わたし自身それまで治験っていうのは、……その段階にもよるんでしょうけれども、そうですね、わたしは、軽症で入院とかしたこともないんですけども、そういった治験っていうのは、わたしのイメージとしては、入院されるほど、体の状態の、潰瘍性大腸炎の状態の悪い方、そういった方が、大学病院の先生の勧めで「こういったものがあるんだけど、やってみませんか」というような状態で勧められんじゃないかなっていうふうには考えていました。ですから、わたしのようなですね、軽症者がですね、そんな治験に参加するっていうのは、特には、(考えてい)なかったんですけども。そのとき、たまたまちょっと掲示板を見たのが、きっかけだったんですけども。ですんで、そういった意味では、そういった治験に参加するチャンスていうのはですね、どちらかというと、入院とかされていらっしゃる方、そういった方がするもんだっていうふうには思っていましたけれども。
投稿者「dipex-j」のアーカイブ
やっぱり私自身は、がんとか、その、よく聞く話に、新薬、新薬をね、新薬を試すがために、地方の大学病院とかでは受けれないから、都会にわざわざ行くとかっていうニュースを見たりするときに、どうしても、筋ジスだったりって神経系のね、難病の人とかが結構そういうふうなので快復してとかっていうのを、記事とかを新聞記事とかで見たりしたので、ごく身近には感じないですよね。あの、寝たきり状態の人がちょっと、ちょっとこう、腕が使えるようになるとか、指がちょっと動くようになるとかっていうためのものが、私は治験だと思ったんですね。そういう、うん、だから、この自分自身のこういった皮膚の病気に対してその治験があるとは思ってなかったです。
患者さんに注意していただきたいのは、決して医師やCRCに遠慮はしないでほしいということですね。どんなささやかなことでもいいので、分からないこととか、疑問に思うこと、不安に思うことがあれば遠慮なくいつでも質問してほしいということになりますし、分からなければメモに取っていただいても全く構いませんし、1人で聞く自信がない場合は、どなたかご家族の方に改めてもう一度説明することもできますし、家族でなくても信頼されるどこかのセカンドオピニオンの医師がいらっしゃれば、その方々にご相談していただいても構いません。もう一つ重要なことは、その日に結論は出さなくてもいいということなんです。いったん説明を聞いた後で、おうちに持ち帰って、ちょっと違う環境で冷静になって読み直して、考えていただくことも重要なことだというふうに思います。
「臨床試験に参加してもいいよ」っていうふうに思ってくださった場合には、同意書に署名をしていただくことになります。署名をしていただいた同意書は医師と患者さん双方で保管いただくことになりますので、これは紛失しないようにきちんと試験が終了するまでの間は保管していただければなあというふうに思います。
―― 参加をしてから、やっぱりやめたいなと思った場合はやめることができるんですか?
いったん同意を決めた場合でも、その後いつでも同意を撤回することができます。そのときには遠慮なく医師やCRCにご相談くださればというふうに思います。
―― 同意をした後に、例えば何か中止になったりとか、入れませんよというふうなこともあるんでしょうか?
そうなんですね。せっかく患者さんがこの試験に参加してもいいよと決めてくださった後でも、例えばお薬を飲んでいただく前の検査で何か基準に引っかかるような、異常値が出てしまった場合であるとか、あるいはご自身に合っているお薬であっても、例えば製薬企業の事情であるとか、あるいは他施設でよくない副作用が出た場合にも、試験全体が中止になってしまうこともありますので、その場合には続けて入っていただくことができないこともあります。
そもそも世界医師会が臨床試験に参加するためのルールを作っているわけなんですけれども、そのルールがヘルシンキ宣言というふうに言いまして、このヘルシンキ宣言の中では、試験に参加する人の自発的な同意を求めていて、なおかつそれを保証しているわけなんですね。なので、臨床試験におけるインフォームドコンセントっていうのは、臨床試験の内容について医師やCRCから十分な説明を受けた上で、患者さんが正しく理解し、納得して同意することをいいます。
臨床試験っていうのは、要はこれから効果であるとか、安全性を確認する試験ということになりますので、参加する患者さんが時には不安になったり、心配になったり、要は一喜一憂することが多い局面があるんですね。そんなときに、何かちょっと誰かに相談したいなとか、これはどうしらいいのかなっていうささいな不安や疑問があったときに、何でもCRCに聞いていただけたらなというふうに思っています。
―― 具体的にはどのようなことを聞いたり、活用したりすればよろしいでしょうか。
そうですね。まず、一番初め医師から臨床試験に参加しませんかっていうふうに言われたときに、臨床試験っていうのは通常の治療と違って、特別なスケジュールが決められていたり、ちょっと試験のために余分な検査が必要になったり、お薬の飲み方が変わっていたり、ちょっと普段とは違うことがありますので、そのような試験のスケジュールであるとか、内容とかを医師に代わってより細かく分かりやすく説明をして、患者さんの自由意志による決定を支援をしたりとかもしておりますし、試験に参加することになった場合でも、ちょっとこう体の変化が「いつもとは違うな」というふうに感じたときとか、お薬を飲み忘れた場合とか、風邪をひいて近所の病院にかかりたいなと思った場合とか、本当にどのようなことでもいいですので、相談していただけたらなというふうに思います。
―― どのような試験でもいていただけるんでしょうか。
それがですね、ちょっと残念ながら一部の臨床試験ではCRCのサポートがない場合もあります。それは医療機関の体制であるとか、CRCの人数によって変わってくるんじゃないかというふうに思っています。
臨床研究コーディネーターっていいますのは、英語ではclinical research coordinatorっていうふうに書くんですね。で、その頭文字を取ってCRCというふうに呼ばれています。
―― どのようなお仕事をされているんでしょうか。
CRCは臨床試験が安全に円滑に進むように、臨床試験の始めから終わりまで患者さんをサポートするのが仕事です。
―― 何か特別な資格が必要なんですか。
特別な資格は特には必要ないんですけれども、日本ではCRCになる人は、主には看護師であったり、薬剤師、検査技師さんが多いという傾向があります。
―― 自分が参加した臨床試験の結果ですけれども、教えていただくことはできるんですか。
はい、お知らせすることは可能です。
―― いつごろとか、時期などはありますか。
参加された臨床試験のデータが、全てまとまるころというふうに言われているのが一般的ですので、例えば個人の臨床試験の参加の期間が終了した直後で、すぐに結果をお知らせするっていうことは難しいかも分からないですけれども、少し時間がたった後ではお知らせすることが可能だと思います。
―― では知りたいと思った場合は、参加した医療機関の担当の方に聞けばよろしいんでしょうか。
そうですね。医師やCRCなどにも尋ねていただけたらと思います。
プラセボを使う目的というのは、医師の思い込みを排除するということもあるわけですけれども、患者さんご自身も見かけ上お薬の成分を含まないことは分からないようになっていますので、効いていると(思うと)一定効果が得られることもあるわけです。そういったことをデータを取りながら検証していくということも、とても重要な臨床試験の、重要な役割といいますか、重要な段階ということになります。
―― では、もしもプラセボに当たってしまったとしても、それは研究上は意味があるというふうに。
そうですね。だからその新しいお薬とか、新しい治療法が本当にいいのかどうかを検証する上では、とても重要で有効なデータということになります。
既存のお薬というのは今、ある病気に対して世間的には認められている、厚生労働省もお薬として認可していて、一般的によく用いられている治療方法で行うことを既存のお薬、既存の治療法というふうに呼んでいます。
―― 他にも何か比べるためのお薬というのは使われるんですか。
そうですね。プラセボ薬というのを用いることがあります。
―― プラセボっていうものについて、もう少し詳しく教えていただけますか?
プラセボというのは、お薬の有効成分を含まない、形状はお薬の形をしているんですけれども、有効成分を含まないお薬のことをプラセボ薬というふうに呼んでいます。これも臨床試験を進める上ではとても大切なお薬で、一見するとお薬の成分を持たない薬を飲むことって意義があるのかっていうふうに考えられる方もひょっとしていらっしゃるかも分からないですけれども、このお薬は効くに違いないとか、あるお薬は効くけれども、このお薬は効かないに違いないといったような思い込みを排除する上では、とても重要な役割を果たします。