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インタビュー時年齢:28歳(2019年9月)
障害の内容:精神障害(反復性うつ病)、発達障害(自閉症スペクトラム障害)
学校と専攻:大学・法学部(2010年度入学)
関東地方在住の女性。高校の時から、秋冬になると気分が落ち込む症状があった。大学入学後は秋になると大学に行けなくなり、2年生でカウンセリングを受け始めた。3年秋冬の就職活動がうまくいかず、その後大学院在学中に、春夏と秋冬で気分に波が出る「反復性うつ病」と、発達障害の「自閉症スペクトラム障害」と診断された。現在は社会人1年目で、一般企業の障害者雇用枠で働いている。
語りの内容
手帳を取得する段階で、親には伝えました。病院に通っていて、自閉症スペクトラム障害と反復性うつ病っていうふうに診断されたんだよっていうふうに、親には伝えました。
――親御さんはそのときどんな反応でいらしたんですか。
母親はすごく納得していたんですけど、父親は何て言うか、「はあ?」みたいな感じで言ってました。
というのも、まあ何か、うつ病ではないんじゃないかっていうことを、それはただ何か、何て言ったかな、何かちょっとだらけてるだけじゃないかって言ってたのと。
あと父親は教師なんですけど、発達障害の子どもって、見てきているんですね。普通の学校でももちろん発達障害の子いますし、発達障害の子が集まる、特殊支援学校っていうのかな、正式な名前が分からないんですけど、に、いたこともあって、自分は、だからすごく見てきているけど、そういう子たちと比べても、いや、おまえは発達障害ではないと思うっていうふうに言っていて。
あと、発達障害で障害者枠で仕事を探したいって言うけど、発達障害で障害者枠っていうのは、なかなか多分難しいんじゃないかって言っていて。
というのも障害者枠で就職する人は、ほとんどが身体の障害の人で、発達障害とかうつ病で、精神で、就職・採用してもらうってするのは多分難しいんじゃないかっていうことを言っていました。
――ご自身としてはそういうふうに言われたときには、どんなふうに思われたんですか?
いやあ、何と言うか、ちょっとショックでしたし…、うーん、手ごわい相手だなと、思いました。なかなか、すんなり受け入れてはくれないんだなっていうのは思いました。
――今こう診断をされてから、ちょっと時間がたっていると思うんですが、診断された直後、そういう感じだったかなと思うんですが、その後何かご家族との関係で変化とかはありましたか。
その後、うちの父と母と、大学の保健センターにいる、精神科のお医者さんとで、まあ4者面談みたいなのをする機会を設けてもらって。そのときに、精神科のお医者さんのほうから…、まあ説明をしてもらって。
今、父親は身体(障害)の人しか捉えていないんじゃないかっていうふうに思っているっていうことを、父親もそのお医者さんに伝えたんですけど、今はそんなことなくて、わりと精神の人も採用されているんですよっていう話を、お医者さんのほうから聞いて、それで何か父親は安心したらしく、だったら好きなように、やったらいいんじゃないかと、あの障害者雇用でもいいんじゃないかっていうふうに、ちょっと考えが変わったというか、っていう感じでした。
――その後、何か働き始めてからとか、ご家族の方とご自身の生活についてとか、今の仕事についてとか、話をされるようなことは何かありますか。
そうですね。この間9月の頭に実家に帰省したときとかも、ちょっと話はしたんですけれども、割と何か安心しているようで、まあ、頑張ってやっていけたらいいんじゃないみたいな感じでした。
インタビュー32
- 障害者雇用を専門に扱っているエージェントや大学のキャリア支援室等で面接の練習をして、15社くらいにエントリーして、内定をもらえた1社に就職した(音声のみ)
- 就活の際に自分でノートを作って、カウンセリングにかかった時期やうまく行ったこと、行かなかったこと等を整理したことが、会社で配慮をお願いするのに役立った(音声のみ)
- 障害者雇用を勧められ、主治医に診断書を書いてもらい手帳を取得した。診断にも納得し、職場も配慮があり働きやすいが、バリバリ働く同級生との違いを感じたこともあった(音声のみ)
- 学生相談室などに相談できるといい。相談することで、他の資源につながることもあるし、相談することは、自分の障害について理解し、得意不得意を知ることになる(音声のみ)
- 大学のグループワークに参加するまで、自閉症スペクトラム障害について全く知識がなかった。もっと発達障害や精神障害について学べる機会があるといい(音声のみ)
- 学生相談室のほかに、保健センターやキャリア支援室など様々な相談窓口があったが、相互にあまり連携が取れていなかった。お互いが連携を取れるといいと思う(音声のみ)
- 自分は障害者雇用で就活をしたが、大学には障害者雇用に関する知識を持った人が少なく、キャリア支援室も、障害者雇用については知らないことが多いと感じた(音声のみ)
- 初めて一人暮らしをしたときは授業の力配分も分からず、部活や家事などもあって苦労したが、2年生になると手の抜き方もわかってきて生活面は楽になった(音声のみ)
- 当時は自分が発達障害だという意識はなかったが、似たような悩みを持つ人とのグループワークでは自分の悩みも話しやすく、具体的なことを学べたのも良かった(音声のみ)
- 最初に学生相談のカウンセリングに通い始めた時は、男性カウンセラーで話しづらいこともあり、行けなくなった。次の時には、女性のカウンセラーをお願いした(音声のみ)
- 父親は診断名を聞いても「だらけているだけ」と思っていたようだが、その後、大学の保健センターの人から話を聞いて考えが変わり、障害者雇用も理解してくれた(音声のみ)
- 大学を休みがちになっても、実家にいる親にはそのことを言わなかった。心配をかけたくない思いもあり、また出来ない自分を見せたくなかったようにも思う(音声のみ)