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クローン病の語り

腸管が破裂して緊急手術となったもので、その破裂した個所だけでなく潰瘍のあるところまでを切除したので、小腸の3分の1と大腸の広い範囲を切除した

―― その最初の、その腸管破裂で手術をされたっていうことなんですけれども、それは、その、破裂した部分を削除、切除するというような手術だったんですか。

あ、そうですね。もともと、もう、あの、だいぶ狭窄が進んでいるので、えー、手術をしなきゃいけないね、ただ、もう全身的に、全身状態が、あの、良くないので、点滴を、IVHをしながらですね、回復を、ある程度体力を付けた上で手術をしようかということを言われて入院してる最中での、その腸管の破裂でした。ですので、ちょっと何が原因で、あの、そういう、まあ、もう腸管自体が、あの、腸の壁自体がですね、もうぼろぼろで薄くなってたんじゃないかなっていうお話がありましたけども。
まあ、そこの部分だけではなくて、で、まあ、当時のことですから、あの、なかなかその、えっと、見ていただいたのは内科の、まあ、クローン病を見ていただいたのは内科の先生でした。ただ、その緊急で手術になった際には、えっと、一般の消化器外科の先生だったので、今みたいに、その、手術の技術っていうか、いろんな経験値があってのことではなかったわけですから、まあ、要はつなげられるところまで、見ていって、潰瘍がないところで切って、切除、また反対側の潰瘍がないところまでって追っ掛けていって切除ということで、まあ、その小腸の3分の1近くと、それから、大腸の、えっと、そのときは上行結腸から横行結腸の真ん中ぐらいでしたね、を取ってしまうと。かなり広範囲な切除になってしまったということでございます。…多分今はそんなことはしないと思うんですね、専門医にかかっていれば。ですが、まあ、当時は分からないし、いろんな、あの、情報を調べても、まあ、クローン病になった、なったら、まあ、後は、その罹患(りかん)部位を切るしかないぐらいの記述しかないような時代でしたので、まあ、致し方なかったのかなと思います。

クローン病の語り

最初にストーマの話を聞いたときは一晩泣いたが、付けている人は世の中にたくさんいるし、何とかなると思ってすぐ受け入れた。経験者の話やビデオを見て納得して手術に臨んだ

―― そのストーマを付けるということが、まあ、分かったときっていうのは、どんなふうに思われました?

うーん。手術が怖いとか嫌だというよりも、仕事ができなくなるのがすごく心配でした。で、あの、ストーマ付けている人は世の中にいっぱいいるし、全然私なんか気付かないところで多分いっぱいいらっしゃるので、そんな不便もないだろうし、何とかなるなとは思ったので、すぐ受け入れたんですけど…。一晩ぐらいは、泣き、泣いた、泣きました(笑)。
で、『CCJAPAN』という本とかで手術経験者の話とかインターネットで調べて、みんな大丈夫だと思ったら、もうすぐ次の日から大丈夫になったんですけど。まあ、看護師さんにはしつこく聞いていました、どうやって出すんですかとか、どんなポーズでとか。たら、みんな優しく具体的なことを教えてくれたので、もう後は手術に向けての生活というか。で、多分、多分素直に受け入れたほうだとは思います。

―― じゃあ、その手術をする前までに、えー、いろんなストーマの情報とかを聞いて、ある程度納得して、まあ、手術に臨まれたということですか。ああ。でも、その若い女性にとってやっぱりストーマというのは、かなり刺激的なものですよね。

そうですよねえ。

―― その現物とかをご覧になりました、その手術前に?

あのビデオを見せていただきました。実際の患者さんが手当てというか、どんなパックの付け替えとかいうビデオを見て納得っていうか。言葉とか写真だけでは全然イメージ湧かなくて、実際付け替えているところを見て納得しました。

―― あ、それでこれなら私もできそうだという。

うん。できそうだって思ったのと、一番強いのはもう食べちゃ駄目ってずっと言われてたので、食べてみたいのが強かったですね。生野菜食べていいんですかとか、あの、野菜食べていいんですかとか(笑)。これなら食べれるようになりますかを、すごく聞いていました、先生には。

―― それで、ストーマにしたら食べてもいいですよって。

うん。ちょっとは食べれるよって、そんな病気は治らないから気を付けながらだけど、少しずつ食べれるよっていうのを聞いて、少しでもいいから食べたいって思ったんですね。

クローン病の語り

絶対にストーマにしなくてはならない状況ではないものの、QOLを考えるとしたほうがいい状況で、ストーマにしたら母親が悲しむかもしれないということを言い訳に先送りしていた

―― 最初ストーマに、まあ、当然かもしれないけど抵抗があって、で、その、お母さまが、に対して、なんかお母さまがいるときにストーマをするのは、っていうお話がちらっと出たんですけど、それはどういう意味なんでしょうか。

そうですね、やっぱり、僕は母親に対してはもう看病から何からすごい世話になったので、もしかして、もちろん母とはストーマの話はなんにもしてませんけれども、で、ストーマになったら、まあ、やっぱりそんなんなったら悲しむんちゃうかなと思う気持ちと。まあ、あと自分がやっぱりストーマはしたくないという一つの心の言い訳にもなって、両方で、ま、母親のいるうちは、まあちょっと、母がたまたま、あのー、だいぶ体調ちょっと下がりかけのときに肺がんになりまして、で、なんやかんやで、ま、1年足らずでですね、ぱっとなくなってしまったので。
ま、そのころちょうどストーマにどうしようかな思うけど、まあ、母親の看病もせないかんし、もうそのとき父親も亡くなって1人っ子ですので。で、まあなんか、母親の看病しながらすぐ横のトイレでも何回もこう往復しながら、まあ、生きてる間はまだええかなっていうようなところで、あの。
ほんとは、あの、医学的にはまだセーフやけども日常生活が大変つらいという中で、の、はざまにいたのでほんとに、その、グレーゾーンみたいな形なんがずっと続いている一つの、しないほうの言い訳に母親を使ってるっていうのか、まあ、一つの理由にしてるっていうのはありました。

クローン病の語り

肛門の手術のあとしばらくは勃起不全があったが、数か月で次第に回復した。ストーマが性生活に影響あるかと聞かれれば、確かに最初は気になったが慣れてしまえば問題なかった

えっと、ストーマ、どっからしゃべろかな。ストーマした後は、あの、全く男性の機能はなくなってて、で、おかしいなと思って、けど、先生にも言いにくいなと思ってて(笑)病院、病院というかそんときは入院してまして。でまあ、あの、先生に「うんとも、すんともいわないんですけど」って(笑)、あの、言いましたら、あの、もうそこだけ、その神経もとても気を付けてやってる。ただ、どうしてもこの肛門とかを取ったりなんとかすることは手術的に神経をぐっとこう押さえてしまってるのは事実なんで、だから切ってはないようにやってるから戻るのは、あの、間違いないって言われて。
まあ、何カ月か単位で気が付いたら、まあ。ただ、まあ、前、前ほどじゃないんですけれども、まあ、できるような状態に戻ってきてくれたので。ただ、非常に慌てたのは正直で、あの。というので、まあ、時間をかけりゃ、あの、お医者さん、分かってるお医者さんにしたら、当然切らない、切ったら終わりみたいですから、ね、切らないようにしていただけたのかなと思います。

―― その、物理的に、その、ストーマが付いてるっていうことでなんか影響ってあります?

ま、結局それも…、実はそのこともものすごく心配でして、あの。で、ストーマ付けてる人にちょっと突っ込んでしゃべれる人に「あっちのほうはどうなんや?」とか言うたら、ま、非常に明るい人で「そんなもん問題あらへん、そんな気になるかなんか関係ない」って言ったはって(笑)、そんなもんかなとか思ってて。でも、いざ付いてなると、ま、そらちょっと当たるかなとかありますけども、その程度で結局、自分の気持ちの問題で。これであかんのや思たら多分、精神的に参ってしまってるかもしれませんし、ま、それ、お気楽な話も聞けたし、ま、何カ月かするとようやく戻ってきてくれたので、あの、問題、性生活での問題はほとんど感じないっていうのが正直ですね。

―― なんかこう、その、さらしを巻いたりとかそういう工夫とかされてる事はないんですか、別に。

実は最初してたんです。ま、なんか外形的にどうかなとかって思ってたけど、だんだん邪魔くさいし(笑)、かえって、これが邪魔になるときもあるので、あの。最初は正直、多分、心がそうさしたんやと思うんですけれども、だんだんそれがなくなってくると、もう邪魔くさいしなというふうになりました。

クローン病の語り

2回目の手術をした後にスキューバダイビングを始めた。ドライスーツというのがあって、これを付ければ水が入ってこないのでストーマを付けていても問題ない

そうですね、ええと、ま、2回目の手術をした後ですかね、え、ま、スキューバダイビングをやってみようと思ってですね、資格を。ま、なんかしようと思って、まあその、大腸も全摘してしまったからですかね。最初落ち込んでたんですけどですね、なんかしてみよう、してみたら変わるんじゃないかなと思ってですね、スキューバダイビングのショップさんにちょっと、飛び込んだっていう感じですかね。そしたら、まあ、よくしていただいて、病気のことも、あの、理解してくださった上でですね、ま、大丈夫ですよっていうことで一緒にダイビングのほうをさしていただくようになりましたね、はい。

―― その、スキューバダイビングをやるに当たって、その、ストーマの影響っていうのはないんですか。

あ、それは、ええと、特に気には留めなかったですね。まああの、完全防備はするんですけども、まあ、ストーマのほうに与える影響っていうのはほぼ全くなかったですね。

―― Q:あの、私はやったことないんでよく分からないんですけども、あの、ウエットスーツを着るんですよね。

あ、そうですね、ウエットスーツとドライスーツと2つありまして。ええと、ウエットスーツの場合はちょっと、ストーマの患者さんなかなか難しいかなと思うんですけども、ええと、ウエットスーツはちょっと水がやっぱちょっと、含んでくるんで、あの、私はドライスーツを着て。ドライスーツの場合はもう全く水が、あの、中に入ってこない状態になりますので。だから、その、体自体にはもう結局、水が当たらないっていうか、まあその、首から上とか、その、マスクとかしてる所は、まあ、海水が当たりますけど基本的に、あの、スーツを着てる中身にはもう全然、全く問題はないっていうところですね、はい。

―― そうなんですか。え、それはどう、どう違うんですか、使い分けは。ウエットスーツとドライスーツっていうのは。

あ、ウエットスーツは基本的に夏、春先から夏が、まあ、主に使用するんですけども、え、ドライスーツは基本的、冬、秋から冬にダイビングするとか、ま、もう生地が厚いので、ま、防寒っていう形も一部、その、兼ねてるっていうところになります。

クローン病の語り

あまり激しい運動をすると汗でストーマがはがれやすくなることはあるが、卓球やテニスなど楽しむには問題ない。水泳や温泉は不測の事態に対応する自信がないので行っていない(音声のみ)

あの、汗かいたりするとちょっと、ストーマの管理がちょっと、あの、ストーマがはがれやすくなってきたりっていう部分があるので配慮は必要なんですけれども、それほど、あの、激しいスポーツをしているわけではないので、まあ、ラケット競技とかですね、まあ、卓球とか、バドミントンとか、テニスだとか、そういう部分の、楽しむようにはなりまして。
で、特に、あの、テニスとかについては、あの、まあ、スクールに通ったりとかっていうかたちで新しく自分の趣味として、あの、社会人になってから始めたので、結構それについては楽しんでやっていますし、まあ、それをきっかけで、あの、職場の同僚と一緒に遊びに行ったりっていうことも増えたので、あの、その部分についてはそんなに制限なく楽しんでやっているとこです。

―― あの、水泳なんかはどうなんでしょう。

うーん、水泳ですね。
あの、やっぱり、あのストーマの、その装具とかのメーカーに聞けばそういう、えーと、防水用のテープだとか、そういう、あの、器具があるっていうふうには聞くんですけれども、やっぱり、不特定多数の人が1カ所に入るような、例えばプールですとか、温泉ですとか、そういうものについては、あの、もちろん外から見た目でストーマだっていうのが分かりますし、不測の事態についてやっぱり対応できるかというと自信がないですし、という部分もかなり大きいですし。
人からやっぱりストーマについては、あの、自分がクローン病だっていうことを話すことはやっぱりそんなに問題はないんですけども、自分がストーマだっていうのを話すのはやっぱり抵抗感がありますので、まあ、プールとかはやっぱり厳しいのかなという。
自分がすごく好きで、好きで続けたかったっていうなら別でしょうけど、今からあらためて始めることもないですし、ちょっとそれと話それますけども、まあ、クローン病になってからいわゆる大浴場とか、あの、温泉だとかっていうことについては、あの、行っていないですね。

クローン病の語り

人工肛門のメリットは頻回のトイレをがまんしなくていいということなので、外出に不安を抱えている人も出かけやすくなるのではないか

―― それはその、人工肛門にしたというのはどういう理由で人工肛門にされたんですか。

えー、クローン病の場合は、とにかくトイレに行く回数が増えるんですね。調子のいい時は1日まあそれでも5回から10回くらいはトイレに行くんですが、調子の悪い時はしょっちゅうあの、便意を催してトイレに駆け込むような状態、1日に20回とかですね、30回とか行くような状況になります。そうしますと、例えばあの、学校に行く、会社に勤めに出るという時にも、えー通勤途中に電車に乗ってて突然便意を催して、途中駅で電車から降りてその駅のトイレに駆け込んだりとかですね。外を歩いていても便意を催してコンビニとか公園のトイレに駆け込む、こういったことが頻繁に起こりました。で、そういったことを解消するためには、人工肛門を作って、で、壁に穴を開けて大腸の出口を作ってですね、そこに袋を貼り付けておくことで突然の便意で出てきた便もそこの袋に一時的に溜め込むことができると、こういったことで、トイレに駆け込む便を我慢する、どうしよう、どうしよう、ってね、お尻をキュッと力を入れて(笑)便を我慢しながらトイレを探し回ってね、駆け込んでギリギリセーフというようなそういう体験をしなくて済むという、そういうありがたさがあったので、人工肛門にしました。

もうあの…20年近く人工肛門と付き合っております。で、今にして思えばねやはり人工肛門はあのー、あってよかったなと思ってます。で、一つはですね先ほどお話したように、トイレを我慢する、ま便意を我慢しながらトイレを探しまわる、そういったことがしなくて済むようになったんですね。これはあの非常に大きなことで多分外出に不安を抱えている方ね、漏らしたらどうしようってあると思うんですよ。でも、人口肛門の場合は、言ってみれば絶えず漏れていて、で、漏れても袋の中に入ってますので、袋がパンクする前にねトイレに行って中身を出してしまえばよいということなので、随分あの便の管理、排便の管理がね、楽になったっていうのは大きなことだと思っています。

クローン病の語り

腸管皮膚ろうという、腸壁が皮膚に癒着して穴が開きそこから腸液がでてくるという合併症がストーマのすぐ横にできてしまい、ストーマの袋を調節するのに苦労した

―― え、その瘻孔っていうのは穴が開くっていうことですか?

はい。おなかから腸が出ているすぐ近くにジュクジュクっと穴が開いた感じに、便が出てきてました。

―― Q:あ、それはストーマ、あの人工肛門。

あ、そうです。ストーマの、はい、横から。
だから何の合併症なのか、クローンの悪さなのかもよく分からないとは言われながら、お薬でちょっと調節しようかって感じでした。

―― そのストーマの横からっていうことなんですかね。

はい。でした。2ミリとか、1ミリとか、横から。

―― その便が出てきちゃうわけですね。

うん。穴が開いている感じで。はい。

―― Q:穴が開いてね。えーと、何といいましたっけね。何とか皮膚ろう孔(腸管皮膚ろう)っていうんですよね。あ、それがあったわけですね。

はい。手術して、2カ月ぐらいでそれがありました。

―― そ、それは、あの…、えーと、ストーマの袋をこう、かぶせますよね。それの横からですか、その袋の中なんですか。

シールの部分っていうか。

―― ああ、シールの部分。

はい。完全にべたっと貼るシールの部分なので、シールに穴を開けて、その出てくるところに、ちょっと難しかったですけど(笑)、そこをふさぐとやっぱり中が悪くなるので出口を作ってあげようってことで、穴を開けて貼ってました。

―― で、そこにガーゼか何かを当ててたわけですか?

うーん、まあ、シールのところだけなのでガーゼは当ててないです。本当に、ちっちゃい。

―― だけど、そうすると何か、うみが出てきますよね。

うん。してなかったですね。

―― ああ…。じわじわ何か出てきちゃったりしませんでした?

(笑)。うーん、なかったですね。
 付け根なんですよ。本当に付け根だから、付け根のちょっと穴を大きく開けてあげるっていう感じでした。

―― ああ、なるほど。そうすると、そのストーマの中に入ってくるっていう感じ。

はい。ちょっと、じゅくじゅくが広がっているかなって感じで。

―― ああ、なるほどね。あ、はあ。もう、本当に、だから、すぐそばに。

あ、付け根ですね。はい、はい。

―― ああ。じゃあ、もう一緒に、あの、便と一緒に、あの、袋の中に入っている。

はい。うん。それも、その、だらだら出るじゃなくて、ちょっと出るかなぐらいだったので。

クローン病の語り

ストーマを自分で管理することになって退院したが、お腹のところに膿が溜まって高熱が出たり、ストーマの周りに潰瘍ができてパウチが貼れなくなったりして管理が大変だった

それで入院して、えー、ストーマの管理を自分ですることになって、私の場合、大腸と小腸のほうと2つ、あの、まあ、もしかしてつなげるつもりで、先生が作ってくださったんですけれども。
だから、あの…、ただ、大腸のほうと小腸のほうの(2つの)ストーマの距離が短くてパウチを…、こう、ちゃんと貼ることができなくて最初の頃はこう、はさみで切り貼りしていろいろ工夫して。
で、そう、(入院先に)ETナース(ストーマケアの専門知識を持つ看護師)さんがいらっしゃらなかったんで、その業者の、ストーマ、パウチの業者の方のところにいらっしゃるETナースさんが、あの、病室に訪ねてくださることになって、その方からご指導を受けて、あの大腸のほうは赤ちゃん用のパウチを貼って、で…、下のほうはイレオストミー(小腸ストーマ)用のあるんですけど、まあ途中で段階的に変わっていくんですね。
なんですが、えーと、どれぐらいで退院したかな、ちょっと、もう今覚えていないんですけど、退院してしばらくしたら、また高熱が出て、今度おなかのところがまた膨れてきてうみがたまってしまって、また入院をして、そこを切開してうみを出して、で、そうこうしているうちに、あのクローン病の合併症でもある壊疽(えそ)性膿皮症というものになって、あのストーマの周りが潰瘍になっていくんですね。
 
だから、もうストーマのケアも大変で、パウチが貼れないわけですから、そのために、まあ、ETナースさんがいろいろ考えてくださって。だけどやっぱり漏れやすくて、もう最初の頃は、もう、あのベッドを90度にしてもらってテーブルを置いて、そこにうつぶせて、とにかく横になると漏れちゃうんで、あの、そんな時期が結構続きましたかね、もう…。

クローン病の語り

人工肛門だとお客さんの前でおならのような音がでて恥ずかしい思いをすることもある

―― 一方でその人工肛門にしたことよって、何か不便とか不自由とかっていうのはありませんか。

人工肛門はまず、見ためにはですね、わからないのですが、例えば旅行に行って温泉に入る時、当然あのお腹の壁に穴があいてて、で、腸が出ている、それ自体は見られないのですが、そこに袋をかぶせているんですね。丁度ね、袋の大きさというのがえーと、弁当箱を一回りふた回り大きくしたような袋なので結構目立つんですね。そういったことが周りの目が気になるというところではやはり、人工肛門でないほうがいいなということは思いましたね。はい。後は人工肛門もやはりあの便意を我慢しなくてはいいんですが、勝手に出てしまうんですね。便だけならいいんですけどガスも当然、おならも出てきます。で、その時に音が出るんですよ。これもあの音を出さないコツとかもあるんですけど、なかなかそれもうまくいく時といかない時とあって、で、仕事中とかですね、お客さんの前で音を出さないようにすることに失敗するとブブっと出てしまうと、そういったようなときに恥ずかしい思いをすると、そういったことがあります。