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診断時:22歳
インタビュー時:25歳(2008年10月)
東海地方在住。悪性黒色腫(メラノーマ)を患った経験あり。2006年冬、自分でしこりを発見し、受診。右乳がんを診断され、右乳房切除術+腋窩リンパ節郭清、術後抗がん剤治療を受けた。 両親と3人暮らし。専門学校卒業後は飲食店で接客業のアルバイトをしていた。
語りの内容
将来に対しては、やっぱ若いので結婚して子どもを産めたらいいなっていう気持ちはすごくあるんですけれど、治療で子宮(卵巣)の機能を低下させてしまったので、ちょっと生理とかも不順なので、妊娠がやっぱりできるのかなあとか、あと、先生からもやっぱ薬の影響がどのくらい子宮とか、卵巣に影響しているのかはちょっと目で見て分からないから、妊娠したとしても、その流産とか、あと死産だったりとか、あとは障害を持った子どもが生まれてきたりとかっていう、こう順調にこう妊娠、出産っていかない可能性があるから*1、やっぱりその辺は、その時期になったら、やっぱり悩む問題になるだろうっていうことは治療の前から、聞いていました。
*1 乳がんの治療終了後、卵巣機能が保たれていれば、妊娠・出産は可能であり、出産に関連する問題や胎児の異常が増えるという明らかなデータはありません。ただし、どのような薬剤でも妊娠前期に使用すると胎児に影響を与える可能性があるため、治療中の妊娠は避けた方がよいとされています。
(日本乳癌学会編「患者さんのための乳癌診療ガイドライン2019年版」)
インタビュー41
- 自己検診のやりかたをバイト先で教わり、偶然しこりを発見した
- 説明された抗がん剤治療の内容はガイドラインと同じだったので、迷いなくやることに決めた
- 腕が重だるくなってきたときは心臓より高くするようにして、バッグも手で持たないですむように、ショルダーバッグにしている
- 抗がん剤治療で爪が黒く変色し、物が当たると激痛があり、出血したり剥がれたりしてしまうので、ガーゼで爪を保護していた
- タキソテール2クール目から手足がしびれてきて、物を落としたり、こんにゃくの上を歩いているような感じがしたりして、点字ブロックに足を取られて転んだこともあった
- 抗がん剤のあと、ハーセプチンだけの点滴になり1年間の予定で治療をはじめた。アレルギー症状で発熱や頭痛が続いたが、1年間続けることができた
- 髪の毛が抜けたあと、毛糸の帽子だとチクチクして痛かったり、バンダナも結び目があたったりしてよくなかった。病院で買った綿素材で、縫い目の少ない帽子がよかった
- 医療職に就きたいと思って資格もとったが、面接を受けに行って病名を伝えると、断られることが多い
- 退院後、おしゃれをしている同世代の友人と会ったり、テレビで女優を見ると、自分との差を感じて、生きているのが辛く、自分の殻に閉じこもっていた
- 乳がんとわかり、彼氏に別れを告げられた。これから自分の病気をちゃんと受け入れてくれる人が現れるのか不安になる
- 手術したらもう治ったと思われて、わかってもらえず辛かった。「乳がんに気を付けてね」と言っても、友だちも20代で若いので自分のこととして捉えてくれないのが悲しい
- 将来は結婚して子どもを産みたいと思っているが、妊娠・出産については治療の影響があるかもしれないと心配している