インタビュー時:53歳(2012年5月)
関係:嫁(義母を介護)
診断時:義母82歳、嫁51歳
2011年に義母がアルツハイマー型認知症と診断され、夫と自宅で介護を始める。診断を受ける前までは、義母は別居で、2006年よりデイサービスを利用しており、嫁は夫と2人暮らしだった。診断後、3カ月ほど同居して仕事と両立しながら介護していたが、症状が悪化したため、義母の施設入所を決めた。週1回面会に行っているが、後ろめたいと感じる。
語りの内容
―― でも何とかおうちでも、あの、大丈夫かなと思っていたけど、先ほどお話いただいたようなことが、ちょくちょく、あって。
そうですね。ちょくちょくあって、やっぱり1人では置いていけないし。あのー、正直私たちも疲れてきたんですよ。デイサービスに行ってる間はいいんですけど。帰ってくると、まあ、ご飯を食べてそこに、あ、隣の隣の部屋がおばあちゃんの部屋だったんですけど。いるんですけど、1日私たちがいると、あのー、何て言うんですかね…何、何する、例えば、自分が欲しい物があるとしますよね。そうするともう、すぐ「買ってきて」とか。だから、あのー、母が中心の生活みたいのになってきますよね。帰ってきても。それで…うん、でも仕事も行かなきゃいけないしっていうの、あるので。何か最後のほうは、ちょっと疲れてきたような感じがありましたね。
―― うーん、そうでしたか。
でも、何かその前に、あの、父が1年ぐらい前にショートステイで入れてもらってたんです。だから、ま、こんな言い方するとおかしいんですけど、いざとなったら、助けてもらえる所があるっていうので、ちょっと、まあ、頑張るっていうとおかしいんですけど。まあ、うちでもいけるかなと思ったんですけどね。うん、でも、その夜中に出てったりとか。すると、転んだりしても分かりませんよね、私たちも。だから、何で入ってもらうようになったのかっていうと、最後の1カ月ぐらい、あの、入るまで。それがかなりちょっと、きつかったような気がするんですけど、今思うと。
―― その最後の1カ月ぐらいは、いろいろな、こう、要求とか訴えが多くなったっていうことですか。
そうですね…要求とか、それと、もうトイレとかも、あのー…トイレにも行くんですけど、もともと、そのー、便がトイレの横にしてあったりとか、もう下は、たぶん尿をするときにもう、ちょっとずれたりなんかしてるんで、べたべた。そういうこともあるし。デイサービスに行っていたので、お風呂とかは入れてもらってきれいにしてたんですけど、やっぱりそういうのはうちに帰ってきても、次の朝までは何時間もありますよね。そういうのとかでもかな。うん、うん。
―― そうでしたか。
そうすると、やっぱり、あのー、2人の中でもけんかが起こるんですよ。何かもう不満ばっかり私が言うと、主人はそういうの聞きたくないですよね。だから、けんかが始まるようなこともありました。
―― そうですよね。もうそれで、ひと月ぐらいでもう限界かなって。
あ、そんでたまたま、その、○さん(知り合い)が新しく、あのー、特養※のほうを、増やされたっていうので、まあデイサービスも同じ系列の所に行ってるので、ちょっと声をかけてもらったので、「どうする?」みたいな感じで話し合って。もう、そしたら入れてもらおうかっていうことになったんですけど。
※特養:特別養護老人ホームのこと
インタビュー家族24
- 義母は娘を突然亡くした後、ちょっとうつっぽくなっていたので、どこから異変が始まったのかわからない。医師からは「老人性うつ」とも言われていた(テキストのみ)
- 認知症が進まないようにする薬を勧められ、少ない量から飲んだが、普段とは様子がおかしくて合わない感じだった。ちょっと落ち着きがないような感じだった(テキストのみ)
- 入所までの1ヶ月は仕事から帰ってきても義母介護中心の生活で疲れていた。不満を言うと夫と喧嘩になった。特養ができたのを機に入れてもらうことにした(テキストのみ)
- 介護していても嫁の立場と息子の立場では違うので、夫とは共有できる部分とできない部分があると思う。入所後は余裕ができて優しい気持ちになった(テキストのみ)