マーティン
事故当時:41歳
インタビュー時:43歳
主夫(元倉庫管理人)。2子あり。妻のステファニはパートタイマーとしてロリポップレディ(登校時の子供の交通安全・誘導を行う)の仕事中に歩道でバスに轢かれて即死。寡夫として2子を育てている。カウンセリングが支えてくれた。
語りの内容
特に、クリスマスが一番大変ですか?
はい。
それは、ステフが恋しいからですか?
一人でクリスマスを過ごすのは今年で3度目なんですけれど、年が経つにつれて慣れていくというものでもないですね。クリスマスの楽しみはもうありません・・・。以前は1年のうちで特別な日でした。ステフと過ごすクリスマスは大好きだったんです。
親せきの方々とは時々会ったりしますか?
私の方に姉妹が2人いるだけですね。去年は会いませんでした。4日間、娘を連れてスペインに行っていたから。ボクシング・デーの夜もスペインでした。私のわがままだというのは判っていますが、家にいることに耐えられなかったのです。
でかけたことは良かったですか?
はい。すごく楽しい時間を過ごすことができましたね。それと同時にすごく考えさせられる夜でしたね。「俺は今、何をしているんだろう?っていう感じのことですよね。ボクシングデーの夜に飛行機でスペインに行くことなど、本当はしてはいけなかったんですけど、やって良かったと思っています。でも、今年のクリスマスも、まったく待ち遠しくはありません。ステフなしのクリスマスは最初の年と変わらず、今年も辛いものになるでしょう。
お気持ちはお察しします。
娘がクリスマスプレゼントを開ける姿を1人で見ていると、ここにステフがいてくれたらどんなに良いだろう、とそんな思いになるのです。とても辛いです。
インタビュー10
- マーティンの妻は制御不能に陥ったバスにはねられて亡くなった。マーティンが事故現場に到着したのは、彼女が亡くなった直後だった。彼は深いショックを受け、自分の人生は永久に変わってしまったと感じた。
- マーティンは死んだ妻の身元確認を頼まれた。妻の手を取った時には、あまりの冷たさにショックを受けた。
- マーティンは5歳の娘に母親が交通事故で亡くなったのだということを告げなければならなかった。娘は泣いたが、本当に母親は帰ってこないんだと理解するまでに数週間かかった。
- マーティンは妻のステフと過ごすクリスマスが大好きだったが、今はお祝いする気分になれない。去年のボクシング・デー(12月26日;キリスト教の休日) には、スペインへ娘を連れて行き