診断時:24歳
インタビュー時:28歳(2018年9月)
関東地方在住の女性。夫と二人暮らし。就職して3年目に高熱が1週間くらい続き近くの総合病院に入院したが、その時は主に皮膚症状だったのでベーチェット病と診断された。しかし、その後内視鏡検査をしたらクローン病だと判明した。その時の仕事は立ち仕事だったのと通勤に片道1時間半かかることもあり、そこは退職して現在は「ねこカフェ」をやっている。ヒュミラからステラーラに変えたが今一つ効果が実感できていない。痔ろうの手術はしたが、狭窄は今のところないので腸管の手術はまだしていない。
プロフィール詳細
高校生くらいから腹痛を起こすことがよくあったが、病院に行くとノロウィルスとか胃腸炎と言われ精密検査はしなかった。その後大学を卒業して就職した3年目に高熱が1週間くらい続き、ついに40度くらいの熱になったので近くの総合病院に入院した。しかしその時は、高熱の他は口内炎が激しくできてほとんどしゃべれないくらいだったのと、足にたくさんの湿疹ができてそれが痛み始めるという状態だった。一方お腹の方は特に異常がなかったので、その時はベーチェット病(*1)と診断された。しかし、それらの皮膚症状はすぐに治ったので原因がわからず、念のため大腸の内視鏡をやったら、クローン病特有の縦走潰瘍が見えて、クローン病との診断がついた。
その当時の仕事は立ち仕事で体力的にきつい仕事だったので、発症してから事務の仕事に変えてもらったが、それでも通勤に片道1時間半かかるところだったので、その仕事を続けるのは困難と判断して退職した。
小さい頃から動物が好きだったこともあり、今は自営業で「ねこカフェ」の店長をしている。会社勤めと違っていつでも自由にトイレに行けることや好きな動物とふれあうことができるのでストレスは軽減されている。ただ店をまかされているということからまた別のプレッシャーもあり、最初の頃は張り切りすぎて体調を崩すこともあったが、最近は家族、特に夫と母親に支えてもらってあまり気負わずやれるようになった。
薬は最初ペンタサ(*2)とエレンタール(成分栄養剤)だけだった。その後合併症の関節炎が出た時にステロイド(*3)を使ったが今は関節炎も治ったので使っていない。その後ヒュミラ(*4)を使い始めて、初めは良く効いたが半年くらいで効かなくなり、ステラーラ(*5)に変えたがこれもあまり効果が実感できていない。残りの選択肢としてはレミケードがあるが、今妊娠を希望しているので控えている。今後主治医と相談しようと思っている。
患者会には入っていないがSNSで同病の人たちと繋がっていて、今度初めてTwitterのオフ会があり参加することになっている。SNSでは年齢が近い人が多いので情報交換ができて参考になることも多い。
痔ろうの手術はしたが、狭窄はないので腸管の手術はしていない。しかし今はまだ症状が安定せず、調子の良い時でもトイレは1日6回~10回くらいで、悪くなると10回~20回くらいになる。従って飛行機に長時間乗ることが辛くて海外旅行には行けていないが、もう少し体調が安定したら是非海外に行ってみたい。
*1 ベーチェット病:慢性再発性の全身性炎症性疾患。腸管型ベーチェット病の場合はIBDの症状と似た症状が出ることがあり誤診されることがある
*2 ペンタサ:(一般名メサラジン)クローン病の基本薬
*3 ステロイド:副腎皮質ホルモンの1つで体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われている。副作用も多いため、IBDでは一般的には寛解導入に使われるが寛解維持には使わない。
*4 ヒュミラ:(一般名アダリムマブ)生物学的製剤(ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤)
*5 ステラーラ:(一般名ウステキヌマブ)生物学的製剤(ヒト型ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤)
その当時の仕事は立ち仕事で体力的にきつい仕事だったので、発症してから事務の仕事に変えてもらったが、それでも通勤に片道1時間半かかるところだったので、その仕事を続けるのは困難と判断して退職した。
小さい頃から動物が好きだったこともあり、今は自営業で「ねこカフェ」の店長をしている。会社勤めと違っていつでも自由にトイレに行けることや好きな動物とふれあうことができるのでストレスは軽減されている。ただ店をまかされているということからまた別のプレッシャーもあり、最初の頃は張り切りすぎて体調を崩すこともあったが、最近は家族、特に夫と母親に支えてもらってあまり気負わずやれるようになった。
薬は最初ペンタサ(*2)とエレンタール(成分栄養剤)だけだった。その後合併症の関節炎が出た時にステロイド(*3)を使ったが今は関節炎も治ったので使っていない。その後ヒュミラ(*4)を使い始めて、初めは良く効いたが半年くらいで効かなくなり、ステラーラ(*5)に変えたがこれもあまり効果が実感できていない。残りの選択肢としてはレミケードがあるが、今妊娠を希望しているので控えている。今後主治医と相談しようと思っている。
患者会には入っていないがSNSで同病の人たちと繋がっていて、今度初めてTwitterのオフ会があり参加することになっている。SNSでは年齢が近い人が多いので情報交換ができて参考になることも多い。
痔ろうの手術はしたが、狭窄はないので腸管の手術はしていない。しかし今はまだ症状が安定せず、調子の良い時でもトイレは1日6回~10回くらいで、悪くなると10回~20回くらいになる。従って飛行機に長時間乗ることが辛くて海外旅行には行けていないが、もう少し体調が安定したら是非海外に行ってみたい。
*1 ベーチェット病:慢性再発性の全身性炎症性疾患。腸管型ベーチェット病の場合はIBDの症状と似た症状が出ることがあり誤診されることがある
*2 ペンタサ:(一般名メサラジン)クローン病の基本薬
*3 ステロイド:副腎皮質ホルモンの1つで体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われている。副作用も多いため、IBDでは一般的には寛解導入に使われるが寛解維持には使わない。
*4 ヒュミラ:(一般名アダリムマブ)生物学的製剤(ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤)
*5 ステラーラ:(一般名ウステキヌマブ)生物学的製剤(ヒト型ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤)
インタビュー31
- 病気をコンプレックスだと思っていない。病気は自分の特徴の一つという感じで店の常連さんや友達に話をする。顔を出して語るなど自分ができることは積極的にやっていきたい
- お店を始めた頃は精神的に追い詰められるような時期もあったが、そばで心配してくれる母と夫の存在が大きかった。助けを求めてからは、気持ちの面で楽になった
- 最近お店でTwitterを始めて、IBD(炎症性腸疾患)の人ともつながり、今度自分の店でもオフ会を開催することになった。発症して間がない若い人たちが情報交換できる場にしたい
- 40度の熱が出て緊急入院した時、両親は遺伝的なものかと心配した。結婚式の1か月前だったので、式に出られるのか心配し、相手の両親にも申し訳ないと思っていたようだ
- 電車通勤で苦労した会社を辞めた後、猫カフェを開業した。家族と助け合えるため、出勤の調整もでき、好きな猫と触れ合いながら仕事をしている
- 今飲んでいる薬は妊娠が分かった時点ですぐに止めるものと、数週間後に止めるものがあるようなので妊娠がわかったらすぐに主治医に報告するように言われている