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診断時:19歳
インタビュー時:52歳(2017年9月)
追加インタビュー時:56歳(2020年9月24日)
関東地方在住の男性。妻と子ども二人。学生時代に発症し腸管破裂で緊急手術をした。その後は腸閉塞で緊急入院したこともあったが、全体的には落ち着いた状態が続いて、その間に結婚をして子どもも二人もうけた。しかし、45歳のころから悪化し、レミケード等を試してみたが、結局直腸がんが見つかり摘出手術をし、その時人工肛門にした。2018年6月頃ヒュミラを使いだしたが皮膚トラブルがでたので中止した。また貧血が酷くなり輸血をすることもあったが、ビタミンB12が効いたようで、それ以降貧血も改善した。
語りの内容
あの、まあこのコロナの前にですね、えっと、実はわれわれの年代って、風疹の抗体があるなし。予防接種をしたかしてないかで、まあ、してない世代だよねってことで、行政から案内が来て。無償で検査と、無償じゃなかったかな、多少の持ち出しで接種が受けられますよと。
まああの、三日ばしかといえども、うつれば重篤な障害を相手の方ですね、残したりするので。まあ、ちゃんと受けてくださいというような話がありました。なので、それを、検査をして予防接種を受けようかなっていうふうにしてたところに、コロナの騒ぎが始まったんですけれども。
まあいずれにしても、そのときにドクターと話しまして、相談してアドバイス受けたのは、やっぱりコロナと同じように、基礎疾患がねっていうふうな、あ言葉が先に出て。で、プラス、その基礎疾患を鎮めるために、その、ヒュミラなりレミケードなり、免疫を扱う、コントロールする薬を使ってる。よってもって、普通のその予防接種というか、生ワクチンの接種っていうのは、えー、ちょっとやっぱり避け、ちょっとじゃないですね、避けたほうがいいでしょうというのは、アドバイスというか指示を受けました。もし、その風疹の予防接種やるんであれば、ヒュミラをやめて、半年ぐらい置かないと、やはりちょっと心配ですねというようなことも言われました。
なので、まあその、今は私、ヒュミラやめてるので、抗TNFα製剤やめてますから、まあ、今はいいと思うんですけれども。そういう、日常的にそういう薬を使って寛解を維持してる人は、ちょっとあの、まあその風疹の話が発端ですけれど、例えば今度コロナのワクチン*ができましたっていったときに、われ先にっていうわけにはいかないのかなと。そういう、ある程度見極める期間を置いて、ワクチンを接種するとかっていうことが必要になってくると、まあちょっと、やっぱり普通の方との対応とはだいぶ違ってくる。その間にまた感染するリスクとかもね、出てくると思います。
そういう意味で、やっぱり、もう35年、36年と一緒にこの病気と生活していて、体の一部なんですけれども、新型コロナウイルスというものに出くわしてから以降ですね、やっぱり普通ではないんだということと、普通の対応では駄目なんだっていうのを、改めて思わされたと感じました。(2020年9月追加インタビュー)
*2021年2月現在開発されているコロナワクチンは生ワクチンではなく、遺伝子操作によるものなので生物学的製剤との関係では問題ない
インタビュー06
- 食事に関しては、家内の負担にならないように特別な配慮はしなくていいと言ってあるので、子ども中心の食事で、自分は食べられるものを選んで食べている
- 5年前に直腸がんが見つかってストーマを造ったが、あえて子どもに話したことはない。ストーマだけでなくがんについての説明をすることになるので、お風呂も一緒には入らない
- 職場での昼飯は一人残って時間をかけて食べていた。夜の飲み会でも食べられるものだけ選んでたべていたので、割り勘負けはしたけれど普通に付き合っていた
- 就職活動で最初は正直に病気を開示したが、どこも採用してくれなかったので、主治医に「炎症性の腸疾患があるけれど通常勤務に支障はない」というコメントを書いてもらって、採用に至った
- 腸管が破裂して緊急手術となったもので、その破裂した個所だけでなく潰瘍のあるところまでを切除したので、小腸の3分の1と大腸の広い範囲を切除した
- 手術の前には、家族に心配かけるとか色々悩みもある。しかし、手術を引き延ばしてもいいことはないので、やると決めたらさっさとやってしまう方がいいと思う
- サラゾピリンを使っていると尿だけでなく精液もオレンジ色になりびっくりした
- レミケードは最初は劇的に効いたが、狭窄があったためにお腹が張ってしまった
- 難病と言われても大変なことだとは思ったが先のことは想像がつかなかった。さんざん病院を回って診断がついたので、やれやれと思った
- 便のドレナージというのはお尻から直腸に管を入れて排便する方法。管を常時差し込んでおいて、テープで止めて足元のドレナージバックに流し込むというもの
- 「基礎疾患」を枕ことばのようにして周りの人は心配してくれるので気を付けないといけないのかな、と思っている。感染に注意する必要性は患者会でもお話している
- 生物学的製剤を使っている人は風疹ワクチンを打てないので、コロナのワクチンも普通の人みたいには使えないかもしれないと心配した。自分が普通の人と違うことを改めて実感させられる
- 倦怠感とのどの痛みが続いたので保健所に相談して抗原検査を受けた。その時、駐車場の車の中で受けた検査の異様な雰囲気が印象に残った