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クローン病の語り

「闘病」という言葉を使う人もいるが、クローン病は私のキャラクターだから、私は病気と「共存」というスタンスで、ポジティブクローン病ライフを送っていきたい(音声のみ)

病気じゃなくって人生において苦労をしている人って他にもたくさんいるから、病気だけじゃなくて人は何かを抱えて生きているっていうふうに思ってほしい。
まあ、具体的に言うと健康だけども介護が大変とか、健康だけども育児が大変とか、健康だけども職場の人間関係が大変とか、大変だけ、あ、健康だけどもノルマがきついとか、そういう人たちだっているわけだから、病気だ、病気だっていうふうに思わないで、どんどん、どんどん、苦しんでいるのは自分じゃないから、創意工夫をして楽しい人生、まあポジティブクローン病ライフですよね。
それを送るためにはやはり、あの、同じクローン病の人の知恵を借りる。しかも今、知恵を借りやすい状況ですので、どんどん、どんどん聞いて、あの、自分なりに工夫をして…。
私は「闘病」っていう言葉が嫌いで、「共存」って思っているんですよ。あ、これ、あの、賛否両論あるんですけど、「闘病」っていう言葉が好きな人だってたくさんいますよ。あの闘争心が強い人は「闘病」っていう言葉を使ったほうが、あの、奮い立つっていうふうなこともありますけども、私は、あの7年間絶食をしてて、もう、クローン病はもう私のキャラクターだから、もう、うまいこと付き合っていって、まあ命尽きるまで頑張りましょうっていうふうな感じで病気との共存っていうふうなスタンスでいっています。
でも、一方で、もう絶対完治させてやるんだから、完治させるためには何でもやるんだからっていう人も中にはいますし、闘病だ、闘いなんだっていう人もいるので。
だから結局は病気との闘い方も人それぞれ、そもそも闘うって何だろうっていうふうに考えていくため、そういうことも、あの心の隅に置いていただければと思いますし。

クローン病の語り

医師としての仕事もしながら患者としての活動もしていきたい。特に小中学生も含めた若い人たちに対してSNSのようなものを立ち上げて何かサポートできないかと考えている

――まあ、今後、病気のケアも含めてですね、ご自身としての今後の何ていうんですかね、展望みたいなのはありますか。

あ、今後の展望はですね、まあ、こう医師としての仕事をしている一方で、まあ、患者としての活動も少しやっていきたいなという思いがありまして。まあ、患者としてこう、いろんな場所で少し講演をさせていただいたりとか、あとは、まあ、同じような患者同士のそういう交流の場っていうのを、あの、つくっていきたいなと思っています。
幸い、こう私の周りに、えーと、同じような医療職で、かつ患者っていう立場の人が数人いるので、そういった人たちで何か、あの、企画できないかとかですね、まあ、そういったことも考えていますし、えー、今悩んでいる患者さんに対して、まあ少しでも、あの、医者としてではなくて患者として携わることができたら、なおいいのかなと思っています。

――何か若い人、若い方に対する何か、そういうサポート的なことっていうのは考えておられるんですか?

そうですね。今、1つ考えているのは、えーと、同じような潰瘍性大腸炎で、かつ、まあ、医師の先生がいらっしゃるんですけども、まあ、オンラインですね、ネットを使ったこうサービスで患者さん同士の、まあ、SNSのようなものを立ち上げて、その中で、あの、こうお互いが仲良くなれば実際に会うというような、こうイベントを今後、企画していきたいなというふうに思っています。
それから、あと実際に関わっている者としては、子どもの患者さんですね。まあ、少ないながらも子ども、小学生、中学生で発症する患者さんもいますので、そういった方を対象とした、あのサマーキャンプも私もスタッフとして関わっていて、まあ、それは医師としてでもなく、先輩患者としてっていう立場で、えーそういった子供たちもサポートを続けていければと思ってます。

クローン病の語り

自分たちのように何十年も病気と一緒に生きてきた人間が弱っているところを若い人に見せたくないのでまず自分たちが元気を見せていこうと思う

で、若年層の人に発病が多い病気ですので、あの、こうだいぶ年を重ねてきてからは、その、若い人たちに、あの、ま、病気でも今いろんなこう、いい治療方法も薬も出てますし、あの、ま、今うまくいかなければやはり、あの、セカンドオピニオン、こう、病院を変えてみたり先生を変えてみたりでいろいろ試してみることと。
あと、その、自分たち、何十年も病気とこう、一緒に生活してきている人間があまり弱っちゃっていると、若年層の人たちにいいイメージを与えないんじゃないかということで。あの、ま、患者会の仲のいい人たちとは、もしそういう場に出るんだったら、あの、うちらが元気でないとみんな元気でなくなっちゃうよねなんていう言葉をこう掛け合って、みんなの前にこう出るようにはしてるんですけれども。そういうふうに気持ちをちょっとこう前向きに前向きに考えることによって、病気のほうも引っ込んで割とこう落ち着くんじゃないかななんて思ってます。
あとやはり、その、ま、体力的にきつかったりするときには、もう、それは休めってことですので思い切って休んで、で、回復したらこう、何をやろうとか、やはりちょっとこう、ま、それも前向きに、えー、自分がこう動けるイメージを大事にして、あの、闘病生活してったらいいかなんて思います。特に、その、なるべく趣味とか、あの、やってたことを諦めないで、やり方は少し変わるかもしれないけれども続けていくことも大事だし、あの、ま、それをこうみんなに、あの、見てもらって、こんなやり方もあるんだよってことで紹介していけば、きっとそれを参考にしてくれる人もいるだろうし。うーん、そういう仲間にも、ただ自分が一人で病気と闘っているわけではない、あの、ま、みんなで工夫してやってきましょうっていう気持ちも大事だと思います。

クローン病の語り

今新しい薬がたくさん出てきているので、自分に合ったものを早く見つけて社会で働けるようになってほしい

――あとは、その、同じ病気の人に対して、特にまあ、若い人の発症っていうのが多いと思うんですけども、そういう人たちに何かメッセージありますか。

そうですね、まあ、この病気が、うーん、世の中に知れ渡って、あんまり、まあ、そこまで年数たってないんですけれども、その中ででも、まあ、日々その新しい治療薬やら、治療方法やらっていうものを、まあ、研究されている方々もいっぱいいらっしゃいますし、新しい、えー、まあ、薬なんかも、こう、年々、こう、出てくるような状況になってきてるので、まあ、諦めないで、まあ、私みたいに、こう、新しい治療薬やらがあるんであれば、えまあ、チャレンジしてって、その、自分に合う薬、治療法っていうのを早く見つけて、それで、まあ、社会で働けたりとか、まあ、生活できるような状態にまで持ってっていってほしいなっていうことは思います。

クローン病の語り

最近はいい薬が出てきて病気のコントロールもしやすくなっているので、昔に比べれば悲観することもないかと思う。医療の進歩もあるのでそれを信じて頑張ってほしいと思う(音声のみ)

えー、メッセージですね(笑)。うーん。まあ、今だと、あの、それほど、あの、ある程度、その病状っていうのがコントロールが昔よりはしやすい薬なども出てきてますし、あの、この薬が駄目なら次の薬にいこうっていうような選択肢も次々出ている、あの、のかなと思いますので、あの、まあ決してその、昔に比べれば悲観することも、あの、ないのかな。
まあ、悲観することがないのかなって言うと、ちょっと語弊があるかもしれませんけれども、あの、すごくもう長期に入院しなきゃならないとかっていうのも減ってきてはいるのかなと思いますので。
まあ、あの、今新しくなられた方については、まあ、お医者さんとしっかり信頼関係を築いていただけるような方と、治療に、まあ、二人三脚なり家族の方と、まあ、協力してやっていただければそんなに将来を悲観しなくてもうまくいくのかなと。
もちろん、その制限があったりだとか、あの、する部分はあるのかなと思うんですけれども、私も特に今就職については、一般の人と同じ枠で出て仕事はしているので、そこはいいのかなと。
あとは、その、どうしてもそういう中で治療うまくいかないっていう方もいらっしゃって、すごく苦労されている方っていうのもいらっしゃるとは思うんですけれども、あの、そういうときはやっぱり、それこそ患者会みたいなところでお話聴いてもらうだけで楽になるよとか、あの、家族の方にちょっとお話聴いてもらうだけで楽になるよとかっていう部分もあるので。
まあ、治療の進歩っていうのを信じて、あの、今その身に合ったことを、こつこつと地道にやっていけばいつか、まあ、実を結ぶ日はくるんじゃないかなっていう希望は持てるのかなというふうには、あの、昔に比べれば持てるのかなっていうふうには感じるので、まあ、希望を捨てずに頑張ってほしいなっていうような気持ちでいます。

クローン病の語り

子育て中でも、一時預かりサービスを利用したり、ママ友に助けてもらったり、ヘルパーさんに来てもらったりすれば何とかなるので、一人で全部やろうと思わないことが重要

今、その、子育てをしているんですけど…何かこう、自分一人で全部やろうと思ったらすごく大変なんですけど、例えば私も病院、一番通院の問題とかがやっぱり毎月の問題じゃないですか。それが、で、私もやっぱり実家、頼れる家族も、やっぱり私も主人も地方出身なので、すぐ親に預けるっていうこともなかなかできなくて、そういうので通院とかどうしようとか、そういう不安とかもいろいろあったんですけど、何かこう、ここの地域であったら子育て支援センターがあったりとか、そこでこう、一時預かり、病院(通院)とかが理由の方は預かってくれて、あの、無料で預けられたりするんですね。
で、そういうのがあったりとか、あとは、何かこう、保育園とかが、地域の保育園とかがやってるような一時預かりがあったりとか、まあ、そういうのをちょっと、お金ももちろん少しはかかるんですけど、何かそういうのをうまく活用しながら。あの、あとは、お友達、あの、ママ友がいっぱいいるんですけど、何かそういう方にもやっぱりこう、こういう、私が病気だっていう話をしたら、やっぱりすごく助けてくれる部分は多くて、調子悪いときに何か、こう、持ってきてくれたりとか、そういった、あの、ちょっと子ども見ててくれたりとか、助けられてる部分があるので。
あと、もちろん主人とか家族もなんですけど、こう、いろんな方に、何か迷惑だなと思わないで頼ったりとか、あとは、そういう地域のものを使ったりとか、あと、その、さっき言ったチャルラの会(同病者の集まり)とかそういうのも、こう、息抜きができるような場であったりとか、もちろん患者会とかもそうだと思うんですけど、何かそういうのをうまく活用しながら、あの、はい、日常生活を送っていけば、何かそんなに、はい、病気を持ちながらでも子育てもできるし、こう、勉強もできるし、家事とかも何とかこなせ、あと私も今、ヘルパーさんも、その、障害者のあれで来てもらってるんですね。で、そういうのをやっぱりうまく活用しながらだったら、そんな、はい、うまく何とか生活ができていけるので、1人で全部やろうと思わないところが重要なのかなって思います。

クローン病の語り

自分がやりたいことを言葉に出すことが重要で、ことあるごとにみんなにそれを言うべき。そうするとそれを誰かが聞き留めて思いもかけない人から応援してもらうことがある

えー、クローン病っていう病気は、あのー、うまくコントロールできれば、やりたいことっていうのができるかもしれないっていう病気だと思うんですよね。なので、まずやってみてほしいというのを伝えたいです。やってみて、やれればいいし、もし、やれなければ、やれる方法を見つければいいし、もし本当にやれなければ、違うやりたいことを見つければいいし、あのー、まず、…まず、やりたいってことを言葉に出してほしいんです。すると、周りが助けてくれたりします。難病という重い言葉を軽く受け止められるようにだんだんなってきたので、なってくると思います。はい。

――「私はこれをやりたい」っていうね、その言葉を誰に向けて言ったら、誰が助けてくれるんですかね。

常に、常に思いながら、ことあるごとにみんなに言うべきだと思います。すると、色んな人がその言葉を、あの、聞き留めてくれて、思いもかけない人から応援して頂いたり、道を開いていただいたり、自分も実際そうだったので、あの、ことあるごとに言ったらいいのかなと思います。はい。

クローン病の語り

医学部の研修で各科を回っている時に、病気だからと言って諦める必要はないけれど無理が利かない時にはきちんとSOSを出して周りに助けを求めることが大事だという事を学んだ

そうですね、学生時代も、まあ…、うん、医学生っていうのは、ただ、こう座学をしていればいいっていうわけではなくて、やはり5年生、6年生になりますと、えー、病院の中へ出て行って、まあ…、各科にですね、こう研修をしなくてはいけないと、卒業するときには一通り全部の科目のことを知っていなくてはいけないということがありますので、まあ5年生の間はもう本当に週替わりで今日は眼科、明日は、じ、あ、来週は耳鼻科、そのまた次は産婦人科、そんな感じでこうどんどん回っていくわけです。
で、あの…、そのときにやっぱり体、普通の人に比べればずっと不利なわけなので、はい、まあ、そのときに周りの友人たちに、あの、まあ、もう、もちろん僕が病気だということは話していましたので、そのときに、こういろいろ助けてもらって。うん。
で、まあ、そのときに感じたことが、うん、あの、病気だっていうことで何もこう、いろんなことをこう控えめに、控えめにするとか、諦めるとか、そういう必要はないなっていうのも一つなんですけど。
ただ、病気である以上、無理が利かないときっていうのは必ずあるわけなので、そのときにきちんと周りにSOSを出せるか、そして周りの援助が得られるかっていうことが大事なんだなっていうことを学んだかなと思います。

で、それで、まあ、いろいろなところを回って。で、まあ、そのときに、こう、まあ、いろいろな方から、いろいろなお話を聴いたわけですね。で、「いや、君はクローン病なんだから、うん、あの、無理は利かないから、それならば体をあまり使わない科の医師になったほうがいいんじゃないのか」って言う先生もおられれば、「いや、そこはきついときはきついときに周りに助けてもらって、やりたことをやればいいじゃないか」と言う先生、まあ、いろいろな先生のご意見がありまして。
で、結局、僕は脳外科に行ったんですね。脳外科、うん、まあ決して肉体的に楽な科ではなかったのですけれども、やはりやりたいことを諦めるっていう、それも病気を理由に諦めるっていうのが一番やりたくなかったことだったので、あえて、まあ、ちょっと大変ではありましたけれども、そちらを選んだんです。

クローン病の語り

自分が病気であるということをまず割り切って認めたうえで、色々なことができるということに気付いてほしい。そのためにも同病の人を見つけて仲間を作ることが大事だと思う

そうですね、クローン病というのは、まあ…、今のところ、まあ、治らない病気ですし、多くは若い、私も含めて、まあ、10代、20代で発症する病気ですので、その、その後ですね、就職とか、結婚とか、まあ、仕事を何十年もしたりっていう、まあ、人生の、まあ、割りと前半でかかる病気だ、じゃないかなと思います。
なので、と、かつですね、まあ、周りからの、まあ、目とか、特に就職とかに関してはそういう部分も、大き、大きいのかなと思うんですけれども。
私の意見としては、まあ、自分が、まあ、その、一患者であるということをある意味こう割り切って認めた上で、その上で、まあ、それでもいろいろなことができるということに気付いていただければいいのかなと思います。
で、まあ、今ネットがすごく発達しているので、患者さんと知り合うっていうのはそれほどネット上では難しくないことなんですね。で、まあ、そうやって、まず知り合いをつくるっていうのもすごくいい方法だと思いますし。
まあ、さらに欲を言えば、そこから実際に会って話をすると、私もかつて経験したように、エレンタールを飲んでいるのは、まあ、自分1人だけなんじゃないかと思っていたら、その患者会で知り合った人もエレンタールを取り出してきたというような、そういうこう、発見もあったりしますので、えー、何かしらの方法で仲間を見つけて、まあ、しょっちゅう会う必要もないと思うんですけれども何かあったときに話せるとか、相談できるっていう仲間がいるっていうのはすごく病気と付き合う上で大きなことかなと思っています。

クローン病の語り

若年で発症することが多い疾患で、人生において凄い影響があると思うが、一人で抱え込まないで身近に相談できる人がいれば相談してほしい(音声のみ)

――何かそういうこれから、まあ新たに病気になった方に対してですね、何かメッセージとかはありますか。

やっぱり抱え込まんでほしいですね。と、多分、僕みたいに結構、若年性で発症している人が多いと思うんですよ。
やっぱり一応、好発年齢が若年、例えば10代~20代にかけてが一番なりやすい年代じゃないですか。やっぱ多感な時期にそういう疾患が出てくるっていうことは、人生においてすごい影響があると思うんです。でも、あの、抱え込まないで、やっぱり身近に相談できる人がいれば相談をしてほしいし、まあ、いざとなったら患者会もあるから、やっぱりそこの、そういうところに相談をしてほしいと思います。一人じゃないから。

――あなたの場合はどういう人に対して、どういう人に相談したのが一番よかったと思います? ご自身では。

やはり、患者会ですね。

――やっぱりご両親とか、あの肉親の人っていうのはかえってあれですかね。

逆に、ちょっと言いづらいところはあります。僕自身、ちょっと親に気を使っているところがあるんで。