合の感じが伝わりますから。「見てください」「これを着たら素敵ですよ」と。
だから、地元の会社の為に、そういった活動をしました。そして、彼らの為に2回ファッションショーにも出ました。その2つのショーは、乳癌のことを知ってもらう為のグループのものだったと思います。
ある人は「アモエナ」。またある人は「アムーナ」と呼ぶ素晴らしい雑誌があります。ウェブサイト上にあるもので、年2回の発刊です。その雑誌を通して、それぞれが経験したことなどを、その中で公表するのです。あなたも書き込みができますよ。この雑誌の記事は、乳癌についてや、その薬について、治療法などの情報提供を行っており、我々患者にとっては、とても有意義な内容になっています。また、サイト内にはリンクが貼っており、乳房切除を行った女性の為の水着やブラジャー、衣類のカタログも載せてあります。私は、彼らにこうメールを打ちました。「もし、あなたが誰かの為に何かしたいと思っているなら、本当に嬉しく思っています。喜んで参加させて頂きます。今までいろんな方々から助けて頂いた分を返していくことが、私のすべき事だと思うから」
インタビュー52
- ペニーさんがまだ病院にいた頃、彼女は乳房切除痕をご主人と一緒に見たという。
- ペニーさんは家族に随分支えられたと言う。彼女は、家族たちにも乳房切除痕を見せた。手術前と何も変わらない同じ人間なのだということを分かってほしかったという。
- ペニーさんは、乳房切除の後まもなく休暇に出かけた。彼女は、乳房切除を受けた人の為の服を探し出し、水着などを買わなければいけなかったが、なにより値段が高いと思った。また、この何年かでデザインも素敵になったと思っている。
- ペニーさんが手術を受けた10年前と比べて、乳房切除を行った女性のための衣類は非常に増えたと彼女は感じている。
- ペニーさんは、自分の楽しみの時間を前より持つようになった。彼女は、勉強をしたり、サックスのレッスンを受けたりしている。彼女は、ファッションショーにまで参加している。
- ペニーさんは、世の中の女性たちに対し、このようにアドバイスしている。診察を受けるときは、誰かと一緒に行ってください。そして、どうか焦らないでください。
- ペニーさんのご主人は、ほぼ毎晩、彼女の乳房切除痕をマッサージしている。性行為は早期の更年期の為に変わった。彼は終始協力的に彼女に接しているという。
- ペニーは、5年間のタモキシフェンの服用の後、アリミデックスの服用を始めてから現在まで、ほぼ5年が経とうとしているが、もうすぐその服用を止めていいかどうかが分かるということです。
- ペニーは、自分の症状が更年期によるものか、タモキシフェンやアリミデックスの副作用によるものか彼女自身分かりませんでした。次の診察の時に、アリミデックスの服用を止められるかどうかが分かるというのです。
- ペニーさんは、乳がん再発の可能性を少しでも低減するために、卵巣摘出という選択をしました。彼女とご主人は、既に子供を持たないことを決断していたそうです。
- ペニーさんは、病院で卵巣を摘出した時のことを詳しく語ってくれました。少し痛みと不快感がありましたが、翌日には退院しました。