若年、その、診断を受けて、まああの、A大辞めたんですが、5年間は、あの、発症してから働いてるんですよね。だから、働けない状態じゃなく、あのー、アルツハイマーが原因で辞めたんじゃないんです。あの、体が衰弱して、下痢がひどくてね、衰弱して、それでもう「あ、僕は辞める」って自分で言い出して辞めたもんですからね。だから、あの、もうちょっと若い方でも、あのー、例えばあの、字を書くことが少し困難になっても、パソコンは最後まで打ってましたから、パソコンもあれだし。それから、学生の論文も「スピードは鈍った」って言いながら、見てましたから、仕事ができないっていう状態じゃないと思うんですね、若年性の場合はね。だから、もうちょっとこう、職場の方がね、理解があれば、あの、別に辞めなくても、こう続けていける、その、精神、心の病でもないし、あの、ちょっとこう、何か、何かあのー、能力が落ちる点があるかもしれないけれども、あの、理解があればね、あのー、続けられるんじゃないかなっていう気がしてます。
投稿者「dipex-j」のアーカイブ
―― 認知症の方で、その、ボランティア的に働いてらっしゃるって方はよく伺うんですけども、
そうですねえ。
―― その、有償というのは、ほんとにすごいなと思うんですが…。
そうですね。やっぱり、ここまで来るのにね、ほんとに何か、いろいろな、施設の方とかですね、いろんなやっぱり、周りの方のサポートの上で成り立って、決して私や、あの、彼だけの力ではなくって、いろんな方の力が加わって、えー、ここまでもってこれたのでね、ほんとにこれっていうのは、あのー、ま、変な意味、私ども、この病気を、まず最初に、もう最初からまったく隠すというつもりはなかったので、この病気はほんと変な病気でもないし、隠すような病気でもないと思っていたので、まあ、表にぽんともう、そのまま、こう、自分たちで出ていって、それがこう、いろんな方に出会って、そして、今のその仕事っていうことにですね、来たので。あの、どうしても内に、こう秘めてしまうと、なかなかいろんな情報も入らなくなってしまうし、やっぱり、ほんとに人との出会いなんですよね。たとえこう病気であろうが何だろうが、いろんな人とかかわり合いながら、こう進んでいくっていうのがね、その人の結局、生活の質を、よくしていってくれるんじゃないかなと思いますので、ほんとに今の仕事っていうのも,いろんな方の力がもう入って。あの、彼を中心として、いろんな方がね、サポートしてくれたおかげかなっていうのは感じるので。うん、やっぱり、こういうことがいろんな場でね、こう、行われてるんですけど、ほんとに、その本人の方をね、いろんな形でサポートしてくれれば、まだまだ認知症の人でもほんとにいろんなことができたり、未来が開けたりね、できるんじゃないかなというのは、つくづく思います。
何か、いい早寝早起きっていう形でですね。生活のリズムがすごく整っているかなっていうのは、それがまず、本人にとって、とてもいいことですし。利用者さんが僕を待っているんだっていう、そういう、誰かが自分を必要にしてくれているっていうことが、とてもこう、本人を元気にさせる。そういった部分は、とてもやっぱり、気持ちから、こう、やっぱりね、脳の方に、こう、来るんじゃないかなと思うんですが、それが、誰かが僕を必要としてくれてるっていう、そういった部分が、あのー、ほんとにいい影響っていうかですね。いい関係になっているのかなっていうふうに思いますし。やっぱり仕事をしますので、お給料もいただけますよね。その辺やっぱり、その辺も、ま、そうたくさんではないですけども、そのお給料袋を見た時には、何か自分の誇りっていうものをね、何かこう…。本人の中では早期退職ていう形でね、自分の願った退職ではなかったので、もう一度仕事をしたいっていう、夢がもう、ずっとそれでしたので、そこで自分が働いた分のお金をいただいたということがですね、ま、その金額とかではなくって、こう、自分の誇りっていうんですかね、そこら辺が、あの、また生きる活力になってるかなっていうのは、うん、ありますので。
まあ本人的には、いくらとかいうの、ほんとはあまり、こうね、もういくらでも、「おお、こんなにもらったんだ」って、とっても喜んでますし、「よし、これでみんなで飲みに行くぞ」とかね。あのー、彼は大体そういうタイプでしたので、この金を持って飲みに行こうっていうのがね、もう、妻からも何も言われずに、自分の金でっていうのがですね、それがあるんですよね、うん。だから、自分が働いたお金。だから、何に使っても、誰にも文句言わせないぞっていうようなね、そういう形でね、やっぱりこう、男としてのそういった部分を、こう、保てるのはですね、また、こう、いいんじゃないかなとは思いますけどね。何かこう、症状的には、確かに生活レベル的なことはちょっと下がってきたんですよ。だけども、あのー、その仕事をすることによって、やる気とか、体力をつけるとか、そういったことが、こう、それと交ぜあわって、何ですかね、レベルは下げてないような気はするんですね、全体の。生活レベルっていうのは、ほんと下がったけど、本人のハートの部分はすごく、こう、なってるので、うまくそれがバランスが取れて。認知症には負けないぞっていう感じでね、こう、あるような感じがするのでね、うん。
わたしは全然、こう、ほとんど、気に留めてなかったんですけども。だんだん月日がたつにつれて、若干仕事に、仕事のことに不安を感じることを、わたしに話し始めたんですね。それまではまったく仕事のことっていうのは、わたしに話すことはなかったんですけども、あのー、ある日、いつも行ってる会議室に、「あのー、明日、会議があるんだけど、あすこの会議室はどこだったっけ?」ってわたしに聞くんですね。だから、「えー、いつも行っている会議室なのに分かんないの?」ってふうに言ったら、本人は「はっ」としたような感じで「ああ、ああ。もう分かった、分かった。もう大丈夫だ、分かったから」って言って、まあ、あのー、次の日は行けたみたいなんですけど。まあ、わたしも変だなあと思いながらも、ああ、あの、新しい部署になって疲れてるのかなっていうような感じで、わたしはもう流していたんですけども、そのうちだんだん仕事の、部下との、こう、打ち合わせがですね、うまくいかなかったり、上司との、あのー、打ち合わせがうまくいかなくって、本人的にはそういうつもりはないので、あのー、「また、こう言われた」とか、「ああ言われた」ということがね、多くなってきたので。うーん、ちょっと、何か仕事が忙しすぎるのかなとか思ってたんですけども。
一番早くできなくなったのは仕事ですので、だから仕事はもう、7年、8年、7、8年前にはもうできなくなりましたね。
―― あの、どのようなお仕事ですか?
ええとね、ポップアップ絵本を、立案とデザイン。そういうのをやってましたけども。
―― するとやっぱり、空間認識ができなくなったりするのって、結構影響が。
そうなんですよね。だから、それは早く障害が出てきた、出てきて…そうですね、それはもうやっぱり…飛び出す絵本とか、ペーパークラフトの方の仕事が、あの一応、専門だったんで、それができなくなったのがやっぱり早かったのかなと思います。
できることはいっぱいあるんですよ。まだ字も書けるし、例えば、簡単な作業だったら全くできるわけなので、就労の場っていうのを、若年性の方って、まだ、体は元気だと思うので、何かできないのかなと。就労の場はあるんですが、報酬としてないんですよね。で、うちに関していうと、あの、報酬がなくてもそういう場がほしいっていうのは、確かなんですけど。でも、現実を考えると、時給300円でも200円でも、その対価っていうのがもらえるような作業でいいので、就労の場を、デイケアと別にできればいいなと。デイケアに行く前の、もっと、初期の段階であれば全然できると思うんですよ。で、ここで就労させることによって、デイケアとか施設に行く時間を遅らせることができると思うので、ほんとに、そういうことが若年性の認知症の場合には遅れていると思いますね。うちも、あの、今、たまたま、その家族会のお手伝いさせていただいていますけど、すごく助かっています、もう。…別に報酬がなくても、それをやることによって、やっぱり人と接したり楽しかったり役に立っているという気持ちが起きるわけなので、そこで働いて帰ってくるときの携帯電話の声って違うんですよ。すごい明るいし、張りがあるんですね。だから、きっとほかの人もそういう場を、…あの、作ることによって、進むのを1日でも遅らせることができるんじゃないかなってすごく思うので、そこをぜひ、何かこう取り組んでいただけることがあればお願いしたいなっていう。
―― 最初の診断のときには、職場の方もいらしたっていうことで。
そうなんですよ、そうなんです。
―― その状況と、その後のその職場の方の対応っていうか、仕事でどういうふうになったかとか。
そうですね、そのときが59歳のときだったんです。定年まであと1年ちょっとだったんですけど、あのー、ほんとに、主人はラッキーだと思うし、結構、愛される人なんだろうと思うんですけど、職場では、定年までは、みんなで面倒みてくれました。あのー、その病院につきそってくれた方もそうなんですけど、主人って、配置転換になって、ま、ほんと、作業的な仕事になってしまったんですけど。でも、それでも、隣でちゃんと、こう、親切に教えてくれたりとか。私にこう…いろいろ情報、メールくれる方とかがいらして、家族と職場のその方とのコミュニケーションをとりながら、あとの1年数カ月を全うすることができたんですね。だから、ほんとに周りの方がいい人ばっかりで。で、1人の人は、なぜそうしてくれたかっていうと、かつて主人が、その方が若いころに新規で立ちあげたプロジェクトみたいな担当になったときに助けたみたいなんです、いろいろ。なので、「あのころ助けてもらったんで、今、わたしは恩返しするときだと思うので、定年まで、しっかりお世話させていただきます」って言ってくださって。わたしたち、ほんとにラッキーだと思うんですね。
ここに今ずっとありますけど、これ、定年のときにもらった表彰、感謝状と時計なんですよ。…記念品、だから、それだけでも、すごい、ありがたいんですよね。
作業所行くのは9時、15分、10分、15分やね…で、作業、だから始まりは、え、朝礼があって…朝礼が25分なんだね。25分から始まって、「よろしくお願いします」って上から言ってくでしょ。それで、2階に上がる。2階が、あの、そのー、作業室があるんですけど、作業室、だからタオルをたたむ…感じですね。まあ、その日によってたたみ方は違いますけど、ま、今日は8つ折りと4つ折りと、伸ばしか。まあ、これは別に関係のないことですけどね。…で…ま、ノルマっていうのはないんですけど、できるだけ、あの、正確に、ま、4つ折りだったら4つ折りの置き方が難しいのあれ…あれが大変なんだ……で、だから4つ折りのタオルを10枚重ねて置く。10枚重ねておく…20、20でひとくくりで、普通で1つで終わり。それがだから、いくつもあるんだ。
…それをそうこう、やってるうちに昼12時になってね、12時に終わって、ご飯を食べて。まあ作業室の、だからまあ1階が食堂ですけど、食堂だから一応、あのー、みそ汁もいただけることになってるから、それをいただいて食べます。それで昼を、昼休みです。……昼の休みの間っていうのは、退屈というような時間ですね。ほんまは別に、私は続けてやってもいいんですけど、まあ、お昼休みという形をやっぱり取らな、取らなければ駄目なので食べます。したら、昼休みが終わりまして…午後が1時から始まりますので、1時、えー、2階にまた上がって……作業室までずっと、その日によってタオルの量が違いますけど、今日は少ないほう、5,000枚とか何とか言ったから、まあ中途半端に、帰っ、まあ、最後まで居ててもいんやけど、ここでインタビューっていうことで…早退してきました。以上。
―― お昼休み、退屈っておっしゃったんですけれども、そこではほかの人とお話されたりしないんですか?
…私はだから、その、話が……かかわりたくないんかな。……だから、ま、しゃべってこられたらしゃべりますけど、まあ、できるだけ余分な話をしないっていう感じで……まあ、だから頭の中では…整理するのに必死っていうか、頭の中の回ってるあれはね…声を出すのに大変なんです。
草抜くの面白いですね。草むしりもね。あそこも、すごい所に行きましたもんね。引っ張り出すとね、いっぱい出てきますもんね。
―― これまで草むしりとか、おやりになった経験ってあります?
最近のことですよ、結局ね。草むしりをやっていくっていうことがどういうことかっていうのは、にぶつかってたのは、われわれにとってはそういうところがありましたね。そこで、どうやってくかっていう話ですもんね。
―― なるほど。
で、できるならば、えー、お酒を飲みに行きたいとか。
センター職員:うん。
何でそっちに持ってくんやろ、僕は(笑)。
センター職員:行かないと。
―― 行かれることあるんですか、皆さんで。
センター職員:ちょっとね、行きたいなあっていう話のまま。
ですね。
センター職員:行けてないんですけど…。
―― ここのサポートセンターに落ち着かれたのは、どういうところがよかったのでしょうか?
あのー、多かったんがね、障害者の施設のお手伝いとかね、そういうのんがようけあったんですよ。身体障害者のとこで、何かこう、作業の手伝いとか、そういうのがね。どうしてもあの中にはもう僕、こう、入られへんかって。見に行ったりもしました、何軒か行きましたね、ええ。こういうとこでは、もう無理や言うて。その流れん中でここに来たときには、ここやったら、まあ、ご飯も食べさしてもうたし、そのとき(笑)。ええ。まあ、一遍ね、来てみようか思って来たら、何かね、まあ、お手伝いは簡単やし、時間もこう短いし。ま、続けてみようと思ったら、みんな一生懸命してくれるし、僕もうまいこと、こう、生活のリズムの中に入れる環境やったから、ええ、ええ…ここに決めたんですよね。ま、決めたいうか、ありがたかったですけど、ええ。
―― 他に紹介された所は、働くというか、お手伝いというか、どういう条件で探されていたんですか?
ボランティアですね。基本的には、ええ、仕事じゃないです。
―― 障害者の方を対象とした作業所とか、そういう所ですか?
そういう施設、作業所、うーん、そんなところですね。ええ。どういう感じいうたら、何か…やっぱりあの、みんな、あの……障害持ってはる人ばっかりですやん。ちょっと変ですやん(笑)。これは嫌だ(笑)。ええ。まあ、僕も変なんやけど、向こうからしたら一緒か分からへんねんけど、ええ、ええ。もう、耐えられへんのは分かってますから、僕。