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インタビュー時年齢:26歳(2020年12月)
障害の内容:肢体不自由(下肢障害)
学校と専攻:大学・工学部(2014年度入学)、大学院・機械工学(2018年度入学)
関西圏在住の男性。脊椎・胸郭異形成症による体幹機能障害で、短い距離は歩くことはできるが、外出には電動車椅子を使用。軽度の難聴もあり、骨伝導の補聴器を使っている。小・中学校では普通学級で学び、高校に進学してまもなく大きな手術を経験して1年間休学した。国立大学に進んで機械工学を学び、大学院に進学して修士号を取得。総合職の技術職として採用してくれるところを求めて就活をして、大手電機メーカーに就職して研究開発の仕事に従事している。
語りの内容
ただ、大学の4年のときに、うちは、えーと、研究室配属が来るんですね。…自分は結局、振動工学の研究室に入って、「じゃあ、テーマ、どうすんねん」っていう話なんですが。
実験して、実験で出た波形と自分の数式で、それでその波形を数式から導き出すとか、そういうことをするんですけど、まあ、実験をする必要があるんですね。で、あろうことか、そのー、何か、物がでかかったりとか、いろいろなものがあるんですよね。で、それは、自分は、まあ、1人でやるのはそもそも危ないっていう話。だから、結論から言いますと、まあ、「実験系はやめよう」みたいな、簡単に言うと。テーマの中で、だから、「どうにか、テーマの中で、デスク上でやれる内容にしよう」みたいな。要は、結局、実験で誰かついてなきゃいけないとか、何かあったら困るとか、まあ、良く言えば、先生は不安要素しかないので、まあ、魂胆を僕は聞いたことがないので、憶測でしかしゃべれないので、本当にしゃべっちゃいけないとは思うんですけど。
なんで、結局、自分は何をやったかっていうと、先生とテーマを考えて、車椅子を題材にして、「車椅子が、じゃあ、どういうときが危ないんですか」って話で、「段差のときに後転しますね」みたいな。
それなんで、「そういう所が危ないですね」って話をして、「じゃあ、どういう所で、じゃあ、それを、どういう車椅子だったら、そういうのが減らせるかね」みたいな話になって。なんで、「段差を乗り越えるときの車椅子がどういう挙動をするかっていうような研究をしようか」っていう話になって。で、内容としては、えーと、シミュレーション、数値計算ソフトを使ってシミュレーションをして、まあ話をするっていう研究内容に収まりました。本当に実験しなくて寂しいなとか。こう、自分の体を、まあ、手を動かし、体を動かしてるとか、動くことが好きだったんで、小さいころから。
分からないんですが、まあそういう意味では、おそらくですね、今回、この話で、まあ、そういう所が、世の中の理系学生、こういったものとして、難しいのはそういう所にあるんじゃないかという話だとは思うんですけれども、自分としては、結果、排除したほうが早かったっていう感じは受けました。そういう機会を排除したほうが、まあ、どっちにとっても安全だしというような感じはしますね。
理工系インタビュー11
- 振動工学の研究室では一人で実験するのは危ないということで、シミュレーションを使った研究を選んだ。手を動かすことが好きなので実験できないのは寂しかった(音声のみ)
- 技術職として就職した会社では実験も他の人と同様にやらせてもらっている。最初から「こういう人間だからこの仕事」と決めつけることのない社風がありがたい(音声のみ)
- 機械工学科は学生数が多く、優秀な人がたくさんいる中でどうやって差別化するかを考えて、ユニバーサルデザイン関連の資格試験を受けて自分に付加価値を付けた(音声のみ)
- 企業ホームページに障害者雇用のタブがあってもそちらで総合職採用されるのかわからず、直接聞く勇気もなくて不安で、20社ぐらいにエントリーシートを出した(音声のみ)
- 自宅は地元だったが、入学前に通学でバスを2回乗り換えることを伝えたら、寮を使わせてもらえることになった。学内の車道の見通しが悪い所の木も切ってもらった(音声のみ)(NEW)
- 活動は地域に根差した活動をすることがモットーで、定期演奏会などがローカル新聞に掲載され、活動が広がった。学生連盟の理事もして、120人規模の演奏会をした(音声のみ)(NEW)