DIPEx-Japan運営委員瀬戸山です。DIPExの認知症モジュールでもお話をしてくださっていて、本やトークショーなどで当事者の立場から様々な体験を世の中にシェアしてくださっている樋口直美さんから、お知らせをいただきました♪
樋口さん、ラジオにご出演されたそうですよー(^^♪
【以下、樋口さんのお知らせから引用です】
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レビー小体病の樋口直美です。
今朝、ラジオで朝田隆先生とのお話しが放送されました。
誤診や認知症告知など医療の問題、症状の改善方法など色々お話ししています。
朝田先生のコメントが、素晴らしいです。
今日から1週間限定で、いつでも聴くことができます。(地域も限定??)
是非聴いて頂き、この病気の患者の置かれた現状を知って頂けたらとてもうれしいです。
【「ひだまりハウス」 ~うつ病・認知症について語ろう~ | ニッポン放送 】
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【引用ここまで】
私もさっそく、過去1週間に放送されたラジオを聴けるradikoというアプリで聞いてみましたよー。(ああ、便利な機能です。)
朝田先生のことを「長年のファンで、」ずっとお会いしたかった・・・と、話を始めた樋口さん。私は直接樋口さんにお会いしていますし、DIPExのモジュールでも話してくださっているので、樋口さんのお声はなんだか耳慣れてしまっているのですが、いつもどおり暖かい優しい語り口に、気持ちも穏やかになりました。
番組の中で樋口さんは、ご自身の体験した症状や、症状に対する思いを話され、それに対して朝田先生が医師の立場から冷静に解説されたりしています。樋口さんが経過を話している際に、朝田先生も「うん、うん」と頷いておられる声が入っていて、朝田先生のお人柄が伝わってくるような印象を持ちました。
番組の中では、あるエピソードが紹介されています。
樋口さんが様々な症状に悩み、「自分にできることはなんですか?」と当時の医師に聴いたときに、医師が「できることはない」と言ったそうです。それが樋口さんにはとてもショックだったとのこと。
話の中でも触れられていますが、当時の医師が「できることはない」と話した意図は、医療者ができることがない・・という話だったのかもしれません。でも樋口さんは、ご自身ができることがないでしょうか?と聴いていたんですよね。
その医師が、目の前の患者さんである樋口さんの意図をきちんと汲めていないのが分かりますし、樋口さんご自身が「できることはない」という医師の何気ない一言にどれだけショックだったかと思うと、胸が痛みます。
医療者は、自分たちの態度や発する言葉、目の前の患者さんの意図を汲めているかどうかということに、もっともっと敏感になるべきですね。自分たちの一言が、病いの当事者の方に、どれだけ重みをもって受け取られてしまうかということを。私も医療者の端くれとして、改めてしっかりこのエピソードをまるごと、胸に刻もうと思いました。
でも、上のエピソードが紹介されたとき、ラジオの中で朝田先生が、(当時の医師の言葉について)「同業者として申し訳ないです。」と仰ってくれていました。それだけで、なんだかちょっと救われます。患者さんがいろいろであるように、医療者もいろいろです。そして、少しきつい言い方かもしれませんが、患者さん自身も少し強くなる必要があるのかもしれません。
ただし、やっぱり、自分が病気かもしれないと思ったばかりの当事者の心は、一般的にはとても敏感で繊細で、不安が大きくて、傷つきやすいものです。医療者は、当事者である相手を最大限に尊重すること。実際に100パーセント理解することは無理でも、相手を理解しようと努力し続けること、その「姿勢」と自分の言動を振り返る「謙虚さ」を、持ち続けたいと思いました。
このエピソード以外にも、番組では、樋口さんの病気に対する思いや、何をしていると元気なのか…など、まさに、当事者にしか話せない内容が、当事者にしか話せない言葉で話されています。似た状況に悩んでいる当事者の方が、「あ、自分だけじゃないのね」「そうか、こうすればいいのか」と思える30分間になっているように思いました。
すぐにradikoで聴けない方のために・・・とちょっと番組を勝手に解説してみましたが、百聞は一見に如かず・・・ならず、百聞は一聞に如かず・・・です。そして、やはり樋口さんご自身の声で話していただくことに、意味があるようにも思います。ぜひ、本物の番組を、上のリンクからお聴きください!
(樋口さんについては、もう一つお知らせがありますが、長くなったのでまた改めて。楽しみにしていてくださいませ~。)
瀬戸山陽子