投稿者「dipex-j」のアーカイブ

臨床試験・治験の語り

副作用として想定されていた貧血が出て3回も輸血をしたが、何かあれば病院が対処してくれると思っていたので、不安はなかった

常に血液検査をするので、自分の場合は、貧血が出たんですよ、すごく。で、3回ほど輸血はしています。極端に貧血が出ちゃったんで、それも、メーカーのほうも「うーん、ちょっと予想以上だな」っていう。多分、もっと出ていれば、多分、治験はやめていたのかもしれないです。ただ、自分のほうも、すごく、息が苦しいと。それで、まあ、もちろん、血液検査すれば、すごく、あのー、貧血になるときに数値が下がるというところがあるんですけども、これちょっと下がりすぎていると。だから、まあ、もちろん、その治験をした病院もそうですし、もともとの病院、先生も、多分、機械のせいだろうと。だから、これをすることによって(治験機器を使うことによって)、若干の、その、もちろん、副作用で出るっていう項目で書いてありますけども。自分の場合は、ちょっとそれは極端に出すぎているっていうかたちで。ちょっと輸血しないと駄目ですよというかたちで3回ほどやっています。

それは、不安とかっていうんじゃなくて、出たから対処しているというだけであって。それも込みです。もう、(治験を)やる場合、(やる)前から。自分は。何があっても、その、特にどうのこうのっていうことは、自分では言わないっていう。悪くなったら、もちろん先生がいるのが病院ですからね。対処してくれるって思っていますから、だから、この、先生とだったら、どういうことが。楽しいことだけじゃないですよ、だから。楽しいこともあるけども、そういうことが起きたときに、ちゃんと対処してくれるっていうことで、お付き合いを始めるんですから。

臨床試験・治験の語り

説明文書に副作用として挙げられていたもののうちいくつかは自分にも起こったが、耐えきれないほどでもなかったのでこれぐらいは仕方がないかと思いそのまま過ごした

それで、その副作用もこういうことが、5~6、5~6、5つか6つ、たしか副作用がね、(説明文書に書いて)ありましたよ。でも、1つか2つはね、私も軽いのは少しあったの。だけど、その、耐え切れないってほどでもないから、あ、このくらいのことはしようがないかぐらいでもって過ごしちゃったけど、特別ひどい、その、症状っていうのは現れなかったんで、そのまんま(治験は)終わりましたけどもね(=参加を完了)。はい。だから、中にはきっと体の弱い方は(副作用が)出られた方もいたかもしれませんよね。でも、私の場合にはおかげさまで、うん、そのー、特別、そのー、顕著に現れるってこともなかったし、おかげさまで無事に済みました。

臨床試験・治験の語り

何かあったら受診するように言われていたが、実際に普段ないような便秘をして治験のせいかもしれないと思って電話したことがある(音声のみ)

何かあったら来てくださいっていう症状もあったのよ。それこそ、(いつも飲んでいる)血圧の薬と一緒に飲んでも大丈夫な薬だからって言われたけれど、何かあったら来てくださいって。

普通、そんな便秘することなんかないのに、極端に冷や汗が出るほど、お手洗行って動けなくなるぐらいひどい状態になって。それで、電話したことはあったかな、あったような気がしたんだけど。それで、冷や汗出て、お手洗いでしゃがみこんでっていう、それが、今の治験の薬(のせい)じゃないかなと思ってお電話したことがあったような気がする。ちょっとあいまいなんだけど。それで、(病院に)行って、(治験の)お薬もらう日以外に行ったかな。でも、それは症状が収まってから行った状態なんだけれど。

臨床試験・治験の語り

末期の膵臓がんの母が治験に参加する際、参加を途中で取りやめられると説明されたが、治るかもしれないのになぜ患者側から申し出てやめようと思うのかがわからなかった

―― 治験のパンフレットとかに「やめたくなったらいつでもやめられます」って書いてありますね。

はい、書いてありましたね。

―― あれに関しては、いかがですか。説明されたことを覚えているかとか、やめたくなったときにやめられるっていうことは、どれぐらい重要なこととして受け止めてらっしゃいますか。

いや、あのね、重要なこととしては、受け止めてなかったです。……何かね、やめたくなるということを、何でやめたくなるのかなっていうのが、不思議で。(自分はそんなこと)思わなかったですね。うーん。せっかく治るかもしれない実験、治験なのに、何で途中でやめなきゃならないのっていう。それも患者側から(参加取りやめを申し出て)ですよ。…重篤な副作用とかが出るかもしれないからなのかもしれないんですけれども。でも、そこら辺は(=副作用がでるかもしれないということは)あまり気にもならなかったですね。

臨床試験・治験の語り

にきびの治療薬の治験に参加していたが、あと1回通院が残っていた時期に大学への入学準備で忙しく診察に行けなかったので、ここで止めると病院に電話で連絡した

―― 治験が終わる頃のことを教えていただきたいんですけど、終わる時ってどんな感じで終わったんですか。

終わる時は、おそらくもう1回通院が残ってたような気がするんですけど、大学への入学が決まって、その準備でバタバタしてしまうっていうのがあって、次の診察、受診には行けないってなって。それが決まった時に、もうそこでやめてしまったんですけど。「今回、次行けないので、ここでやめます」っていうのを、確か病院に連絡したような気がします。

―― その時の対応っていうのはどうだったんですか。

特に印象に残ってないので、何事もなかったと思います。たぶん。でも、使ってた薬のチューブを返さなきゃいけないので、たぶんどこかで返しに行ったんだろうな、とは思いますが。はい。

―― じゃあ、もう電話1本で。

そうですね。いつでもやめられるっていうお話はあったので、じゃあ、ちょっとここでやめようって思ったような気がします。

―― じゃあ、自分の生活環境が変わるので、それにあたって必要な準備があってっていうようなかんじですかね。

そうですね、はい。

―― その頃は、もう薬学部を目指してたんですよね。

目指してました。

―― なるほど。じゃあ、大学進学が決まったので、コンプリートしたっていうわけではないということになるんですね。

ではないです。途中で。中断です。

―― で、記憶にはないけれども、最終的にチューブは返しに。

返したと思います。

―― ただ、やめる時には、電話1本で済んだ感じ。

そうですね。

―― で、もう、「はい、はい」みたいな。

電話1本でとりあえず済んで、たぶん、「来てください」って言われたんじゃないかな、と思うんですよね。進学の準備をする前に。それでたぶん、チューブを返したり、つけてた日記も全部回収になるので。それもたぶん、一回返しに行ったんじゃないかと思うんですけど。

臨床試験・治験の語り

参加した治験がどうなったか聞いていない。副作用で治験を中止した時点で自分の中では終わってしまった感じで、自分は役に立つことができなかったのではないかと思っている

―― 最初、治験のことを言われたときに、その、誰かがやらないと、この薬が日本人に合うか分かんないんだからっていって、参加されたという話があったと思うんですけど。途中で治験駄目になったじゃないですか。で、それで、今、ちょっと振り返ってみて、で、その、人の役に立てたなとか(感じていますか?)。

いや、それは、立てたか立てないか、わたしのここまでのことでは分からない。

―― 何か、先生から、でもここまで参加してくれて、データ役に立ちましたよとか、そういう話ってありましたか。

いやあ、それを、役に立てたかどうかは分からないけど、いや、残念だったねってね。一緒になって、「いやあ、残念だわ」って言って、先生も「残念だったね」って、言ってくれたけど。あの薬がね、あ、日本人に合って、今どんどん使っているんだよとか。そういうことを、先生からも聞かないし、わたしも聞かなかった。

―― それ、何か知りたいなとかは思わないですか。

いやあ、もう、そのときで、もう、これは終わってしまったっていう感じ。

―― じゃ、もう、ご自身が、治験終わったら、まあ、そのあとのことは特に。

うん、今、そう言われてみればね、聞いて、聞いてみてもよかったなと思うけど。全然、もう、もう、駄目だったら、わたしがね、役に立つことはできなかったんだわって。だけど、どこもここも丈夫だからね。よく、献体の話あるでしょう。したいと思うけど、C型肝炎だったら献体もできないもんね。

―― ああ、そうなんですか。

いや、そうでしよう。だって、血液の、ウィルスが血液の病気だからね。だから、何でもね、あのー、役に立つことだったら、やっぱりしたい。できる、できる範囲で、自分が、と思っているから、これ駄目になったから、もう、わたし駄目なんだから、何ともいいようないでしょう。効いたか効かないか。

臨床試験・治験の語り

注射が嫌いなのにもかかわらず、治験のために毎日指先から採血をしなければならなかった。それでも途中でやめたら申し訳ないという気持ちもあり、参加を続けた

―― 毎日、決められた通りに注射をやるのを。

そう。朝と夕方、1日2回。そして、寝る前にインシュリン(を打った)。

―― おなかの注射は痛くなかったですか。

おなかは痛かないけど、指先が痛い(=採血のために針を刺すのが痛い)。

―― 指先が痛い。それは、指先は、どの指を使って。

一番先は、人差し指からずうっと並べていって、また、また戻ってきて(=人差し指から順番に指先から採血し往復していた)。

―― あ、毎日。

毎日違うところを打って。

―― どんなふうな痛さがあるんでしょうか。

ま、きやっとするのかね(=ズキンと痛みが走る)。大体、注射は嫌やもんね。嫌いよ。薬だったらね、何でも飲むけどね。

―― でも、注射(=採血)が苦手だったのに、どうして治験止めようと思わなかったんですか。

いや、いや、せっかくしてもらってからね、止めるわけいかんわ。最後までせんと。気の毒いわ(=医療従事者に気の毒である)。せっかく(治験に参加しませんかと)言ってくれて、始めたんやけ。

―― もし止めたいって言ったら、がっかりするなって思ったっていうことですか。治験の人に最初に説明してもらったときに、途中で止めてもいいですよっていうふうには言われた?

いや、それは、聞いていない。聞いていない。

―― じゃ、やりとげなきゃいけないって。

最後までね。でも、途中で。

―― 数値が悪くなったんですね。その数値が悪くなったっていうのは、どういうふうにご連絡をいただいたんですか。

一番最後のね検査で、腎臓の数値が上がったから、ちょっと、今回は(治験継続は)見合わせて。

―― どういうふうにご連絡をいただいたんですか。

病院に行ってから。

―― 教えてもらったんですね。でも、途中で終了にはなったんだけれども、もし、数値が悪くならなければどのぐらいの期間続ける予定だったんですか。

1年間。

―― 1年間、じゃ、1年間痛いけど我慢して。

我慢して。最後まで(続けようと思った)。

―― そのやり遂げようっていう気持ちは、いつも、物ごとはやり遂げたいというふうに思うんですか。

(笑)、いつもとは思わないけど。これは、ちょっとね、最後までしとかんとね。

―― それは、どうしてですか。

まあ、自分のためもあるし、人のためでもあるし。

―― ま、治験の人にも。

気の、悪いから(=治験の人が気の毒だから)。

臨床試験・治験の語り

治験期間残り1ヶ月で治験の手順に違反しているということで中止となり、本当に残念。プラスに考えれば11ヶ月も参加できたし体に合っていたので良かった

治験に入るにあたって、薬って3カ月ぐらい、今、飲んでいる薬は変動しちゃいけないっていう決まりとかいろいろあるんですけど。ちょうどそのとき、わたし、いつも飲んでいる薬を、結構家にいっぱいあったので、主治医に「処方しなくても、まだ家にあるので大丈夫です」ということで、処方してもらわなかったんですけど。治験の委員会とかからみたら、(本来定期的に処方されるはずの薬が処方されていないので)薬が変動しているじゃないかっていうかたちになってしまって。(参加期間の)終わりごろにそれは見つかったらしく、結局、その治験違反、違反ではないですけど、条件に当てはまっていないよと指摘を受けて終わってしまいました。

―― そのあたりのことは治験コーディネーターさんとかも把握していなかったんですかね。

どうなんですかね、多分、もうわたし自身も「おそらく処方していなかっただけですよ」っていうかたちで。「ああ、じゃ、大丈夫だね」っていうかたちだったんですけど。治験コーディネーターさんから、さらに上の会社とかいろいろあるんじゃないですかね。そこから、ちょっとご指摘を受けたということで、泣く泣く(参加中止になりました)。

―― じゃあ(その治験期間)1年のうち、11カ月ぐらい。

ぐらいですね。はい。

―― 治験期間を満了しそうなところでの中断ということだったと思うんですけど、中断って言われたときは、どんなお気持ちでしたか。

いや、もうほんと残念でしたね。あと少しだったので、ちゃんと最後までやりきりたかったなあっていうもあったんですけど。でもプラスに考えれば、11カ月も参加できたことで、しかも、自分の体にあっているなって分かったから、よかったなとは思っています、最終的には。

臨床試験・治験の語り

1回目の治験は効果が見られたことと今までの薬と比べて服用方法が楽だったので続けたいと思った。2回目は効果が出ずいつ中止になるかドキドキしていた(テキストのみ)

―― ——一気にお聞きすると混乱するかも知れないんですが、治験やってる最中にやめたくなったこととかってありますか?1番目か2番目かの時どっちでもいいんですけども、途中で「もうやめようかな」って自分で思ったことっていうのはありますか?

なかったです。まず、一回目の薬は、効いているってずっとCT(検査)とかでも言われていたので、できれば続けていたいって思っていました。あと、それまでの治療が点滴とか自分で注射を打つとかっていう治療だったのですが、こう、(治験薬で)飲み薬に変わったので、それは(今までの薬の服用方法に比べると)やっぱりすごく楽なんですよね、自分で飲むっていうことは。だから、そのタイプの治療(の治験)を続けていきたい。もちろん効果が一番ですけど。そういうふうに思ってました。

二回目の(治験の)時は、2週間に1回の点滴で、そのほかは何もやることはなかったので、まぁ、治療は楽だったというのもあります。でも、二回目の時はなかなか(治験薬の)効果があらわれなかったので、いつ中止になるかドキドキ。逆に、いつ(治験参加を)やめろって言われるかっていうのが不安で。(効果が出ない状況だったのを)ちょっと引っ張って、8月ぐらいまでいったんですけど。

―― ご本人としては治験参加を続けたかったっていうことですか?

うん。

臨床試験・治験の語り

尿タンパクの値がよくなく、治験の規定で徐々に治験薬の量が減らされて、結局中止になってしまった。CT検査でもよくなっていたのでショックで涙が出た(テキストのみ)

―― 治験終了のタイミングについてもお聞きしたいんですが、一回目の治験も、3年続けられて副作用のため中止というふうに資料に書かれてますけど、その辺のお話聞かせてもらってもいいですか?

はい。尿タンパクが出てしまうということで(中止になってしまいました)。中止になる前もずっと何回もちょっと引っかかってて。実際、朝晩あわせて10ミリグラム。朝5ミリ、晩5ミリとかって飲むんですが、だんだんその量を減らされてしまったんですね。治験だと、(規定に)引っかかると、何か段階が下がって薬の量を減らされていく。規定が結構厳しくて。そうですね。うん。途中でどんどん減っていってしまって。で、これ以上減らすよりは、思い切ってほかの薬に切り替えたほうがいいだろうっていうことで中止決定になってしまったんです。はい。

―― その時のお気持ちは?

もうショックでした。やっぱり。先生も「ちょっと残念だよね」って。(CT検査の結果から)「効いてるから」って。でも、やっぱりデータが、数値が出てしまった以上は規定だからっていうことだったので。

―― ああ、それはちょっと辛いですね。

辛い。

―― 治験中止になった時は、辛かったというのはありますけれども、その後どうしようみたいな不安とか、次に向けての何かっていう思いはありましたか?

はい。ちょうど(治験で飲んでいたのと)同じタイプの分子標的薬がどんどん承認されて。一般の薬として、もう2種類ぐらい出ていたので、先生も「この治験薬は使えなくなるけれども、同じタイプの薬が飲めるし大丈夫だよ」っていう風におっしゃってくださったので。中止の時は本当、涙が出ましたけど。