投稿者「dipex-j」のアーカイブ

慢性の痛みの語り

ゾーミッグ服用後に吐き気や手のしびれ、発汗、息切れ、過呼吸などの副作用が出るようになり、しまいには救急外来で「合法的な薬の中毒」と言われた(テキストのみ)

…そうこうしているうちに今度はあまり効かないなと思っていたら、今度気持ち悪くなっちゃったんですね。で、「あれ、なんか気持ち悪いな」と思って、「ああ、ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)と一緒で胃に来ちゃうのかしら」なんて思って、そして消化剤を少し、あの、飲むようにして。…そうしたら今度ゾーミッグ(一般名:ゾルミトリプタン)を飲んだら、会議が始まってから手がこう…、痺れるような感じになってきて、「車酔いが激しいときとちょっと一緒だわ」って自分では思ってきて、ちょっと汗ばむような感じになっていて、「会議中だから疲れて嫌だからなってるのかしら」って、ゾーミッグとは全然、つながらなくて。…

そんなことが続いていましたら、あの、どうにもならない、それの強い症状が出ました。もう這って歩くような。あの…、頭痛もあるのにどうしちゃったのっていう。頭痛だけじゃないでしょうっていう痛み、苦しみになりまして、私、どうにかしちゃったのかしらっていう、よく聞く過呼吸なのかしらとか。何が起きたんだろう。今までにないような苦しみになってきて、何が何だかわからないんですけど、とにかく苦しいんですね。…もうそれで――あの、妹が、看護師をしています。大学病院の看護師をしています。もう頼って電話をしました。そうしたら、すぐに行くからっていうことで。で、あの、主人も帰ってきまして、これは連れていったほうがいいっていう妹の判断で、そして救急外来にお世話になりました。

そうしましたら、思いがけない、あの、ドクターの…、えー、そうですね、あの、何ていうんでしょう、「聞こえは悪いけれども、中毒です」っていうふうにおっしゃったんですね。で、あの、その、「合法的なお薬の中毒です」っていうこと。私はもう苦しいし、何をおっしゃってるかわからなかったんですけど。「何か、お薬たくさん飲んでます?」って言われたので、たくさん飲んでるお薬っていったらゾーミッグしかないので、「ああ、ゾーミッグなら飲んでます」って申し上げたら、「どのぐらい飲んでますか」って言うから、「毎日です」って言ったら、もう先生がもうそれはそれはびっくりされて、「えー!」っておっしゃって、「毎日ですか」って言うんで。「毎日何錠、飲んでいるんですか」、「2錠か3錠です」なんて言って、「もうね、それはね、中毒ですよ」っておっしゃって。それで、それがそんなにいけなかったことなんだということがそのとき初めて、朦朧としているんですけど、初めてわかって。本当にあの、薬中で、薬中って言われた感じで(笑)、あの…、初めて、あ、自分が今そうなってるんだっていうことに気づきまして。

そこへ、また別な先生がいらっしゃいまして、「まず薬をやめなければいけません」とおっしゃって、「薬やめたら、頭が」って、私、言ったんですけど、「違う方法で治しましょう」っておっしゃって、そして「外来に通ってくださいね」っていうことで、そこから外来に、あの、通うことが決まったんですけれども。とにかく私からお薬をこう絶たせるという、周りはすごくこうその1点に、あの、主人にも話があったようなんですね。…薬の管理を徹底的にされました。薬を隠されたりとか、私が勝手に飲まないように、薬の数を数えたりだとか。それから長女、次女も、「ママ、飲んでない?」とか。あの、飲むところを見つけると、「ママ、今回で何回目?」って、聞いたりとかして、結構家族のほうでやめさせなくちゃというような、協力を、相当厳しいチェックでしてくれてたと思います。はい。なので、それについては、まあ、ありがたいなというふうに思ってました。はい。

慢性の痛みの語り

ゾーミッグを飲むと痛みが嘘のようにすーっと消えた。最初は1日1回だったが、飲みすぎに対する警戒心がなかったので、予防的に1日3回飲むようになった(テキストのみ)

お医者さまに本当に苦しいっていうことをご相談しましたら、「いろんな薬があるけれども、新しい薬が出ましたよ」っていうことで、そのときに教えていただいたのがゾーミッグ(一般名:ゾルミトリプタン)という錠剤で、お水なしでも飲めるという。だから、仕事中も、だめだと思ったら、口に入れて溶かしながら授業もできるよということだったので、私は本当にそれにすがるような思いで、もうこれさえあれば私は大丈夫かもしれないと思って。…痛いときにというお話でしたので。ただ、1日4回まで。1日4回までだよ――あ、4時間置きに3回までかな。3回までだよっていうことでしたので。1日にそんなに飲んでも、まあ3回飲んでもいいという、処方なんだなと思ったので、私も安心しておりまして。…  まずそのゾーミッグを携帯して、痛みが来たらすぐ飲むという形で、あの、職場でも見事に効きました。もうスーッと、うそのように痛みも肩凝りも首の痛みも全て取れて、本当に、あの、素晴らしい薬に出会ったと思って、私はもう救われたと思って、本当に良かったと思いました。…それで朝晩、朝晩と飲むようになり、次第に次の日、大事な会議があると会議中にあんなになっちゃいけないから飲んでおこうというふうになって。で、ドクターも、「まあ痛みが燃えさかってから飲むよりは、来そうだなというときに飲んだほうが効用はあって、効果はあるよ」っていうふうにおっしゃったので、それもそうだなと思って、何かがある日は、大事な日は飲むという形で。そうですね、本当に多い日にはやはり1日3回飲みました。それをずっと、そうですね、長いこと続けました。年単位だったと思います。年単位で続けました。*

で、今思うとなんですけど、本当に振り返ってなんですけれども、体に異変が起きる前、自分自身、とっても…、テンションが高かったように思うんです。…すごくいつも大きな声でおしゃべりしていて、明るくて、笑い声もすごくオーバーで。全く私の知識の中に、副作用とか飲み過ぎはいけないとかっていう意識が全く欠如してまして。というのは、まあ母親のせいにしては何なんですけど、母が看護師なんですね。それで割と母の周りには常にお薬があって、母が夜勤明けによく頭痛薬を飲んで寝ていたので、やっぱりこう、お薬に対して私は悪いイメージがなくて、つらさを取ってくれるものだというような、ちっちゃいときからイメージがありましたので。本当に、あの、全くそういうことは思いもよらず、どうして効きが悪くなっちゃったかななんて思って。

*ゾーミッグなどのトリプタン系の薬は片頭痛急性期の治療薬であり、このような使い方は想定されていません。トリプタン系薬の過剰摂取は薬物乱用頭痛にもつながることから、用量や服用期間について正しい知識を持って使用することが必要です。

慢性の痛みの語り

痛みが強いときにため込んだ痛み止めや睡眠導入剤をまとめ飲みしていたことを主治医に話したところ、作用機序の違う3種の薬を組みあわせて飲むよう処方してくれた

うーん。まあやっぱり入院をして、牽引をしてましたけども、やっぱり重量自体が4キロとかも牽引できなくて、2キロも無理、1キロも無理な感じになっていって、もうきっと自分は何をやってもたぶんだめなんだ、痛みに対しては全然だめだよ、ということでちょっと入院中に(薬を)ため出して。担当の看護師さんともうまくいかず、もういいよ(笑)、どうでもいいよっていう部分になって、それでため込んで、ため込んで、自分の必要な感じで飲んでいったというのが最初ですかね。

その重くなり出して5年とか6年ぐらいたってからでしょうかね。きっとたぶんその辺りは、結局やっぱり夜も寝れないんで、ハルシオンもため出したり、何だりをしていって、それ、そのうちそれじゃいかんっていう話に、えー、なって…。それで麻酔科の先生を紹介され、え、ペインクリニックに通い出すようになって、それで、まあ薬とはいったん縁、全部切れたんで。

―― 今思うとそのときの、まあお気持ちっていうのは、何でそのため込むっていうことをされたのかなって。

それ自体は、やっぱり1回量、決まっただけのミリ数しか手元には来ないっていう部分で、多少痛みのリスクをあっても、やっぱり2回分まとめて飲むみたいなところですか。ミリ数を、1回のミリ数を多くして飲むっていう部分でため込んだんでね。たま、たま、まあそういう薬剤系の本も好きで見てて、1回分は、ここまでミリ数、致死量じゃないんだっていうのを調べて調べて、それでためて飲んでたっていう感じですかね。…やっぱり痛くて、やっぱりどうしても寝てる間、寝返りが打てないっていうのもありましたし、痛くて結局何回も覚醒しちゃうんで。そこで、もちろん痛み止めもためましたし、眠剤もためましたし。

「いや、実はこうこうこうだよ。ためてた」っていう話を、こちらからオープンにして。結局そのときに先生と、「どうして?」って、今、経過でしゃべってた感じで、「いや、リスク背負っても、やっぱりどっかでため飲みをして少しでも寝たい」ということで、「わかった」ということで、そこから、まあ、ドクターショッピングもせず、その先生が転勤になるところ、なるところを追っかけていくっていう感じで今に至ってる感じですかね。それで、そのときの経過があるんで、まあ今は痛み止め3種類を、出してくれてて、それを必要なときに必要だけ飲むっていう感じで、もちろん先生からも、「作用機序が3つとも全部違うから好きなように飲んでいい」と。「もう当時みたいな、あほなことはしないで(笑)しょう」っていうことで。

慢性の痛みの語り

テグレトールを飲む量が増え、リリカやトラマドールも試したが眠気がひどくてダメだった。薬には合う合わないがあるので、副作用が出たら医師とよく相談して選ぶべき

で、2014年、今年ですけど、1月ぐらいにやっぱりどんどん、急に、やっぱり痛くなってきて。で、えーと…、まあテグレトール(一般名:カルバマゼピン)飲むしかないと思って飲み始めたんですけど、なんかその進行具合が前に比べて全然早くて、どんどん急に痛くなってきて。なので、あの、もうここの、その下顎の、この、ここをとにかく押さえてると多少マシなので、押さえながら何かしゃべってたりとかしてましたね。

その時点でもう、えっと、200mg、400mgぐらいからもう飲み始めて、すぐ800mgぐらいまで飲まないとコントロールができなくなって。

その間に、リリカカプセル(一般名:プレガバリン)とかトラマドールとか、いろいろその、新しいそういう慢性疼痛とかに効くような薬とかも出てきたんで、それも飲んでみたんですけど、全然効かなくて。それらは、本当、眠気がすごくて、とんでもなくひどくて、全然だめでした。なので、もうとにかくテグレトールを増やすしかないっていう感じで、毎日1,200mgぐらい飲んでましたね。それがもう1月の終わりから2月ぐらいにかけて、3月の頭ぐらいにかけてそんな感じで。で、夜はそんなに痛まない。だから、痛くて痛くて夜眠れないっていうことはないんです。その、ずーっとやってるんじゃないんですけど、とにかくなんか、あの、何かの瞬間にもうビリビリ、ビリビリ、飛び上がるような痛みが、まあ間欠的にこう続いていくっていう感じなので、まあ夜は寝てましたけど。

で、薬使ってみて、新しい薬とかいっぱいいろいろ出てきてる。慢性疼痛の薬ってありますよね。副作用も結構きついので、あの、我慢しないで、合う合わないは絶対あるので、その薬は飲んでこうだったとか、ああだったとか、そういうものはやっぱりよく医師と相談をするべきですね。だから、いくら、あの、どっちを取るかですけど。眠気がひどいのを取るのか、痛みが消えているのを取るのか、それは自分の選択ですけども、状況はやっぱり伝えるべき。医師には伝えるべきですよね。

慢性の痛みの語り

線維筋痛症で2年近くリリカなどの鎮痛補助薬を飲んでいたが、さまざまな副作用が出たので、今はトラムセットがメイン。痛みはなくならないが、副作用が少ないのがいい

うん。一番、たぶん痛みのメインはトラムセットっていうお薬を、あの、1日に4回飲んで。えっと…、麻酔、えっと…、以前は、あの、リリカっていう薬を飲んでいたんですけど、あまり痛みが――に効かなかったのと、あとすごくめまいとかがして、えー、のと、と、すごい体重が8キロぐらい太ってしまって。1年半くらい、2年近く、たぶん飲んだと思うんですけど、うん、やめてしまって。たまたま、その…、あの、じゃあ、試しにっていうことで飲んだトラムセットのほうが効いたので、今はそれがメインになっていて…るんですけど。 

で、今の薬で、こう、落ち着くまではやっぱり、こう、鎮痛補助薬みたいな形とか、あと抑うつで、あの、抗うつ剤とか抗精神病薬とかを出されたんですけど、副作用が強くて。で、副作用も、もう本当に体が硬直してしまったりとか、本当にトイレの段差とか、本当にこれぐらい(3-4㎝)の段差をまたぐのに3回くらい、こう、何ていうんですかね、足が上げられなくて、1、2、3で、やっとまたぐみたいな感じで。こう、すごい何ですかね、全く違う病気のような症状が出てきて しまって。ふっと震えが強くなったりとか。で、頭の中に、もやがかかったみたいな感じで全く話をすることとかも全然できなくなってしまったりとか。あと、もう、めまいがひどくて、目をつぶってても、ずーっと世界が回っている感じだったりとか。うーん。偏頭痛とかも本当にひどくて、もう世の中がまぶしいし、音がうるさくて、体が、ガンガン、ガンガン頭に響いて、体に響いてっていうような状態。それでも、これ、治ると信じて2年間ぐらい飲んでたんですけど。なんかそういう、こう、鎮痛補助薬とかが結構効くって言われているようなやつとかも、自分にはたまたま合わなくて、つらい思いをしたりとかしました。うん。

あとは、そうですね。うん。でも、すごく、うん、今の薬で割と、全然痛みが取れるわけとかではなくて、ちょっと減ってるぐらいですけど、今の状態が割と副作用がすごく少なくて。ここ3、4年とかの中では一番薬が合ってるかなと思います。

慢性の痛みの語り

疼痛緩和で薬物を使い始めた依存症当事者グループの人たちは薬に頼らず痛みを治す知恵を持っている。彼らと痛みで外に出られない人のためのSkypeミーティングを開きたい

特にリカバーした、慢性疼痛からリカバーした仲間と話をするっていうのが、すごく私にとってはヒントと希望でしたよね。慢性、長期に腰痛で、で、小さいころトラウマを抱えて――小さいころからトラウマを抱えていて。まあ同時に私も文献を読んで、そのトラウマと慢性疼痛というのは密接な関わりがあるっていうことも知識として入ってきたりとかですね。そういう中で、あ、トラウマというのは物語的な破綻なので、そりゃそうだと。自分の経験と照らし合わせて、あの、納得いったりですね。  で、その方としゃ――その方たちとしゃべって、まあ具体的には薬物依存症の当事者グループの方の中で、実はデータ的にもあるんですけど、薬物依存の方って慢性疼痛を何とかしたくて、違法薬物を使い始めたという方が少なからずいらっしゃるんですよね。あの、病院に行っても腰痛が取れないので、あの、違法薬物を使ったら、うそのように取れたとかですね。そういうところから依存症が始まる方というのが結構いらっしゃって。ところが、依存症から回復するためにもう痛み止め使えなくなるので、あの、薬を使わずに痛みを治すという方法をみんな編み出してるんですよね。四十八手というか。それはものすごい知恵。知恵の宝庫というか。たくさんのヒントをいただきましたよね。
で、依存症の、その、ずっと共同研究してきた仲間と一緒に、痛くて外に出れない方のためのSkypeミーティングというのを月一でやろうかという話を今しています。そういう中で、まあ仮説としては、その、特に慢性疼痛というのはナラティブの病だというか、自分の物語というものがうまく現実と折り合いがつかなくなった状態なんだっていう仮説を置いて。だとしたら、ナラティブによって次の章を書き始めることが痛みの緩和につながるんじゃないかという感覚を持っています。
実際、海外の取り組みで、あの、Chronic Pain Anonymousというのがあってですね、12ステップミーティング、依存症の12ステップミーティングのノウハウを利用して、あの、慢性疼痛版の分かち合いの会というのをやっているグループがあってですね。面白いことに、痛みについてはあまりしゃべらないんですよね。痛み以外の人生のことについてしゃべるようなファシリテーションなんです。その辺の、なんか案配というか。痛みを何とかしてくれと思って痛みが強くなってる状態から、ちょっとそれを脇にそらすというか、視野を広げたり、ずらしたりするっていうふうなコツを、何となく体で覚えたものをSkypeを通じて広げられないかなとは思います。

慢性の痛みの語り

いろんな薬や治療を試しても効果がない難治性の慢性疼痛患者は、病名ではなく痛みの症状として一つにまとまって、原因や治療の研究を進めるよう訴えていくことが必要だ

言いたいのは、病名ではなくて、えー、痛みの症状として1つにまとまらなければならないというふうに考えております。これは、さまざまな講演会の主催者だったり、患者会の方と相談していることなんですけれども。まあ線維筋痛症患者だったり、ほかの体の痛くなる病気の方…、まあ当事者の方と、いろいろ、まあいろんな方と、まあそういう講演会とかで一緒になる機会があって、話をまあ聞かせてもらうと、私と同じような境遇の方がほとんどなんですね。やっぱり日本各地の病院に行って、いろんな薬、治療法を施しても全く効果が、効果がなかったと。痛みが全くマシにならない。けれども、病名が付かないと、やはり医療制度の問題とか助成だとか、そういうのが受けられないので、仕方がなく、あの、この病気ですというふうに言っている方がすごく多いです。そういう、えー、現実を目の当たりにしてきました。

なので、病名はちょっと置いておいて、難治性の慢性疼痛患者として1つにまとまって、そこで、――まあ先ほど申し上げたさまざまな病気というのはほとんど解明されていないものですから、当然、薬も治療法も効かないのは当然なわけでありまして。なので、治療をしてくださいって言ってもしようがないので。そうではなくて、私たちの難治性の慢性疼痛、この体の痛みの、体の痛みはなぜ起こっているのかという起因と、えー…、まあ起因を究明してください。そして、ゆくゆくは治療法を確立、確立させてくださいというような研究対象を患者自身が声に出していかないと、これは何も前に進まない、と思います。そこはやっぱり、あの、今、私たち、体の痛みを持った慢性疼痛患者が1つにまとまりにくい、現状、原因だと思います。まあ、あのあの、まあ病名とか薬とか治療法とか、まあ名医とか病院だとか、そっちのほうにこう割り振りが行っている。そういうばらばらの状態ですので、そうではなくて…、病名は置いておいて、痛みとしてまとまる必要があると思います。

慢性の痛みの語り

他の都道府県の患者も参加できる患者会の設立に向けて準備を進めている。障害者福祉については都道府県ごとに制度が違うので、他府県の仲間からの情報を活動に生かしたい

今年、平成28年の年内には、今現在ですね、患者会の、えー、患者会、家族会のほうの設立に向けて、あの、準備を進めているところです。ようやく役員さんも決まり始まり、決まってきましたので、ようやくそれに向けて今準備を進めているところです。

患者会活動をしていく中で目的というか、狙い目は、まず患者会をつくる上で、患者に寄り添って支援というか、その…、交流、コミュニケーションを取りながら、行政だったり、国だったり、議員さんだったり、各それぞれの団体に、えっと、要望書を出していったり、陳情書を出したり、請願書を出していったりして、線維筋痛症について制度をより良くしてもらう活動をできればという狙いを基に、患者会、家族会の、会を立ち上げようとしております。
今後活動する上では課題はさまざまありますが、1つが患者会の対象者をどこまでの対象者にするかっていうこともあります。対象者を考えていくとしては、県内だけではなく、ほかの他の都道府県の患者さんも入れながら患者会家族会をより良いものとしていきたい――いければと思っております。

えー、身体障害者手帳の制度だったり、療育手帳だったり、精神保健福祉手帳の制度につきましては、これは、あの、私はあの、まあ厚生労働省というところが取り扱っている制度と思っていたんですが、実のところ都道府県によって、都道府県の制度で、あの、各都道府県によって制度の違いがあるということが最近、えーと、調べた中ではわかってきました。その中で、えーと、患者会を立ち上げる中では、各都道、都道――他の都道府県、他の都道府県の仲間たち、患者さんたちを取り込んで、皆さんからの情報を、さまざまな情報を、えー、聞き出して、えーと、さらなる、さらなる、えーと、患者会活動ができればと、いいと思っているところです。

慢性の痛みの語り

職場の同僚に頭痛がひどい人たちがいて、新しい薬や病院についての情報を交換している。お互いの苦しみを共有することで「自分だけじゃない」と安心できる(テキストのみ)

――同じ職場の中にも何人か頭痛に悩む方がいらっしゃるということですけど、そのいろいろお話とか、あの、薬であるとか、医療機関に関してとか、健康に関してとか、情報交換をされたりということもあるんでしょうか。

はい。あの、「お薬は何を飲んでいるの?」とか、かかっている病院によって違いますので、情報交換をよくいたします。はい。そうすると、「あちらの病院ではこれを出してくれて、すごく効くから行ってみたら」とか、いい情報を(交換)していますね。はい。まあ私の場合は、(薬を)飲み過ぎてしまって、本当にあのときの苦しみっていうのは生きた心地がしないので、そういう思いをした方はまだあまり周りにいなくて、「とてもその新しい薬が効くのよ」っていう状況の知り合いが多いので、「まあ、あんまり飲み過ぎると良くないのよね」って言うぐらいな話は、私はするようにはしてるんですけど、あまり脅かしてしまうような、自分の苦しみはまだ言ってないんですね。そうすると、(痛みが)ひどいお友達は、「もう次は、注射しかないのよね」って。私も言われたんですけど、次は、自分で注射をするのが今出てるんですけれども、私も次はそれかなって思っていたんですね。そうしましたら、その友達も、「注射するのも、持ってるのよ」って言ってましたので、ああ、やっぱりみんな、何とか痛みを消したいから考えることは一緒だなと思って、いよいよ最後は自分で注射をするんだなっていうふうに思って、そういう情報交換は、すごくできています。はい。

お互いにこう苦しみを共有すると、何となくそれでこう理解し合えたりして。で、あるお友達は、「苦しくて、おトイレに行って、おトイレから出てこれなかった」って言って、「そういうときは携帯を持って、おトイレに入るといいわね」って言ったりして、「そういうときは鳴らしてね」って言ったり。でも、お互いに、トイレに駆け込むときっていうのはもう切迫しててどういう状況かがわかっているので。本当に、あの、上から吐くか、まあ変な話、下からこう出るか、もうどっちかでずっと苦しんでいる状態なので、そこで人を呼んでもしようがないっていうか。そこの峠を越えるまではそれぞれみんなが苦しんで、峠越えるしかないっていうのが、お互いにわかる人同士はわかるので、「そう。出張先でなっちゃったの? じゃあ、大変だったね」って言うぐらいで、「困ったね」っていう感じで、まあ、自分たちの体験したことを話すっていう状況で。ネットまではいかないんですけれども、友達と話して、その友達が新聞の切り抜きを持ってきて一緒に見て、「ああ、今こうなんだ」「頭痛、こうなんだ」とか、「慢性はこうなのね」とか、「こういう薬の名前が出てるわよ」とか、「ああ、私はこれだわ」とか、「私はこっちだわ」なんて言って、そういうおしゃべりを、あの、することはあります。ネットではしないんですけれども、身近にいる友達とするようにして。はい。「頑張ろうね」って言って、そんな話を。はい。会うと、たまに会うと、「どう? 最近あった?」とか「ひどい?」とか、そんな話を、はい、するようにして。まあ身近にそういう人が1人でもいてくれると、あの、いいなと思って、自分としては、「ああ、そういう人もやっぱりいるよね」って、「自分だけじゃないよね」っていうふうに、ちょっと安心したりして。

慢性の痛みの語り

以前は痛みをゼロにしなければ気が済まず薬を飲み過ぎて副作用に苦しんだが、今では「動ける範囲の痛みならよし」として人にも薬にも完璧を求めなくなった (テキストのみ)

そうですね。もうしようがないっていうか。今まではそう思わなかったです。絶対に痛みは嫌だと。ゼロにしなきゃ気が済まないんですね。もうお薬を何錠飲んででも、消えたという感じが来るまで気が済みませんでした。本当にうっとおしいものですね、あの痛みというのは。でも、ゼロにしなきゃいけないものでもないのかなっていうところまで、今。ちょっとあってもいいかっていうふうに思う自分が、ちょっと出始めているのかなっていう。あの、よく言う、「痛みのある自分を受け入れてうまくつき合いたい」までは、そういうフレーズまでいかないんですけれども。すっごく嫌なんですけれども、以前のようにゼロにしてやるっていう思いはちょっと減ったかな。あの、動ける範囲の痛みなら、よしとしようかな。で、寝て治るなら、さらによしというような感じで。
そこの変化はこう何年もかかる。10年ぐらいでしょうかね、かかりましたけど。あそこには戻れない。あの、「ゼロにしてやる」って思っていたときに生まれてしまった、あの苦しみに戻らないためにも、そうしようっていうことだと思うんですね。あの苦しみは本当に戻りたくないなと思います。お薬漬けの苦しみには戻りたくないから、なので、完璧は求めないようにしようっていう。まあそういうことなんでしょうかね。人もみんな完璧じゃないし、あの、お薬にも完璧を求めちゃいけないっていうか、もう全てそう思わないと、自分がまた、あの薬中毒になってしまうとか、そういうふうに思えるようになってきてるというぐらいのことで、あの、すごく思いますというところではないんです。まだそこまで立派にはなれないんですけど、はい、そう思い始めてきた段階かもしれません。はい。