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インタビュー時:55歳(2012年1月)
関係:長男(実父を介護)
診断時:実父88歳(89歳で逝去)、長男54歳
2010年に実父がアリセプトを内服していたことを知る。父親と2人暮らしだった長男は仕事を休み、嫁いだ姉の協力を得て、自宅介護を開始。しかし夜間の排泄介助の多さに限界を感じ、有料老人ホームに入所。帰宅願望が強く、一旦退所し、精神科病院へ入院したが、拘束され、やせ衰える父が心配になり、他の施設を探した。やっとグループホームに入所できたが、肺炎を起こし、4カ月の闘病の末、逝去した。
語りの内容
えーと、いつごろかっていうのは、はっきりしないんですけど。えー、から、あの…平成の、あ、平成じゃないや、2010年ぐらいから、えー、だんだんと、こう、もの忘れっていうか、「あれ、変なこと言うな」なんていうのは気づいたんですけど。えー…で、それから…そうですね、10年…だいたい、睡眠時間がだんだん長くなってきたようなのを覚えてますね。ええ。それで、秋口から、あのー、免許証だとか、「あれ、どこ行っちゃったんだ」、「どこ行っちゃったかな」とか、探す時間が長くなって。そうですね、秋口あたりから急激に、急激にっていうか、こう、分かるようになりましたね。だから、1日こう、電話した所に、また同じ人に電話をするとか、あったから、ええ。変だなと思って。
で、10月ぐらいに…転んでけがをして、あのー、近くの病院に、ええ。行って、何針か縫ってもらったんですけど。そのときは、うーん、それだけで…えー、ほとんど普通の、またその後も普通の生活してたんですね。それから…12月の18日に、えー、ちょっと忘年会だったんですけど、帰ってきたら、あの、廊下に倒れてて、ベッドに行く、自分のこの、いつも寝てるベッドの5メートルぐらい手前で倒れてて、ええ。えー、そこであれですね、そのときにガラス2枚か3枚ぐらい割っちゃって、ええ。出血も、血だらけっていうか、周り中がもう血だらけで、ええ。えー…で、救急車呼んだんですけど、もうほと、あの、しゃべるのはしゃべれなかったですね、そのときは、ええ。
インタビュー家族20
- 急に父のもの忘れが増え、睡眠時間が長くなったように感じていたが、ある日帰宅するとベッドのそばで転倒して、血まみれになっていた(音声のみ)
- 父は昼夜逆転していて一晩に20回くらいトイレに起きた。そのため25分に1回のペースで起きて、ポータブルトイレで用を足すのに倒れないように支える必要があった(音声のみ)
- 認知症の症状が悪化し、怪我で父親が入院。退院後、年末年始で施設にお願いできず困っていたところ、病院のケースワーカーに有料老人ホームを見つけてもらった(音声のみ)
- 入所してほどなく、歩行は無理だが立てるので、倒れて怪我をしてはいけない、ホームで対応できないと言われた。経済的にも月22万以上かかり、厳しいので他を探した(音声のみ)
- 父が自宅にいた期間は短かったが、姉が来てくれると買い物したり羽を伸ばしたり、施設見学にも行けて助かった(音声のみ)
- 父は肺炎で施設から病院に運ばれて亡くなった。本などを読んである程度わかっていたが、想定外だった。家で看たかったので、もう少し長生きしてほしかった(テキストのみ)