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インタビュー時:63歳(2012年6月)
関係:嫁(義母を介護)
診断時:義母81歳(86歳で逝去)、嫁58歳
義母は2007年にアルツハイマー型認知症の診断を受け、アリセプトの服薬を始める。当時、義母と夫、娘の4人暮らし。嫁は元中学校教諭で定年1年前に退職し、家族の支援を受けながら、自宅で介護した。患者会や認知症の講演会にはよく参加し情報を得るなどした。義母は慢性関節リウマチがあり、デイサービスを毎日に増やしたが、夜間の排泄誘導が大変で眠れず、時々ショートステイを利用した。
語りの内容
私は2階だもんで、階段。ほんで、娘がおばあちゃんのすぐ上だもんで。声が聞こえるんだって。
―― あ、娘さんも2階だけど、真上だから声が聞こえて。
うん、聞こえて。「お母さん」とか言って、私を呼んでくれるから、よっしゃ、みたいな。で、下りた。
―― 下に下りてこられて。
そう、そう、そう。あの子がおったもんで、助かった。
―― 娘さんがね。
私、本当よく寝ちゃって、もう起きれんかったと思うよ。はい。
―― そう。じゃあ、介護なさってて、娘さんとご自身との役割分担とか関係性とかは、どういうふうな状況で経過されたんですか。
どうだろう。私は、あんまりこう、よし、私がって全然思ってなかったもんで。とにかく、あの、デイサービスもショートステイも、もう、あの、プロに頼もう、頼もうと基本的に思ってたから。
だけど、彼女(姑)にとっては、一番大事な子なのよ。
―― お孫さんが。
うん。だもん、すごい優しくて、「おばあちゃーん」ってこうやって、声かけるだけで安心してたと思う。
―― ああ。じゃ、そういう精神的な安定の大きな働きを娘さんはした?
何だろうね、うん、だから絶対したと思う、私にも(笑)。「おかあさーん」て、「大変だよね」とかいう感じで、もう声かけてくれるから。すぐキンキンなる人なんだけど(笑)。
―― じゃあ、そういう大変さを理解してくれる方が。
だと思う。
―― いた、娘さんの存在は大きかった。
インタビュー家族26
- 義母にはアリセプトを途中で一度増量して飲ませていた。新しい薬が出たと聞いたが、症状が進んでいて飲んでも効果がわからないと思い試さなかった
- 本当に薬が効いているのかわからず不安の塊だった。本人が自分では飲めない薬をたくさん飲ませるのは辛かった
- トイレの失敗に対して「こんなところで」と思うのではなく、「そう来たか」と思うことで、「じゃあ、どうしよう」と考えることができると友人が教えてくれた
- 義母は歩けるうちは自分でトイレに行くことにこだわり、それで間に合わずに漏らしてしまう。紙パンツの中でしてくれればいいのだが途中で脱いでしまうため失敗が多かった
- 娘と介護を分担するつもりはないが、姑が呼んでいると教えてくれたり、姑におばあちゃんと声をかけたり、お母さん大変ねと気遣ってくれたりする娘の存在に助けられた
- 市が主催した講座の受講者が集まって作った家族会に出ている。そこでいろいろな立場の人と話をすると「そういう考えもあるんだ」と何か開ける気がする
- 本人に合った施設を探す窓口はケアマネジャーだから、優しさだけでなくて、きちんと情報を持って対応してほしい。情報を得られなくて転々としている人もいる