―― 診断名は。
若年性アルツハイマーです。なんだかよくわかんなかった。なんだ(笑)。若年性って言ったって60代だぜっていって(笑)。60で若年性って言えるのかなーなんて。
―― ご自分が若年性アルツハイマーっていうのはなんだろうって思われたとき、どんなお気持ちになりました?
あ、病名はそうなんだと。ただ、それだけですね。で、「若年性アルツハイマーってどういう意味ですか」って言ったら、ま、先生、物忘れが激しいとか、ま、激しいたって言ったって、そんなにおれ激しいかなと思ったんですけど。そ、そんなにね……物忘れが多いとなると仕事できねえですんでね。いついつ誰誰と、ま、一生懸命、おれ、病気の名前聞いてから、あの、細かいことでも、ま、そんな細かいことはあまり書かなかったけれど、…文字、文字で書くようにしましたよ。何月何日、何々だろうというに、何何何何とかね、ま、それは、ま、いいことだと思うんですけど。……何となくね、何か、その、どっかで、その病気をしょっているっていうのがね、頭ん中に残ってるんだよ。だから、自信なくなっちゃうときがあるんですよね。自分では、こう、こうあるべきだとか、こうしなくちゃいけないと思っていながらも、これでいいのかなとか。やっちゃったあとから、いや、まずかったかなとか。何かそんなような、それも、ちょっとストレスにもなるんですけどね(笑)。やりたいことやってでも一番いいじゃないですか。ねえ、できればね。もう、……一番悪いのは、やっぱり、くよくよするのが一番駄目ですね(笑)。
―― くよくよされるようなことがあったんですか。
いや、あんまりないんですよ、正直言って。いい加減ですから。もう、ほんとにね、いい加減な真面目さなんですよ、うん。ほんとにいい加減だと駄目だけど。