投稿者「dipex-j」のアーカイブ

臨床試験・治験の語り

全身性エリテマトーデスでステロイドが効かなくなってきたときに、通っていた大学病院の膠原病皮膚科で治験をやっていることを知らされた

―― ご病気をお持ちの中で、治験にかかわるようになったきっかけっていうのは、どういったところにあったんでしょうか。

ちょうど、いつも行っている大学病院だったんですけども、ちょっと活動期に入ってきはじめだったんですね。昨年末ぐらいに、やっぱり紅斑です とか、脱毛とかが始まってきて。で、ステロイドを増やしたんですけども、やっぱりそれでも効かなくなってしまって、どうしようかっていうことで、増やすこともちょっと不安があったんですけども、かといって、増やさないで悪化することも不安で。で、(主治医に)相談をしたら、「ちょうど病院で治験をやっているよ」って案内していただいて、「ああ、じゃ、ぜひ」ということで治験に参加しました。

―― その治験を知らされたのは、どういう人から?医療者だと思うんですけども。

まず、主治医から「膠原病皮膚科でやっているよ」ということで、伺って、それから、膠原病皮膚科の先生と話し合いながら、治験コーディネーターさんとともにやりました。

―― そのとき、どういうお話がありましたか。

えーと、そうですね。新薬なので、いろいろな薬のリスクですとか、丁寧に説明していただいて、「今のところ何人こういう人がいて、治験に参加されています」ということで。その薬は飲み薬のステロイドと、塗り薬のステロイドの中間なイメージで。「だから、増やすよりはリスクはないけれども、やってみる価値があるよ」っていうかたちで。「あ、じゃ、やってみようかな」っていうかたちで参加しました。

臨床試験・治験の語り

母親の膵臓がんが発覚してから、様々な治療法を試してみたが効果が十分得られず、主治医と今後の治療方針を話し合う中で治験を提案された

(がんを切除する手術から)1カ月ぐらいで退院はできたんですけれども、その次の翌年、2012年の春から抗がん剤、ジェムザールを投与し始めたんですけれども。骨髄抑制、……白血球が少なくなってしまう状態が出てしまったので、量を減らしたりとか間隔をあけたりとかしてやったんですけれども。1カ月ごとに、その手術をした病院に行って腫瘍マーカーを測っていたんですけれども、どうもおもわしくないと。腫瘍マーカーの数値が上がってきてしまっているということなので、今度は、内服薬、頓服、TS-1という、膵臓がんの最後の砦というふうなお薬だったんですけれども、それを服用しはじめました。それは、……そうですね、1年近くかな、やったんですよ。それはすぐに効いてですね、腫瘍マーカーも、一時期は1万ぐらい上がっていたんですけれど、それが100を切るぐらいまで下がったんですけれども。ま、ある途中ぐらいから、去年か、……の2月ぐらいからかな、ちょっと、また腫瘍マーカーの値が上がってきてしまったので、うーん、……ほいで、先生のほうから、もうこのTS-1も効かなくなってきたということで、「これからどうしますか」ということをお話ししていただいて、それで、実は研究している抗がん剤、じゃないや、治験のお薬があるということなので、もしよかったらその治験を試してみてはいかがですかということ……になりました、はい。

臨床試験・治験の語り

CRCは検査と薬のスケジュール、入院の病室や室料など具体的な細かい説明ばかりで、同意しても途中で自分からやめられるということの説明は印象に残っていない(音声のみ)

―― 副作用とかあったり、自分でちょっと嫌だなとか思ったら、いつでもやめていいよっていうような説明とかあったんですか。1回その参加しますって同意したあともやめられますって。

多分、そういう説明ではなくて、ただ途中でね、やめても、うちでちゃんと最後までみるよっていうだけで、治験を途中でリタイアしていいとかっていうことは言われた覚えはないです。治験をやめる話は、全然なかったですね。やめる場合のパターンっていうのは、何一つ出なかったですね。実際は、コーディネーターさんが説明はしてくれたのかもしれないんですけど、そういうのより、コーディネーターさんから受けた説明っていうのは、その検査のスケジュール、それとその治験で薬を飲み始めた場合のスケジュール。入院する、入院して始めましょうってわたしの場合はなっていたので、その場合は、その病棟はどの辺になるのか、治験で入院するからこういう病室になるか、普通の患者さんとは扱いが変わるとかっていうこまごました、具体的なこまごましたことで。入院すると室料とかいろいろ出てくるじゃないですか。そういったことも心配いらないですみたいなことしか言われなくて。

だから、その治験をおりる話っていうのは、印象に残っていないです。……だから、わたしは、多分そのときの感じとしては、治験というのは、そんな長い期間ずうっとやっているわけではないという程度の認識しかなかったから、その途中でやめなきゃなんなくなるような事態っていうのは全然浮かばない状態で動いていましたね。

臨床試験・治験の語り

薬を途中でやめられることは事前に説明を受けた。薬が合わないということもあるので、途中でやめられるということは嬉しく、参考になった

―― その説明の中で、あのー、もし、何か、やだ、治験のことで嫌だったら途中でやめられるとか、そういう説明って受けました?

あ、受けました。はい。

―― そのことはその参加を判断するにあたって、何か重要な要素になったりしました?

もちろん。もし、その薬を始めたことで、逆に具合が悪くなってしまったりですとか、何かちょっともう合わないとか、やっぱりあると思うので、途中でやめれるっていうことは、うれしかったです。うれしかったというか、参考になりました。

臨床試験・治験の語り

CRCから治験の仕組みについて説明を受け、同意をしてもやめることができるといわれた。さらに一旦家に持ち帰って考えてきてくださいといわれた(テキストのみ)

―― そのCRCさんと話をしたということなんですけども、その時にはどういうような説明があったかっていうのを聞きたいんですが。具体的に、例えば副作用の話とかそういう話って、きちんと説明とか受けられましたか?

はい。受けられました。まず治験がどういう仕組みなのかということで、その同意。同じように同意をしていただいて、やめることもできるしとか。あと、何て言うのかな、病院に来た時の流れとか。ちょっと他の患者さんとは扱いが違うよっていう。何て言うんですかね。遠くから参加してる人もいるので、診察とかそういうのも別流れというか。ちょっと早めに診てもらえるとか、ちょっと優先的にできますみたいな感じでしたけど。

で、そのあとに、もう一回、同意するか考えてきてくださいという形で、一旦持ち帰って。もう一度、最初の病院の先生ともちょっと話をしたいんですなんて言って。でも、心の中では決めていたようなものなんですけど。やりたいって。ぜひやりたい。

臨床試験・治験の語り

手術を担当する医師から治験への参加を勧められたが、CRCから断っても一切差し支えないと説明されたので、断りにくいようなプレッシャーは感じなかった(音声のみ)

―― なんか先生に言われると、まあ手術しかないし、この先生に手術してもらわなきゃと思うと、治験のこと勧められたら、断りにくいような、そういうプレッシャーはないかなっていう、気になったところなんですけど、その辺はいかがでしたか。

うーん、説明を受ける時には、もちろんこれは治験なので断っても一切差し支えはないですと…いうお話もありましたし、きちんとコーディネーターの方から、説明を受けて納得した上で、同意していただいた上で実施することですということもきちんとお話はあったんですけども…治験に同意しなければ何か自分が不利な立場になるっていいますかね、そういうことは全然思わなかったですね。それは家族もお世話になっていますし、私も、家族が手術を受けたりした時に、説明を受けた機会もあったので、存じ上げている先生だったので、そういう治験を受けなければ、なんかデメリットに働くんじゃないかというようなプレッシャーというのは全然感じなかったですね。

臨床試験・治験の語り

新薬の治験だったが、その結果が自分に反映するものではないと説明された。自分の持っている病気に対する直接的な治療薬ではなかったので、期待していなかった

―― 新しいお薬の治験ということだったんですけれども、そのお薬に期待をしてとか、そういうこととかではないんですか。

それは全然ありませんでした。ある程度そういう応募しましてね、説明を伺ったんですけれども、その中でも、すぐに、なんかその結果がですね、自分に反映するというものではないということは説明を伺いましたのでね。ええ、それはもう事前に了解をしておりました。
 あくまで薬…を飲んで、その状況がどうなっているかっていうのを、ある程度の長期間にわたってお調べになるという、そういうことですから。うーん、治療じゃないんですよね、あくまで、ええ。その薬の効果というのがどう私の体に現れるのか、現れないのかという、それだけの話ですから。別に私の持っている病気が良くなるとか悪くなるとかっていうのは、直接的な関係はないと、そういうふうに思っていましたし、ええ。あんまり関係なかったです、正直、ええ。

臨床試験・治験の語り

副作用が出たら24時間いつでも診てあげるといわれて参加を決めたが、CRCは副作用については書類を読んでくださいというだけで詳しく説明してくれなかった(音声のみ)

治験のね、お薬は、いろんなことが、まだ副作用もね、未知数だし、何がおこるか分からないって怖さはあったんですけど。「何か副作用が出たら、もう24時間いつでもね、来て、診てあげる」って言ってくださったし。24時間何があっても血液内科の先生が誰かしらいて、対応してくれるっていうところにすごく安心感がね、芽生えて。前向きにね、(治験を)やりたいっていうことを電話で伝えたら、時間の予約の前に治験の先生のほうから「じゃ、もうね、すぐ来なさい」って言って。時間をね、あけてくださって。で、そこに行ったら、もうその同意書とかそのほかのいろんな書類がいっぱいあって。そのときに初めて、治験のコーディネーターさんを紹介されて。副作用とかその他もろもろの説明は、先生から一切聞いていなくて、治験のコーディネーターさんが、ほんとに軽くさらっと、もうこの人はOKだからみたいな、(医師からコーディネーターへの)紹介で話が通じていたらしくて、副作用とかも、大体この書いてあるとおりなんで読んでくださいっていう、あっさりしたもので。一応、書類とかにサインはして帰ったんですね。

次は、もう、検査に入りますからって、前段階のいろんなデータをとっとかないとって言われて。次の予約を入れて、「またこのいろんな書類を書いて持ってきてくれればいいです」って言われて。で「気が変わったらいつでも断ってもいいし、気が変わって断ったからっていって、もとのね、病院に帰らなくていいから」って。「あとは、全部うちでみるから」って、そこは先生、強調されていたんですね。

臨床試験・治験の語り

医師からは副作用として、血圧が下がることしか言われなかったが、実際に薬をもらいに行ったら、薬袋には倦怠感や脱力感などたくさんの副作用が書かれていた(音声のみ)

その(治験で)使いたい薬は、「副作用というのがあんまりないけれども、ただ血圧が下がります」っていうことをね、言われて。「ほかは、心配するような副作用は、一切ありませんから」って言われたんですよ。「だから安心してね、飲んでもらいますから」って言われて。「それでは」っていうことでいただいてきて、2週間分いただいたんでしょうかね。まず、2週間試してみましょっていうことで。

先生、わたしが「じゃ、それ(=治験)に協力いたします」って言われたら、すぐにお電話かけに行かれて。で、「あなたの場合には、こちらの薬です」って言われて。何か難しい名前でした。で、薬局へ行って、そのお薬をもらってきましたら、薬袋に副作用がいろいろ書いてあるんですよね。その中に倦怠感とか脱力感とかっていうのもあって、血圧が下がるっていうこともあったり、何かいろいろ書いてあったんですけどね。一番最初に、脱力感とかっていうことが書いてあって。これが飲むたびにだんだん強くなっていくようでしたら、もう止めてくださいっていうことは書いてあるんですけど。その(脱力感の)程度がわたしには分かりませんのでね。でも、嫌だなと思ったもんですから、もう、1回で止めてしまったんです。

臨床試験・治験の語り

大学病院から来た白衣を着た担当者が、副作用のほうが多いのではないかと思うくらい副作用について説明したが、それでも先生がついているので安心感はあった(音声のみ)

―― 治験をしますってなった場合、例えば、副作用がありますよとか悪いことがありますよっていう、そういう説明は十分にお医者さんから受けましたか。

受けた、受けましたし、それはもう、だって副作用のほうが多いぐらい。実際もらっている薬だって、副作用、同じような副作用、こんな同じような副作用があって、何でこの薬飲まなきゃいけなくちゃいけないかなと思うぐらいあるから。それは、ありましたよ、それは。でも、先生がついているんだから、大丈夫じゃないのかなっていう安心感はあったの。何かあったら来てくださいって。

―― 治験をしますよっていうその説明だとか、先ほどの副作用の説明とか、主治医のほうから、直接?

じゃなかったような気がする、アシスタントのような、同じ大学の、どっかから来ていますよって、その大学から派遣された、資格のある人なんでしょうけどね。看護婦さんなんか、お医者さんだか、女性が必ず毎回来て説明して。

―― その方が、どういった役職というか立ち場の方だったかは覚えてないですかね。

分からない、分からない。その大学の名前は言っていたような気がする。

―― どっか大学病院から来ている。

そう、そう、わたしが担当しますっていうような感じで。白衣みたいなの着ていたから。