投稿者「dipex-j」のアーカイブ

医療的ケア児の家族の語り

仕事で疲れていることを言い訳にしてはいけないとは思いながらも、アラームが鳴ってもなかなか身体が言うことをきかない

ケアをし始めた最初の頃っていうのは、自分と妻と、妻のご両親がお手伝いをしてくれた。
3交替というわけではないんですけども、3人4人で分担をしているような、そういう状態だったものですから、はい。
つらい思いをしなかったっていうよりは、比較的僕は楽をさせてもらっていた。

実際にお仕事があるからっていうふうな、そんなことを理由にしてちょっと夜寝る時間を多く取らせていただいてたりとか。

ケアももしかしたら、ほんとに最低限の部分だけお手伝いをしてるっていうふうな、そんな感じだったんじゃないのかなと思います。

――お仕事がある中で、お家に帰ってケアが必要なお子さんがいるっていう状況で、実際にご自身がされていたことっていうのは、何でしたでしょうか。

はい。
今もそれは変わらないんですけども、たんの吸引、それから胃ろうを介したお食事ですね
それと体位の交換、変換っていうんですかね、はい。

あとおむつ交換が、毎日必ずあるような介助になってます。
いわゆる力を使う介助以外の部分で、加湿器のお水がなくなってないかどうかのチェックは、別にしなきゃいけない。
誰がどのタイミングでっていうのではなくて、家にいる人間が何となくずっと見ているっていうふうな形。

実際に吸引をするっていう、そのタイミングではなくても、いつも何となく耳をそばだてている。
「あれ、何か変な音してないかな」とか、そういうふうにして、どちらかというと神経の半分を常に息子のほうにちょっと置いておくような状態で生活をしてるので、そういった部分でのストレスっていうのは、最初はあったかもしれないです。

まあ言い訳なんですけれども、お仕事から帰ってきました、くたびれちゃってます。
で、気付くことは気付くんです、はい。

気付くんだけど、フットワーク軽く動けないっていうふうなことがあって。
分かってるけど、ちょっとこう、何か鳴ってない?とか。
そういうふうな感じになってしまう。

すぐ自分でタタタタッて行けばいいものを、体が利かないとかそういうふうなことは正直今も含めてあったかと思います。

医療的ケア児の家族の語り

長女は、将来妹の面倒をみると言ってくれ優しい心がうれしい。親が年をとった将来を考えないといけない が、今は考えたくない

長女の中では、親が死んだ後にね、妹を、私が面倒見ていくのかなっていうことが、高校1年生なんでちょっとあるみたいなんですけど。
本人曰く、自分は世界を股にかける仕事をして、忙しくなるから、いい施設に入れて、妹の面倒は見るっていうふうに言ってくれてる。
ちょっと現実離れしてるかもしれないけど、気持ち的にね、そういうふうに思ってくれてるから、うれしいなって。

ただ、将来のことに関してはまだ(次女は)10歳で、私も47歳なんで、例えば成年後見人とか、(次女が)高校卒業した後、大人になってからっていうことは考えなきゃいけないけれども、今は正直考えたくない。
ちょっと現実逃避。

この辺にやんなきゃ、見ていかなきゃいけないっていうのはあるんだけれども、私の中では正直言って、今まだ考えたくないですね。

妹がいることによって、長女の人に対する優しさとか、ものの考え方とか、今、高校1年生なんですけど、小学生、中学生のときの姿を見てると、もうほんとに、普通の(とは)違うものに、違う現実に常に接している中の受け入れが、すごいできる人間になってると思うんですね。

そういった意味では、彼女にとっては、それが絶対に生きていく上でプラスになるって思っているし、それはすごくうれしい部分です。

医療的ケア児の家族の語り

第1子を生後5か月で亡くし、第2子を妊娠したときに迷いながらも出生前診断をした。異常なしだったが生まれるまで不安だった (音声のみ)

で 、一応その羊水検査を受けようかと思ってたんですけど、その矢先にちょっと切迫流産になってしまって。ま、結局ちょっと受けられなくて。まあ、逆に受けてたら、そのときにもう病気が分かってたと思うんで、そのとき自分たちがどうしたかっていうのは、ちょっと今となっては、うーん、なんていうか、もうあんまたらればで話しても意味がないことなので、そこはあんま考えてないんですけど、でも、2 番目にじゃあいざ生まれるってなったときに、やっぱりすごく不安は不安で。あの、どんな子でももちろんかわいいっていうのは、その上の子のときに分かってるんですけど、なんかまた、その、長生きできないって言われたりして、あの、本当にもう身を八つ裂きにされるようなあの苦しみは、を味わうのかと思うと、それはどうしようっていうことで、すごく考えて。
 あの、ま、結論はでなかったんですけど、結論出ないまま出生前診断受けたんですね。で、あの、受けるときも、その結果が出るまでも、もうすごい、こんなに人生で緊張だったり不安したこと、に思ったことはないっていうぐらいすごく不安で。でも、結果が、一応その検査では異常はなかったっていうのを聞いたときは、本当にもう、うちの夫と腰を抜かすくらいもう、腰が抜けるぐらいもう本当に緊張が取れたっていうか、もうよかったっていうか、安心したっていう気持ちがあって。

下の子のときも、考 えてはいたんですけど、もし陽性だったらどうするかっていうのは、えと、主人と話して、あの、もうそのときに陽性だったら、もう陽性だったときに考えようっていうふうに、その時点では結論を出していたんです。で、ニプトの、ニプト外来の先生にも、もうちょっとそういうふうにしか今決められませんっていう話はして。で、なんか、もし陽性だったらっていうのは、なんかこれはもしかしたら逃げの回答になってしまうかもしれないんですけど、あの、私、上の子のときに、たらればで考えたり、もしこうだったらとか、なんか、そう考えることの意味のなさっていうのをすごく痛感したんですね。で、明日もどうなるか分からない中で、こう、なんか、毎日必死で生きてきて 、だ から、そうなったらそうなったとき考えようって思って。結局最後の、最終の、なんか、結論がそれだったんですね。なんで、うーん、なんか、どうしてたかなっていうのは分かんないですね。

という不安を、まあ、超えて、だんだん、あの、安定期には入ったんですけど、でも、やっぱり、あの、生まれるまで何があるか分からないっていうのは、自分が上の子のときに一番よく分かってるので、本当に、なんか、もう安定期だから大丈夫とか、なんか、今度は元気に生まれるよとか、結構周りからそういうなんか無責任なこと言われる度に、私だってそう思ってたよって言い返してやりたくなるのをぐっと堪えてっていうのがあって。実際、本当にその微妙な気持ちを分かってくれたのは、GCUの師長さんと、あとうちの夫と、あの、病院の産科の看護師さんたちぐらいで。なんか、結構、周りの人との関係を割とシャットアウトして 、2 人目も帝王切開はもう分かってたので、なんか手術台の上、最後手術台の上に乗るまでもう不安で。なんか、そうなんですよ、生まれてちょっと産声を聞くまでがもう、本当になんかもう、全然緊張が取れなかったですね。

医療的ケア児の家族の語り

ケアの負担から次男に冷たく当たってしまったとき、長男も自分と同じように接するのを見て反省し、2人をかわいがって育てることに決めた

きょうだい児は、本当にいっぱい問題があって。
なかなかね、医療的ケアのある子どもばっかりに目がいくので、きょうだいの子がね、つらい思いしてると思います。

そんな中で、「何でこんなに仲いいの」ってよく言ってもらえるんですけど、昔、(次男が)退院してすぐのときに、医療的ケアがたくさんあり過ぎて、私がもう本当にパニックになってしまって。
本当につらくて、子どもに冷たく当たってしまったときに、長男のほうも弟に冷たく当たることが多くて。

私の姿を見て同じことをしているんだなっていうのを思って。
それで考え直して、私が本当に2人とも、かわいがってる姿を見せることが、「僕はこんなに愛されているんだ」っていうのが分かって、長男も弟を愛するっていうか、うん。
まあ、そうですね(笑)。

かわいがっている姿をお兄ちゃんがちゃんと見てることで、お兄ちゃんも弟をかわいがれるというか…。
本当に仲良く2人ともしてくれてるので、助かってます。

医療的ケア児の家族の語り

お姉ちゃんは下の子の病気を理解しているが入院付添いで母が不在になるのは不安なようだ。要所要所でお姉ちゃんを優先している

次女の病気のことは、お姉ちゃんはすごい分かっていて、薬を飲まなきゃいけないとか、酸素を入れなきゃいけないとか、手術になれば、私も付き添っていなくなるっていうことは理解してて。

だから次女が病院に行くことを、ものすごい嫌がる。
私も一緒にいなくなっちゃうんじゃないか不安で、本人にとっては嫌みたいで、「また病院行くの?」っていうのは結構、定期的に聞かれたりはしますね。
普通に妹が生まれるっていうことよりかは、本人、相当、我慢することが多かったのかなとは思いますね。

でもそこは、なるべく、(長女の)気持ちを汲んであげるようにはしてるので。
次女の場合、病気があるといっても、すごい配慮が必要か、生活する上で何かすごい大変かっていうと、そこまで大変ではないので。
どっちかっていうと、次女が病気であるということに関しての、お姉ちゃんの心のケアのほうが大変かなって思うことはあります。

例えば、次女の入院のタイミングで、お姉ちゃんの参観や発表会が重なっちゃうことがたまーにあって。
そうすると、お父さんじゃなくて私に来てほしい、お母さんに来てほしいって、長女はすごいそういう思いが強いみたいなので。

発表会や参観とかそういう、長女を優先すべきときはなるべく私のほうが長女に関わって、次女はパパに預けて、という感じで。
長女を優先してあげたほうがいいなっていうふうに。

そういう大事なとき、要所要所は、お姉ちゃんのほうを、ちょっと気遣ってあげて。
きょうはお姉ちゃんが主役だからね、お姉ちゃんを大事にするからねっていう感じで。
メリハリじゃないですけど、ポイントポイントで大事なところではお姉ちゃんを優先するようにしてます。