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インタビュー時年齢:22歳(2019年7月)
障害の内容:肢体不自由(脳性麻痺)
学校と専攻:大学・人間福祉学科(2015年度入学)
九州地方在住の男性。脳性麻痺による肢体不自由で、外では電動車椅子、自宅では手動車椅子で生活している。大学で社会福祉系の学部へ進学したが、大学側からの配慮が十分でなく、授業や実習、学生生活においてとても苦労した。だが、周囲の友人の大きな支えがあって卒業できたのは、とてもありがたかった。現在は社会福祉士の国家試験を目指して、勉強中。
語りの内容
(トイレ介助に関しては、)このヘルパー制度もほんとに大変でしたね。もう利用する学生が私だけじゃないので、なんかもう当事者学生、(他の)車椅子の学生とかぶってしまって、行けないっていうこともありましたね。何だろう。この利用者6人とか数名に対して、ヘルパーさんが1人しかいないので、だから、もうかぶってしまったときはもう行けずに、授業に、我慢をしながら授業を受ける。で、やっぱりもうっていう感じでしたね。
これはちょっと言い続けたんですけども、なかなか叶わなかったんですね。もう2人体制にしてくれっていうことも、言い続けたんですけども、これはちょっと事業所、入ってくださってる事業所の人員的な関係もあってですね、やってもらえなかったですね。
――1人を、お手洗いのタイミングで6、多いときは6人の車椅子の学生とかが、行きたくなったら依頼をする、して呼ぶみたいな形なんですか?
行きたくなったら、もうその近くにいたら呼んで、呼んで、呼んでっていうか、トイレ行きたいですって言ってトイレ連れてってもらって、で…、遠いときは携帯のLINEで呼ぶんですけど、もう私の場合はトイレ行きたいってなったら、もうなんか打ってるのがすごいロスじゃないですか。
もう行きたい状況なのに、打って既読付くまで待たなきゃいけない。その間にどんどん、漏れそうにはなっていくんで、もうだから、私はよっぽどの余裕を持ってのトイレ行きたいなっていうときじゃないと、LINEなんて使わないで、自分で教室抜け出してそのいる場所まで行って、もうやばいです、トイレお願いしますって言ってやったり。
で、あとは、もういなくなった後に(行きたく)なっちゃったら、もう同期生を必死でつかんで行く…。でも、この同期生に頼むことも途中から禁止みたいな感じになってしまって、なんかいきなり途中から、けがさせたら、保険の問題だとか言い始めて、禁止になっちゃってたんですけど。
これも正直、私たち当事者に先にやらないでくれって言われるわけじゃなくて、その私たちと仲良くしてる同期生たちに、強くもう叱咤(しった)みたいな感じで、怒られるみたいな感じで、私たちが知らないところでもうバーって言ってしまって、同期との何だろう、関係も途中からちょっとうまくいかなくなったりとかもして、もう大変でしたね。
ただでさえ、こんなトイレかぶって行けなくてもう大変なのに、私の知らない、なんか私たちの知らないところで言われてしまって、同期が尻拭いしちゃってとか…。
インタビュー23
- 車椅子で日常生活に介助が必要で、将来親がいなくなった後まずいんじゃないかなと思い、自分のために制度のことを知っておいたほうがいいと思った
- 小さい頃から一緒にリハビリなどをしていた車椅子の先輩がその大学にいて、困ったら助けてと言えると思い、その大学を選んだ
- 大学からは、介助をつけて実習に行く人が初めてなので頑張ってと言われてしまい、当時は夜も眠れず、後輩に迷惑がかかると思うと失敗もできないと思っていた
- 健常者の同期生と福祉の就職フェアに行った時、自分だけ利用者向けの説明をされた。どのように現場で仕事をするつもりかと聞かれ、自分は厄介者のお荷物なのだと実感した
- 大学では苦しい経験もたくさんしたが、上級生や友人のおかげで卒業できた。自分のことを気にしてくれる人がいるかどうかで、大学時代が変わってくる
- 大学からの代筆サポートが十分でない時は同期生に依頼するなどしたが、それを職員に咎められた。自分としては人に頼むことも「自立」なのに、おかしいと思った
- トイレ介助に関してもヘルパー制度が十分でなく、他の障害学生とヘルパーを取り合うような形だった。友人に介助を頼むと、その人が職員から怒られてしまうこともあった
- 自分を受け入れてくれた同級生や後輩、上級生などの存在はとても大きかった。大学を辞めたいと思ったときも声をかけてもらうなど、そんな友達に出会えたのは初めてだった