投稿者「dipex-j」のアーカイブ

臨床試験・治験の語り

線維筋痛症の薬の治験に参加したが、問診で「死にたいと思ったことがある」と答えたことが除外基準にかかり、参加を断られた。これまでの苦しみを否定されたようで悲しかった

―― 実際(治験参加同意書に)サインをしたあとに、次に病院に、クリニックに行ったときにどうなかったか教えていただけますか。

はい、えーと、その日は、眼底検査をはじめいろんな検査をするっていうことを予定されていたので、特に眼底検査の場合は、車では来ては困るっていうことで、バスとJRと乗り継ぎながら、まあ、結構、季節的には夏だったので、とにかく紫外線や暑さ自体にも、やっぱり弱いので、その辺はちょっと気にしながら行きました。で、実際に、最初に血液検査とか心電図とかをしたんですけれども、そのあとに問診を、また何かちょっと結構ボリュームのある問診を書いて、で、そこから、コーディネーターの方が、質問に来られて、で、ちょっと問診についての質問をされたんですね。で、そこから、ま、眼底検査をせずに、そこのクリニックの院長先生の診察っていうことになって。で、何か問診にちょっとひっかかったみたいで、ちょっとこれ以上は続けられませんっていうことで、断られてしまったんです。

―― その理由っていうのは、お聞きになりましたか。

はい、えーと、そのときの問診で、死にたいって思うほどのことがあったかどうかっていうことと、自殺につながる行為をしたことがあるかっていうような質問があったんですね。で、どちらにも、わたしは、「はい」で返事をしていたので、でー、それが、基準にひっかかるっていうことで、これ以上はもうできないっていうことでした。

―― 要するに、そこにチェックがはいっている人は、参加基準にひっかかるということだったんですね。

はい。

―― 入れなかった、そのときどういうふうに思われましたか。

もう、何か、わたしの中では、治験ができるっていう思いで、あと何回来る必要があるっていうこととか、いろんな説明を受けていたので、で、「ここに来て駄目なの?」っていう思いとか、もういろんな思いが交じったのと、先ほどもお話したように、ああ、やっぱり断わられたっていうのは、かなりショックでした。うーん。

―― 納得できずに、何か、そのときに、えー、意見したりとかいうことはしましたか。

そのときはですね、あの、やっぱり、先生もわたしと同じ立場でいてくださったみたいで、「死にたいって思うほど痛いのが、線維筋痛症なんだよ」っていうのを、先生がコーディネーターの方におっしゃってくださったんですね。だから、わたしも、わたしが言いたかったけど何となく言いにくかったっていう部分で、「ああ、先生が言ってくれた」と思ってすごくうれしかったんですけど。その死にたいほど痛いのが、線維筋痛症で、それを治すお薬のはずなのに、何でそこにひっかかっちゃったからって断られるのかがすごい分からなくって。で、何か、だから、それを断られたっていうことは、ある意味、ま、枠からはずされたっていうことと、何か、その、それまでの、まあ、理由があってそういう行動をとったり、そういう思いでいたのに、そういったことまでを何か否定されたような気がして、すごく悲しくて帰って泣きました。

臨床試験・治験の語り

眼内レンズの治験で、年齢、近視の程度、矯正視力などの条件がすべて当てはまり、同意書にもサインしたが、検査の結果、条件に合わないことがわかりがっかりした(音声のみ)

まあ、この眼内レンズを入れる治療が、わたしに、ま、一番合ってるように思いましたし。ま、視力が、あのー、よくなる、唯一の方法かなと思って、ものすごく期待していたんですね。で、まあ、あのー、先ほども言ったように、うーんと、ま、電話をして申し込んで、とりあえず診察に来てくださいということで、まあ、近くの大学病院でやっているので、そこに行って、診察を受けました。で、で、あのー、CRCの方が、まあ、同意説明をされて、で、サインをして、で、その日3時間ぐらいの検査。ま、ですが、あのー、ま、待ち時間とかも入れると、ほとんど半日かけて、その検査を受けました。

―― 最初、その、広告を見られて電話されたっていうお話でしたけども、そのときの、期待感っていうあたり、もう少し教えていただけますか。

期待感ですか。

―― どんなことを思って。

えーと、まず、条件が4つほど書かれていて、年齢と、まあ、強い近視の人、乱視が軽い方、で、コンタクトレンズや、えー、眼鏡を使った場合の矯正視力が0.5以上の人という、この4つの条件にはぴったり当てはまったので、いけるかもしれないと思って。ものすごく期待感があったんですね。ただ、ま、駄目かもしれない。ま、あのー、いろんな検査をする中で、こういう試験に入れないっていうことは、割りとよくあることだと思うので、行ってしまって駄目になっちゃうかもっていうのもあって。

検査のデータがどんどんそろっていって、最後に診察が、あ、最初と最後に診察があるんですけれども。その最後の診察のときに、結果を、その、条件に照らし合わせてみていくと、あれ、これが駄目やなっていうことになって、で、じゃ、あの患者さん呼んでと言われて入って、で、実は、この点が合いませんでしたということを言われて、で、ま、ちょっと治験には、入れませんということを言われたので、その日のうちにも終わってしまったんですけどね、はい。

―― そのときの、その、これが合わなくてっていうのを言われたときは、どんなお気持ちでしたか。

もう、すごくがっかりしました。もう、もう、本当にがっかりしたし、あのー、相手の先生がとても親切な先生だったので、この前房、「前に入れるレンズを入れるものだけじゃなくて、後ろのもあるから、それは承認がとれているので、そっちができるかどうかみます」と言って、データを照らし合わせてくださったんですけど、それも、駄目だったということがあって。

臨床試験・治験の語り

ネットでワクチン療法の治験を見つけて、そこに載っている選択・除外基準はクリアしていたが、血液サンプルを送ったところ、白血球の型が合わず参加できなかった(音声のみ)

そのワクチンで治験とか臨床研究っていう言葉で、こう、検索していると、〇〇大の、「WT1ワクチンっていうのの臨床研究やっています」って、「患者さん募集しています」っていうのが見つかって。で、「乳がんも対象にしています」っていうことだったので。で、そこもネットで調べていろいろみていったら、一応、選択除外基準とか、まあ、あの、まだがんを切除していなくって、どうのこうのみたいな、いろいろ。で、あの、腎機能、肝機能とかも、これぐらいまでの人でとか。で、通院できる人とかって。そういう、ま、治験に近いような、条件がいっぱいあって、それ、一応、ぱっと見た感じ、全部OKだったんで。で、OKなのを確認して、それを打ち出して、主治医に、「先生、こんなん見つけたの」って言って。「わたし、これ、全部いけていると思うんだけど、先生、これ、わたし入りたい」って言ったら、「入ってもいいと思う?」って聞いたら、「あ、いいんじゃないの」って言って。で、まあ、「うちではできないから、何かできることがあったら言ってください」って言われたんで。

で、そこのウェブサイトがあったと思うので、そこに問い合わせメールをして。で、そしたら、「じゃ、主治医の先生から、こちらの住所のほうに、データをね、今の現状のデータを送ってもらってください」みたいな感じで、それを送って。で、あの、白血球の型で、このワクチンを投与する人としない人っていうの分けているので、白血球の型を調べたいので、この検査紙に血液を2滴落としたもの、落として乾かしたのを、また送り返してくれっていうんで。何か、あの、試薬みたいなもの、試薬というか、ま、リトマス試験紙じゃないんですけど、そういう感じの、こう、ちょっと分厚い和紙みたいな、これぐらいの名刺ぐらいの大きさのやつに、点点点点点、点点点点点ってあって、ここの点々に血液をぽちょんと落してくれっていうようなキットがきて。で、それを、えーと、「先生これどうしょう」って言ったら、あのー、「検査科に言ってもいいけど、どうする」って言われて、ま、うち(勤務先に)いっぱい看護婦も検査技師もいるので、「じゃ、もう、治験センターでやります」って言って、で、まあ、自分たちで、書いてあるとおりにやって、それを、送り返したんですけど。しばらくしたら「残念ですが」っていうお手紙が、先生あてに確か、あのー、「白血球の型が合わなくて駄目でした」っていうお返事がきて。

臨床試験・治験の語り

病院から承認されたかどうかなどは連絡はなく、気になってはいたが調べる手立てもなかったので分からないままだった

―― で、今回は、それ、たまたまそういうかたち(治験参加後、治療で処方された薬がたまたま当時の治験薬だった)でお知りになったんだと思うんですけども、その、なんていうか、終わってから、当時治験やってた病院とかから、そういう連絡っていうのはない?

まったくないですね。はい。

―― それ、気になったりとかはされませんでした?

でも、ずっと、どうなったんだろうなっていうのは、自分の中でずっと思っていましたけど、特に当時、治験やってた時の、その薬のチューブとかってまったく文字が書いてないですし、薬の名前、一般名が確か同意書に書いてあったような気がするんですけど、ただ、当時は、まったくそこまで頭に入ってなかったので、まったくわからなかったっていうのもあって、調べる手立ても正直なくて、わからないままでした。

―― 問い合わせとかはされてない?

まったくしてないですね。はい。

臨床試験・治験の語り

結果を聞きたいと思うが、CRCとは疎遠になり主治医もかわったのでそんな感じではない

―― ご自身が、その、治験に関われた治験薬が、今後どうなっていくかっていうことについては、その情報を知りたいなとか、そういう思いはありますか。

はい、それは、もちろんあります。せっかく、まあ、飲んでですね、まあ、効いたか、薬が効いたか効かなかったかというのは、ちょっと、よくわたしも分らないんですけども、まあ、せっかく、治験に参加しましたのでですね、やっぱり、その薬っていうのはですね、今、どうなっているのかっていうのをですね、できれば、そのコーディネーターの方とか、先生方、ちょっと主治医変わられたんで、今、お話しする機会がないんですけども、話は聞きたいとは思いましてですね。そういった意味では、それが、不満な点になるんでしょうか。はい。

―― 実際に、その聞かれたことはないんですか、どう、今、どういうふうになっているんですかっていうことを。

あ、はい、コーディネーターの方とかはですね、もう、ほとんど、ほとんどというか会わないんですね。で、主治医の先生が、もう1年前にちょっと代わられましたんで、そういった意味では、もう聞く機会が特にないですし。この間、その、先ほど申しましたようにですね、その薬が、フェーズ3の段階で止まっているという話を(偶然)聞きましたんで、まあ、ちょっと、まあ、(まだ終了していないようだし)聞いても致し方ないのかなということがありましたんで。今から、先生に聞いても、ちょっと、これからその(治験薬を)飲む機会というのがないんで、ちょっとどうしょうもないのかなというふうに思いますけども。

臨床試験・治験の語り

参加賞の代わりに、医療従事者側から自分が参加した治験の対象になっていたものが承認されたという報告があったら嬉しいかもしれない

―― 治験の結果がどうなったかっていうのは、今後、メーカーのほうとかでやっていくと思うんですけど、そのあたりの結果ってお知りになりたいと思いますか。

多分、それが医師のほうから、「これ治験が通ったんだけども、今度治験が通れば保険きいて受けれる」って(患者に伝えると)いうかたちになると思うんですね。その辺が、自分の場合に、それを医師のほうがやった(=その患者が受けた)ほうがいいと思うんであったら勧めてくると思うんですけども。

自分も多分、それなりの時間が経ったあとに聞くとは思いますけど、向こうのほうから「(治験が)通りました」っていう連絡あったら嬉しいかもしれないですね。自分が参加したものであって。自分の場合は、その病院で何人参加されているか分かんないですけども、自分のデータが使われているか使われていないのかも分からないです。こればっかりは、向こうの(治験を実施した)病院の方が考えることであって。この人のデータは、使わないでおこうとかって、もしかしたらあるかもしれないです。自分は、素人だから分かんないですけども。だから、その辺は分かんないですけども、一応、そういうことに参加したっていうんであれば、参加賞じゃないですけども、参加賞の代わりに「これは、国から認められて、多くの患者さんに普及できるようになりました」っていう報告はあったらうれしいかもしれないですね、参加された方はね。うん。

―― 今回の場合は、特にそういうお知らせは。

うん、多分「(治験の結果のお知らせが)あります」とは聞いていないから(ないと思う)。それは、特に求めてもいないですし、うん。ただ、あったほうがいいかなっていう感じです。

臨床試験・治験の語り

眼内レンズの治験を実施していた会社のホームページには承認されたとは書かれていないので、まだ申請中か別の試験を実施中かもしれない(音声のみ)

(医療機器メーカーの)ホームページ開けてみたんですけど、承認とれましたっていうの書かれてなかったんで、まだ、ひょっとしたら申請中、もしくは何か別の試験をやったりとかされているのかなと。まだ、この治験って、ま、いろんな方がいて、ご存じかもしれませんけども、ま、ある程度試験が進んで、そうすると、その中で、例えば、ま、ちょっと有害事象たくさん出ますとかね。あるいは、別のよく似た薬とかで、こんなのが、こういう、傾向が、有害事象がよく出ていますとかっていうような、ここまでいうと、別の、その、試験をもう一つ組んでくださいとかね、いうようなことってよくある、よくあるんですけど。なので、厚労省から、この、今、こういう、検査、新しい技術で、こう、例えば、別のやり方でデータがとれるようになっていたりすると、このやり方でとったデータを出してくださいとかね、ていうので、また別の試験でこのあたりとかって、よくあるんですけど。何か、そんなことがあるのかもしれないし、まあ、ただ、単にこの試験がすんでデータを申請してはって、また、ま、承認が下りていないのかもしれません。ま、わたしが見れなかっただけで、ひょっとしたら下りているのかもしれないですけど。

臨床試験・治験の語り

ネットで調べたところまだ販売には時間がかかりそうなので、治験終了後は同じ薬を個人輸入して飲んでいる。治験の結果はコーディネーターが教えてくれるのだと思う

―― で、治験、1年ぐらい参加されて、今、振り返ってみて、どんな、いかがでしたか。感想とか。

感想、もう、ほんとに出会えてよかったなっていう感じですかね。

―― それは、どうしてですか。

えー、……えーと、薬の効果を実感することができたからですね。なので、今も、治験期間は終わったんですけど、自分でそれは輸入して、定期的に飲んでいます。

―― えーと、その治験薬を、個人輸入みたいな感じですか。

そうですね、一応、主治医に相談して、ここのサイトから、全く治験と同じ薬が手に入るよっていう情報を確実に手に入れたので、その安心感もあるので、自分でネットでちょっと注文して、今は飲んでいます。

―― その治験の結果がどうなったかとか、いつごろ、販売されそうだとか、そういう情報とかご存知ですか。

まあ、今、インターネットでいろいろ書いてはありますけど、どうなのかなっていうところですよね。あと、少しとは言っているんですが、まだ、かかるんじゃないかなと思っています。

―― そういう情報ってご自身で調べられるんですか。

そうですね。あと、コーディネーターさんからも、何となくは言われていますけども、やっぱり、はっきりとは言えないことなので、うん。

―― 結果が分かったら、教えてほしいとかそういうのってあります?

ありますね。多分、おそらく教えてくれるんじゃないかなと思います、はい。

臨床試験・治験の語り

治験薬がどうなったかの結果は知りたいとコーディネーターに伝えてある

―― その薬の開発がうまくいったとか、承認おりたとか、そういうことって、あとでお知らせ欲しいですか。

それはね、あのー、えー、ま、知らせというか、そういうものは、その、知りたいですね。うーん、多分、僕が最後か何かのみたいでしたから。で、余計知りたいですね。で、「うまくいったよ」って言われたら、まあ、よかったねっていう、ねえ。

―― その知りたいとかって、コーディネーターさんとか。

あ、言ってあります。

―― あ、そうなんですか。

「教えてね」っていう話はしてありますから、「もちろんですよ」とか言っていましたけどね。あんな忙しい人に「もちろんです」と言われても、僕、気の毒(笑)。

臨床試験・治験の語り

被験者として承諾書を書いた以上、結果のことまで突っ込んで聞くのは被験者として筋違いかなと思った

―― じゃあ、そのお薬がその後製品になったかどうかとかは全く(知らないですか?)。

それも全然。関心持ってないんで。申し訳ないんですけども。それで、また何のお薬を使われたか、それもね、はっきり分かりませんしね。で、そこまで詮索するのはやっぱし、頼まれた患者と、治験者(被験者)としては、出過ぎてんじゃないかなと思って、それは、そこまではしませんでしたけども、本当はしなきゃいけなかったんでしょうか。

―― 出過ぎたっていうのはどんな感じですかね。被験者というか、治験を受ける患者さんというのはどういう立場っていうふうにお感じになってらっしゃるんですか。

うん、やっぱし、一応、あの、頼まれて、それでもって一応、承諾書を書いて、で、「します」って言った以上は、その、約束を守るのが、ねえ、やっぱし、治験をした人の義務でもって、自分が終わったからって、じゃ、その後の「どうなりました?」って、そこまで突っ込むのは…、うん、治験者(被験者)の権利ではないような気がするんですよね。私たちが、昔の、その世代で育ってきたからそういう考えになるのか知らないけども、今の進歩的な方だったら、もっと突っ込まれて、若い方だったら突っ込まれて、その、私たちが受けたその治験のお薬の結果はどうなりましたとかっていろいろおっしゃると思うんですけど、私はそこまで…、うん。突っ込むのは筋違いかなと思って、うん、何にも言いませんでしたけども。で、また、自分がどういう、お薬をされたかってこと、それもはっきり教えていただかないし、ただ、その、あちらが、あのー、「はい、これをしましょう」って言われたら「はい」、「はい、これをしましょう」って言ったら「はい」、で、「検査をしましょう」って言ったら「はい」って、もう、あちらで言われたとおりに動いてきたんで、それ以外のことは、うーん、しちゃ…いけないのかなと思って、また、する必要もなかったし、指示どおりに動いたのが、うん、私でもって、それはやっぱし、その、お約束した者のする務めかなと思ってましたもんですから、うん、それ以上のことはしてません。少しマイナスかなと思いますけどもね。本当はやっぱり、少しこう、進歩的な方だったら、その、自分がしていただいたその薬の結果がどうなったかってことをきっとお尋ねになる方もいらしたかもしれませんけども。うん。でも、私なんかの世代ではそういう方、ちょっと少ないんじゃないのかなと思ってますけどもね。うん。お若い方ならともかくもね。うん。