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クローン病の語り

体調が悪くなるとどんどん視野が狭くなってしまうが、今はSNSも患者会もあるので、同じ病気の人と友達になって視野を広げてほしい。人生における苦労は病気だけではないのだから(音声のみ)

で、あの2回手術をしたときも、もう2回も手術になっちゃって、もう疲れ果てました、人生終わりましたってときに、あの、支えてくれたのは、ネットのクローン病のお友達で、あなた2カ月に2回も手術して、それで社会に復帰しているんでしょう、偉い、偉い、偉い、偉いって言われて。
 
で、病気になってしまった、体調がよくないっていうと視野がどんどん、どんどん、どんどん、どんどん狭くなっていってしまって、もう駄目だっていうふうになってしまうと思うんですけども、まあ今は、あの、まあSNSという強い味方がありますので。
 あとは、もう、どんどん、どんどん近くに患者会がある人は患者会の講演会とかに足を向けて(運んで)、あの、同じ病気の人と友達になるっていうことで私は、あの、ずっと本当に、まあ、輸血で呼吸困難になって本当に死にそうになったこともあったんですけども、やはり精神的に死にそうになったことも何度もありましたし、人生においていろんなことを諦めてきたこともあったんですけども、そのとき、そのときにやはり支えてくださったのが、まあ家族も職場の人も支えてくださったし、医療従事者の方ももちろん支えてくださったんですけども、やはり同じ病気のお友達、同じ病気のお友達をつくって1人で苦しまないで。
あとは、クローン病はあの食いしん坊の人には本当につらい病気です。ご飯が食べられなくなる。あとお酒が好きな人、たばこが好きな人には本当に地獄のような病気ですけども、まあ、それでも、あの、吸っちゃっている人とか飲んじゃっている人とかもいるし(笑)、それでも、あの、まあ、あの、頑張ってる人もいますし、それはもう、あの、たばこを吸ってストレスためないほうが腸によかったりする人もいますから一概には言えないんですよね。
 ですから、あの、視野がどんどん狭くなっちゃうけども、そこを乗り越えるために同じ病気、同じ思いをしている人、まあ、あとはもうちょっと、あの、視野を広げて、病気じゃなくって人生において苦労をしている人って他にもたくさんいるから、病気だけじゃなくて人は何かを抱えて生きているっていうふうに思ってほしい。

クローン病の語り

クローン病の人はまじめで几帳面な人が多いと思う。しかし病気の療養を続けて行く上では、手を抜いたり妥協して折り合いをつけるということも重要なポイントではないかと思う

クローン病の方って私の勝手なイメージなんですけど、すごい真面目な方というか、えーと、私も若干その傾向があって几帳面、うーん、変なとこが几帳面というか、なんですけど。
あの、私もこの年齢、今年40になりますけど、あの、ようやくこの年齢になって何ていうんですかね、横着さというか、ずぶとさというか、あの(笑)。で、嫌なことは嫌だっていうふうに言ったりとかいう。
あと妥協っていうんですかね。その辺がようやくできるようになったんですけど。やっぱその辺って重要で。
人間って、まあ、クローン病の人に限らず常に100%っていうのは無理だと思うので、手を抜けるところは抜いて、まあ、妥協できるところは妥協して、そういうふうにこう折り合いを付けていくっていうのも重要な何か、何て、キーワードというか、あの、療養を続けていく上でのポイントになるかなというふうには思いますね。はい。

クローン病の語り

「病気だから助けて」ではなくて「病気でも努力してるから助けてくれる」わけであり、甘えることからは卒業しないといけない。また、仕事をする上で自分の限界を把握することも大事

えー、多くの患者さんから、(クローン病は)法定雇用率(注)に入らないんですか、なんていう質問も受けます。法定雇用率に入るような人っていうのは重度身体障害者の1級、2級とかね、あの精神疾患であれば1級の方ですよ。そこいくとIBDの患者さんて、歩行はできるし運転はできるし、自分で調理して何か食うこともできるし、家の中で暮らしたら不都合なく全部やれるわけですよ。じゃなんで職場に行ったら何にもできないのかって、僕はね家事ができれば仕事もできると思っています。洗車ができるのに何で会社に行ってね床掃除ができないのかって。まあ、その本人さんの得意なことは得意でいいんだけれども、何かこう不合理っていいますかね、そういうのはやっぱ甘えだと思うんで。もう甘えることからやっぱり僕は卒業しないといけない。病気だから許されるんじゃなくて病気だからここまで努力してるからみんながね助けてあげようと思ってくれるんですよね。それなのに自分は病気だからっていうことを理由にねもう、ベッドに逃げ込むようなことだけはねしてほしくないな。

僕はその、何だろ、自分の限界、ここまでやったら明日寝込んでしまう。ここまでだったら問題なく明日やれる。今日の残業はここまでだったら手伝えるけど、来週は病院に行くし、こう週に3日くらいは残業できないだとか、こう自分の限界点をきちっとですね把握するっていうことは大事と思うんですね。その中で基礎体力があれば先週は1日しかできなかったのが、今日は、今週は二日できるようになったとか、っていうのがねあのー、自分のこうレベルがアップしてることがねわかってくるので、やっぱそういうところがね、治療を続けるっていう意味ではですねポイントして、就労者としてのね責任ですよ。与えられた職務を全うするっていう。そこの責任感を養うため、えー、継続するため、自分の将来を実現させるためにもね、そこは自己管理をきちっとやるっていうのはね、絶対こう手が抜けないとこだと思いますね。

(注)企業等は従業員数の一定比率の障害者を雇用する義務があること、が障害者雇用促進法で定められている。ただし難病患者には適用されない

クローン病の語り

病気になると周りの人間と自分を比べてしまいその差を感じてしまうが、周りの人と一緒にやれることも必ずあるので、そういったところで楽しんでもらいたい

はい。そうですね、やはり若くして発症するとなるとかなりこれからに関して不安が大きいかなっていうふうに思いますね。
私自身も大学で発症して周りと比べるとちょっと自分としては差を感じるというか、自分病気なんだっていうふうなことをすごい強く思ってしまっていたので、そのあたりかなり発症、あの、若い方で発症された方々は本当に周りと比べちゃうかなと思うんですけれども、あのクローン病を発症してしまったちょっと自分を受け入れていただいて、もちろん周りとは差ができてしまうと思うんですけれども、周りの人と一緒にやれるものって必ずあると思うので、そういったところをすごく楽しんでもらいたいと思いますし。
ただ、あの、今の時代インターネットとかそういったところで、まあ病気についても結構理解を得られるかなと思うので、そういったところも情報を集めてもらって、なおかつ主治医にもしっかり治療方針とか相談して決めていただければ、そんなに不安なく生活していけるのかなというふうに私は思っているので、周りの人たちとよく相談してもらいたいなというふうに感じます。

―― その、例えば、まあ、周りの人っていうのは、あの家族とかいると思うんですけれども、逆に、まあ家族にはちょっと話しにくいとかっていう場合はですね、どういったところにこう相談したらいいんでしょうかね。

そうですね。えーと、私の場合は大学、発症したときには、まあ担任とは言わないんですけどクラスに1人に、あの主だった先生がいらっしゃるので、その方によく話をして、で、ちょっと分からないなっていうところがあれば保健室の先生にも話をして、そこからちょっとこういった状況が分からないから主治医に話を詳しく聴いてみてっていうふうに私に言ってくださって、まあ私を介してちょっと主治医とつながるかたちになったと思うんですけど、そういったところをそうですね、学校側に話をしたかなっていうふうに思います。

クローン病の語り

他の患者さん(特に若い女性)に思うことは、諦めないでほしいということ。職業でも結婚や出産でも、今はもう色々な方法もあるので諦める必要はないということ(音声のみ)

―― 人工肛門にしなきゃいけなくなるような人も出てくると思うんですけれども、特に、まあ若い女性の場合ですね、すごく抵抗があると思うんですけれども、まあ、そういう方に対して何かこうアドバイス的なものがあれば。

アドバイス。そうですね。本当に、あの…、うん、引きこもってしまうような、これを付けることによって、ストーマを付けることによってかなり多分いると思うんですね。で、あの、特に若い女性で、独身で、だとつらいというふうに思っていて。
で、私もそういう思いもあって、ちょっとあのストーマの患者会がありまして女性、若い女性向けのオストメイトの、あの患者会に入っていろいろ話を聴くと諦めなくていいこともあって。あの、うーん、それは多分一番悩むのは恋愛とかだと思うんですけれども(笑)。うん。あの、そのあたりも、いろんなその、ずっと子供の頃からストーマの方とか、お話を聴くと全然もう2回結婚しているとか(笑)、まあ、そういう話が得られたりとか。まあ、そういうような、こういろんな悩みを、あの、同じ患者さん同士で話していけば解消されることも多いと思うんですね。
私は…、あの、近しい人にいなかったのでいろいろ自分で、でも諦めたくないので活動はしていたんですけれども、でも正直、恋愛はできると思います(笑)。というので、諦めないでほしい、と、仲間を増やしてほしい、から、抱えないでほしいですかね。うーん。

クローン病の語り

病気になったことで諦めなきゃいけないこともあるかもしれないけれど、道は一つではないので、遠回りしてもやりたいと思っていることは、いつかはできると思うので諦めないでほしい

―― まあ、特にその若くしてね、中学生とか高校生ぐらいで発症する方が多いと思うんですけれども、そういう特に女子の方に向けて何か。

(笑)……。
病気になったことで今諦めてなきゃいけないことが出てきたりだとか、その、将来的に諦めようかなって思うこともたくさん出てくるとは思うんですけれど。でも、やりたいと思ってたらいつかできると思うし、道は1つではないし…、そうですね。
学校に入るにしてもストレートで入らなきゃいけない必要なんてどこにもないので何年でも浪人すればいいと思うし、お金が足りなかったらどうにか働いてつなげばいいと思うし、とにかく何か自分のやりたいことを諦めるっていうのはする必要がないんじゃないかなって思ってるので、今できなくてもそのうちできると思って何か、諦めないでほしいなっていう気持ちがすごくあります。
あと、もし手術してしまって体に傷ができても、手術なんて結構ささいなことで、骨折して手術する人もいるし、それこそ盲腸取る手術をする人もいるので、あんまりその手術の跡のこととか気にしないでビキニ着たりとかして楽しんでいただけたらいいなって私は思っています。

クローン病の語り

25歳のころに下痢がひどくなって、ある朝我慢できない腹痛で近所の国立病院に行ったら、そのまま入院となり、数日後に内視鏡検査でクローン病だと判明した

はい、えー、25歳くらいの時に、まあ…初めてではないんですけど、下痢が酷くなって、…まあ、きっかけというのはえー…そのかなり何年も前からま、下痢の症状とか腹痛はえー、あったんですが、えー、それほど気になるものではなかったです。

…そうですね25歳、確定診断される2~3年前からえー、下痢、腹痛が多くて、何度か近所のクリニックに行ったんですが、まああの、普通の食あたりというのか、はっきりとして診断名が付かなかったんですが、薬を処方されて、胃腸薬など飲んで過ごしてたんですが、確定診断された年のえー、10月かそのくらいにものすごくお腹が、朝痛くなって、それまでも下痢がかなり激しくて1日10回とかあったんですが、ある朝もうとうとうもう起きられないくらい腹痛が酷くなって、家族に近所の病院まで、国立病院まで運んでもらって、そこでそのまま入院に、緊急入院になって、数日、まあ絶食して様子を見て数日後に内視鏡検査を受けてクローン病であると確定診断されました。

クローン病の語り

私の場合は歌があったのがよかったと思う。病気を治すということに目が行き過ぎないようにすることも大事。そして精神のバランスを保つために、喜びにあふれるものを持つことが大事だと思う

―― まあ、あの、そういう方(若い方)に向けて何かメッセージみたいなのはありますか。

うーん。何かこう、あんまりこうね、私みたいな者がって感じなんですけど、私自身で言えばやっぱりその…、希望とかがあったのがよかったんですよね。歌とか、その自分の好きなこととか、その…、それがあったから、あの、良かったと思っているので、何か病気のことを治す、病気を治すっていうことのほうに目がいき過ぎちゃうとつらいかなと思うので…、何か自分にとっての希望があったほうがいいような気はしています、自分自身では。

―― あの、そういうふうにあなたのように、まあ、あの、かなりね、いっとき、すごく悪かったんだけれども、えー、こう…、今ではもうほとんど症状がないというような方っていうのは、やっぱり一つのその希望になると思うんですよね。

そうですよね。だから何かあんまり、すごい、こんなことを言っていいのか分かんないですけど、その言われていること、あの、お医者さんから言われていることとかが全部正しいって思わなくてもいいかもしれないとはいつも思っています。何か、自分にとっての何かよくなる方法っていうのがあると思うので。

で、私、直接の知り合いじゃないんですけど、やっぱりお肉中心で食べてよくなった人っているんですよね。なんで、あなたにとってどうなのかっていうことは、こういつも問い掛けるっていうのはすごい、自分ではすごい大事かなって思っているんですよね。

―― そうすると、まあ、あなたの場合には、そういう歌をやりたいという、そういう希望がその、まあ、病気にとってもよかったんじゃないかということですかね。

そうですね…。うん。そうですよね。

やっぱり、こう喜びにあふれるので、体が。何かストレスってすごく悪い、腸内細菌を殺すとかいうじゃないですか。だから、私にとってはそれがすごくこう自分の精神のバランスを保つためにすごくいいものだったと思うので。まあ、誰にとっても歌がそういうもんだとは思わないですけど。

でも、それぞれに、そういうものが何かしらあるだろうし、それが何かこう大きな夢じゃなくてもいいし、もしかしたらすごく身近にいる誰かのために何かをするっていうことがその人にとってのすごくこう何だろう、精神的なこう満足っていうか幸せを得られることかもしれないし、もうそれは本当に一人一人違うことだと思うので。

あの、一般的にいわれていることはこう踏まえつつも、でも、それ本当に私にとっていいことなの?っていうのは、あの、見ていくといいのかなっては、あの、自分の体験としてはすごくありますね。