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クローン病の語り

お腹が詰まりそうなときとかガスがたまってお腹の張があるようなときに大建中湯を飲むと効果が感じられる

―― あの、大建中湯飲んでおられるっていうことなんですけれども、あの、結構多くのクローン病の方が飲んでるみたいなんですけども、こうなんか、飲んで、その、効いたなみたいな効果っていうのは感じられるもんなんですか。

要するに小腸には大建中湯ってよくいわれてて、なんか、詰まりがあったりとかするときに、ガスがたまってたりとか、(ガスが抜けて)通りがよくなるっていうのがあって確かにそうかもしれないなって。なんかもう、ちょっと詰まり気味だなっていうときによく飲まれてる方多いんですよ、多めに大建中湯飲んじゃうつって。うん、そんな感じで。あの、ま、漢方ほんとに合う合わない人がものすごく多くて、私の場合は合うんだと思うんですけれど、えっと、大建中湯飲んで、ま、ガス抜きみたいな感じにはなるときはありますね。

クローン病の語り

便のドレナージというのはお尻から直腸に管を入れて排便する方法。管を常時差し込んでおいて、テープで止めて足元のドレナージバックに流し込むというもの

―― (便の)ドレナージっていうのは、具体的にどういうことをするんですか。

あー、はい、はい。えっとですね、まあ、ちょっとレアケースだと思います、確かに。ただ、どうしてもその、詰まっちゃって、おなかがぱんぱんに張って、もう医療、医学的な手当てをしないともう駄目だっていうような状況(腸閉塞前の状態)に、頻回なってましたので、それ、都度、あの、病院に駆け込むっていうのもできないってことで、まあ、お尻に、その、まあ、管を常時差し込んでおいて、テープで止めて、そこから足元にえっと、その、ドレナージバックというのを付けて、そこに流していくという形ですね、はい。ですので、ストマバックと、まあ、考え方的には一緒なんですけれども、その、人工肛門に対してではなくて、自分のお尻に対して、その、狭くなったお尻に対してその(狭窄部の情報まで)チューブを入れておくと、そういうやり方でした。

―― それ、その場合は、その、排便の意識っていうのはあるんですか、ご自分で。

あー、ありますけれども、えっと、ないまま出てくることも当然ありますね、はい。直腸の中に管の先が入ってますので、はい。はい。
で、まあ、主治医と相談しながらそれを続けてました。さすがにこれ、ずっとこのままでは厳しいなということで、えっと、その、別のセカンドオピニオンとして、別の先生のところに行って、お話を、相談をしました。で、まあ、正直この状態では普通ではないよねと。で、まあ、何とかしましょうということで、えっと、まあ、それを、うんと、ドレーンを抜く形で普通の生活ができるように、何とか対応しようということで、まあ、その先生も、あの、協力してくださったんですけれども。 結果としてはやっぱりあまりうまくなくてですね、そうこうしているうちに、えっと、まあ、もしかしたらこれって、あの、肛門が単純に狭くなってるだけではなくって、もしかしたら、その、がん化してる可能性もありますねということで、直腸管がん。最初は腺腫(せんしゅ)という診断でしたけれども、腺腫から、えー、様子を見て半年ぐらいたったら、やっぱりがん化していますねっていう診断が付きました。はい。
 なので、まあ、もうそうなっちゃうと、もう予想どおりというか、切除しかないですねということでまあ、そのドレナージで、まあ、逃げ回っていたっていうと変ですけれども、まあ、自分なりにはなるべく普通に生活をしたいと思ってやってきたんですが、まあ、結局はストマにせざるを得ないんだなということで、ある意味観念したというか、ていうのが、えっと、46歳のときでございます。はい。

クローン病の語り

一時期在宅でIVHをやっていたが、肝臓に栄養が行き過ぎて脂肪肝になる恐れがあるという事で今は止めている

これ今はやってないんですが、やはり私は5回手術をして狭窄部分を切り取っているうちにですね、段々腸が短くなってきました。で、今は小腸が1メートルくらいしかないんですね。通常あの平均的には小腸は6-7メートルあると言われています。で、小腸が極端に短くなったために栄養の吸収が悪くなったんですね。 で、一時期ですねえー、在宅で点滴をやってました。自分で針を刺してですね、血管から栄養剤を入れてやると、あの、内科入院などでね、入院治療の時にされる方いると思うんですが、それを家でやるということをやっておりました。で、これはあの、直接血液に栄養が行きますので、腸から吸収するわけではないと、これはもう栄養補給としてはもっともダイレクトで効果的な方法なんですね。ただ、あの、これを続けていってですね肝臓に随分負担がかかったんですね。肝臓はあのー、栄養分を処理するところ、器官ですが、肝臓に栄養が行き過ぎまして、このままでは脂肪肝になるというあの、ことが言われましてね、それで今は在宅で点滴療法やるのは中断しております。

クローン病の語り

在宅IVHをやっているが、カテーテル感染することがあり、最初のころはカテーテルを抜いていたが、最近は抗生剤を使って抜かずに済ませることもある

―― カテーテルでその感染するとどういう症状が起こるんですか。

そうですね、最初うーんと、ちょっとわかんなかったですけど、カテーテル感染するっていうのはポート入れる時に先生の方と後看護師さんの方から、高熱出たらともかく早めに来てくださいということで、その高熱も、えー、38度とか39度出たらということだったんですけど、最近ちょっと自分の中でカテーテル感染し始めたったいう風に感じるのが、やっぱり、うーんと普段の生活の中でだるさとか後は熱っぽさとか、なんか、風邪に近いような症状になるような感じが自分はするんですけども、そういうような体調の変化が現れるとカテーテル感染の初期症状かなと思います。
えー、血液の培養の方で、はっきりとわかるようなのは、やっぱり高熱がでたあたり、なるとカテーテル感染して、血液培養で判断してもらってますね、はい。

―― その場合の治療っていうのはどういうことをされますか。

えーとですね、最初の頃は、もうカテーテル感染したらカテーテル抜くっていうことが主だったんですけれど、その後先生方が外国の症例とか調べていただいて、外国だとあの、抗生剤でカテーテル除菌するような方法(注)も試されてるということで、そういうようなカテーテルに抗生剤を入れて、できるだけ抜かないで、えー…治療するっていうやり方を何度か試していただきました。はい。で、その治療がうまくいけばカテーテルを抜かずに再び使えるっていう感じですね。はい。

―― で、そのうまくいかない時っていうのは、一度抜いて入れ直すということなんですか。そのー、カテーテルをいれるっていうのは、やっぱり結構大変なんですか。

そうですね、ポートだと大変ですね、やっぱり。はい。3センチくらい、局所麻酔なんですけど3センチくらい切開して、でー…普通にCV(中心静脈)入れるようにカテーテルを入れるんですけど、ポート入れる部分をやっぱり皮膚の下に、やっぱり袋状のえー…スペースを作んないといけないので、そこを作ってポート入れてっていうことなんで、やっぱり先生方も大変みたいです。はい。

―― で、ポートを入れてしまえば、その、そこに刺すのは簡単に刺せるんですか。

そうですね、簡単です、はい。

―― その刺すときにばい菌が入らないように気を付けないといけないということなんですね。

そうです。

(注)カテーテルを抜かずに抗菌薬で除菌する方法は、医学的に高度な判断が求められており簡単にできるものではありません。在宅IVHは患者のQOL向上に資するものではありますがリスクも大きいことを認識することが必要です

クローン病の語り

通常在宅でIVHをやる場合は皮膚の下にポートをいれるのだが、自分は感染症にかかりやすいので普通にカテーテルを入れて2か月に1度くらい交換している

―― IVHっていうのは、具体的にはどこから。

あ、はい。えっと、鎖骨のとこから、えー、中心静脈のほうにカテーテルを入れて、で、そこに高カロリーの輸液を入れるような栄養療法です。点滴してきてるんですけど、出してみますね。

―― あ、じゃあ、お願いします。

はい。……よしと。一応点滴のほうが、現在はちょっとこれを入れてますね。エネオパの2号。で、うーんと、ポンプがこちらですね。はい。はい。

―― …それは、どれぐらいの量を時間で入れるんですか。

えっと、今は1時間に70ミリリットルで入れてます。はい。

―― …分かりました。で、それは、あの、針を刺すのは当然、病院で?

いや、針っていうか、要するにカテーテル入れるのは病院なんですけども、うーんとですね。

―― その、コネクションみたいのがあるわけですか。

コネクション、はい。はい。

―― はあ、はあ。それはご自分で?

自分で、はい、はい。

―― そうすると、その先の管っていうのは、もうずっと入れっ放しなんですか。

ずっと入れっ放しっていうか、うーんと、本来はですね、在宅のIVHをするには、えっと、ポートといって埋め込み式のやつを、えー、皮膚の下に入れて、そこに針を刺すようなことで管理するんですけども、ちょっと、うーんと、自分、感染が結構頻繁に繰り返すので、現在は普通のIVHのカテーテルを入れて、で、それを、うーんと、2カ月に一遍ぐらい入れ替えるようなので、今管理してます。はい。

―― そのときは当然、病院に行ってやるわけですね。…あとは何か、その、これをやることで、その、注意しなきゃいけないとか、そういうことっていうのはありますか。

そうですね、やっぱり感染が、えー、一番気を付けないといけないっていうことなので、うーん、要するにカテーテルと、入ってるカテーテルと点滴のラインをつなげるときとか、あとは、点滴を要するときに、えー、不潔にならないようなことは、気を付けてやっていますね。はい。

―― こう、消毒したりするってことですか。

そうです。はい、はい。

クローン病の語り

壊疽性膿皮症(えそせいのうひしょう)(注1)という合併症が出たときに顆粒球除去療法をやった。1回目は良く効いたが2回目は何故か効かなかった

―― あの今、血球除去療法っておっしゃったんですけども、これは、あの、どんな治療なんですか。

あ、白血球除去法(LCAP)と顆粒球除去法(GCAPまたはGMA)というのがあるんですが、あの、最初、うーんと、何ですかね、透析のような感じで血漿(けっしょう)交換というか、あの自分の血をカラムを通してきれいにして、また元に戻す。多過ぎる、顆粒、顆粒球除去法は多過ぎる(炎症物質を出している)顆粒球を取り除いて、また体に入れる。白血球除去療法っていうのは多過ぎる(炎症物質を出している)白血球を取り除いて体に戻すという治療法ですね。
で、週に1回を5回、5週ですかね…、それがすごく(治療費が)高いんですけれども、えーと…、去年からかな、おととしからクローン病にも適用されるようになって、その前は、リウマチの方は大丈夫だけれどもクローン病は駄目だったりしたんですかね。
だから治験でやらせていただいたときは、お金がかからなくてよかったんですけれども…。はい。(注2)

―― それで、それが、あの、(壊疽性膿皮症の)2回目のときはもう効かなかったということなんですか?

はい。そのときは、あの…、他の腸の病勢も治まっているし、熱もないし、ただ、ただ、あの皮膚の潰瘍が広がっていくという状態でしたので、効かなか、何が原因で効かなかったのかはよく分からないんですけれども。

(注1)壊疽性膿皮症:皮膚に水泡やびらんが発生する炎症性皮膚疾患でクローン病や潰瘍性大腸炎の合併症として発生することもある。クローン病の症状・合併症のトピック参照。
(注2)GMAは平成20年に保険適用されたがLCAPは平成31年現在保険適用されていない。

クローン病の語り

レミケードの効果が減衰してきたとき、血球除去療法を2年間くらいやったが、効果はあったんじゃないかと思う。また貧血があったのでフェジンという鉄分を補給する薬も飲んでいた

―― 他には何か、えー、血球除去療法とか漢方とかそういうのは?

あ、それはやりました。2か月に1回のレミケードの時、やっぱ、効果減衰が大きかったので、えーと、レミケードを打って、…5週目からその、残り3週あるんですけど、次のレミケードまで、その3週間をあの、G-キャップ(GCAP)、あの、血球除去療法で、あの、しのぐみたいな期間は結構ありましたね。レミケード2か月1回の時期で減衰してきて、で、それをやったほうがいいだろうということで、やっている時期がありました。

―― それは効果はどうでした?

あ、でも主治医の先生も言ってたんですけど、何かしないよりしたほうがいいよ、…僕は多分そうだと思うんですけど、あんまり、いまいち、でも、気持ち的には「ああ、これしてるからいいな」ってのはあったんですけど、…ま、多分効果あったんじゃないかと思います。はい。

―― それっていうのは、だけどそんな、ずうっと長期にはできないですよね。どれくらいやられたんですか。

ああ、そうなんです。えーと、3セットして確か3か月空けないといけないんですよね。だから、えーと、…そうですね、3セット3回その3周するのを3セットして、3か月空けるみたいな周期でやってました。(注)

―― そうすると1年間とか、トータル的にはそれくらいの期間ですか。

そうです。でも2年くらい多分やりましたね。

―― あ、2年間くらいね。で、今はもうやっていないんですね。

今はもうやっていないです。(レミケードが)1か月1回になったので。

―― はは、なるほど。後は何か他には漢方とかなんか使ってます?

うーん、飲んでる薬じゃないんですけど、あの、下血を最近よく起こすようになったから貧血がすごくて、大体高くても、10、その貧血の値が、鉄分(ヘモグロビン)の値が高くても10くらいなんですね、採血の時に。で、まやっぱ、きついから、あのフェジンを点滴で入れてます。

―― それは、その、鉄分を補う薬なんですか。

はい、そうですね。

(注)GCAPは10回まで保険適用となっている

クローン病の語り

クローン病っていう名前がよくない。どうしても羊のクローンを想像してしまう

―― じゃやっぱり、その言葉、難病って言葉はやっぱりちょっと。

それが一番ちょっと言い方としてはかなり、悪いですよ、悪いっていうのも変ですけれど。あと、クローン病の場合は、潰瘍性大腸炎は潰瘍性大腸炎で皆さんイメージしやすいんですけど、クローン病はヒツジのドリーのせいで(笑)どうしても、その、クローンっていう医師、医師の名前ではないという認識が周りの方が多いので。私も最初聞いたときに、その、「クローン病だからうつるの?」って言われたことがあるので。ま、確かに、あの、複製を作るのはヒツジだけどねって説明をしてて、クローン病は別に腸の病気だし、うつらないよっていう説明を何回かしたのは最初の頃はありますね。

―― ね、名前が、確かに人の名前っていうことはみんな分からない。

分からないですよね。なので、だから、ま、昔々は、あの、限局性小腸炎(正しくは限局性回腸炎)とかいう名前でしたよね。うん、そういう名前だったんですけれど、それが、まあ、限局ではなくて、ま、全身どこにでも起こり得るので、あえてっていうかクローンって名前になったらしいんですけれど、いや、その名前じゃないものに。うん、難病って名前も悪いんですけど、クローン病って名前もどうにかしてほしいっていうのは正直ありますよね。

クローン病の語り

中1で診断を受けて、両親は難病であり治療法も確立されていない病気と聞き、自分以上にショックを受けていた

―― まあ中学1年生のときにクローン病の診断が付いたと。で、その診断が付いたときですね、あの…、まあ、ご両親と当然ご一緒だったと思うんですけれども、ご両親なんかはどんなふうに、こう話をされました?

えーと、診断が付いてですね、あの…、そうですね、あの、私自身が安心したというか。その1年、2年弱ですね、あの、症状が出てから、あの、診断が付くまでかかって何の病気か分からなかったので、その、もしかしたら、その、生命に関わるような病気かもしれないとか思ってたりもしたので、診断が付いたことでようやく治療が始まるって、これで症状が改善するんだっていう思いから、私は安堵(あんど)したんですけれども。
ただ、やっぱり両親は難病っていう説明を、まあ、私よりも両親、まあ、私12歳だったので、私よりも、えーと、両親のほうに詳しく、まあ、主治医の先生から説明がされていたので、難病で、まあ、治療法も確立されていなくてっていう話をされたので、私にはその、つらい、うーん、様子とかは見せなかったんですけど、まあ、今、最近話を聴くと、まあ、相当ショックをその当時、両親は受けた。
で、実際に診断を受けた、ちょ、後も、まあ、私自身もそうでしたけど、何ていうんですかね、まあ、生命には関わらないですけど、まあ、入退院を結構してしまったので、やっぱり大変な病気になったんだっていうところで戸惑いというか。

クローン病の語り

12歳で診断を受けたが大人は難病だとわかるとかわいそうな目で見るので悔しい思いをしたこともあった。祖母は自分の家から難病患者が出たことを近所の人に隠そうとしていた

―― お友達にはその病気のことをその話したお友達はどういう反応でした。

そうですね。もう聞いたことのない病名だったと思うので、まあ、ピンと来ないですよね、勿論。だから「ふーん」ていうっ感じで、私が思ってたよりはそんなに「えー」っていう感じではなく「そうなん」っていう感じの反応だったのでちょっと救われた気がしました。で、逆に大人に説明する時に難病という風にわかってしまうと、そのー、かわいそうな目で見られて、とてもこう悔しい思いをしたこともあったし、
まずあの、ま、家の実家の方は親とその、祖母と一緒に同居だったので、えー祖母は自分の家から難病患者が出たっていうのを近所に知られたくないっていう、私には言わないんですけど、そういう近所の人にひた隠しに隠すような感じで、あのやってました。その頃は理解できなかったんですけれど、やっぱりあの、近所の噂になるっていうのも嫌だったんだろうし、えーそうですね、何か今なら少しわかるんですけど、その頃はどうしてそんなに人にね、あの隠さなくちゃいけないんだっていうふうに、それももうなんか喧嘩の種になってましたけど。やはりあのー…難病っていうことのイメージっていうのがやはりそういうマイナスイメージっていうのが大きいんだろうなっていう風にはまあ、幼いなりには思っていました。