英国では、2010/11年度に171名が労働災害で亡くなりました。この数字は過去5年間の平均よりも17%低い値です。(www.hse.gov.uk/statistics/fatals.htm を参照)
危険な、もしくは健康を損なうような職場環境が原因で家族を失った場合、残された遺族にとっては怒りや不満を感じることが多々あります。雇用者側が事故防止対策を未然に講じておくべきだった、雇用者側には正義がない、と感じる方々もいれば、ファミリー・アゲインスト・コーポレート・キラーズ(Families Against Corporate Killers (FACK) )という労災遺族会に参加する方々もおられます。FACKは全国的なネットワークで、防止可能な事故による死者をなくすためのキャンペーン活動や、遺族の法的援助、及び精神的サポートに関する情報提供を行っています。
(参照:www.hazardscampaign.org.uk/fack/ )
2005年、ドロシーの息子、マークは当時働いていた廃棄物処理・リサイクル施設で労働災害により亡くなりました。死亡当日、彼はガスで満たされた4000個の噴霧器を梱包機で処理するよう指示されていました。この作業は、梱包機の設計を無視した目的外使用でした。当初、ドロシーは抑えきれない怒りで我を忘れるほどでしたが、今は何とかその怒りを抑制することができています。(ドロシーの記事 『感情と身体的反応の変化』 を参照)。ドロシーは、集中治療室で親切に対処してくれた医師にはとても感謝しているものの、警察の遺族対応担当官の態度については、非常に無神経であったと感じています。
マイケルの息子、ルイスは、勤め先の自動車修理工場の爆発に巻き込まれて怪我を負い、3日後に亡くなりました。マイケルは悲しみで呆然としました。
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