ウィリアム
事故当時:45歳
インタビュー時:48歳
消防隊の健康・安全アドバイザー。2子(1人は死亡)あり。15歳の娘、ローレンが自動車道路を横断中に大型トラックにはねられ、ほとんど即死だった。娘を守ることができなかった自分に罪悪感と怒りを感じており、いまも深い喪失感を味わっている。
語りの内容
(同じように)親しい人に先立たれた人たちへ送るメッセージはありますか?
そうですね、一つあるとすれば、いろいろな人がいますから、そんな時、心から親切にしてくれる人もいれば、これでも人間かと思うような言動にでる人もいると言うことをわかっていてほしいということでしょうか。3年前に比べれば私も冷静になっていると思いますから、気の利かない人たちから”あれから2週間たったのですから、少しは落ち着いたでしょう。” なんて馬鹿げたことを言われても、この人たちは悪気があって言っているのではなく、ただ、(言われた側がどんな思いをするか)理解していないだけなのだと思えるようになりました。それから、これはどの人にも当てはまる訳ではないのですが、結局、同じように親族と死別した人たちと話をすることは、自分一人だけがこんな思いをしているのではないと言うことを知る上で、大変重要だったと思います。そして、2、3年前に自分と同じような経験をした人と話をすることによって、自分が今立ち向かっているものとは別の、今は予想できないけれども、これから先に自分が直面するだろうと思われる状況を知ることができるんです。怒りの感情、罪の意識、生きている意味が無くなってしまったような無力感、自分が生き地獄にいるような、悪夢の中で余生を送らなければならないような気持ちなどです。ですが、自分の周りには他にも愛する人たちが居ること、その人たちのことも考えなければならないと言うことに気がつくのです。どうして自分がこんな思いをしなければならないのかと哀れに思ってばかりいることのないように気をつけなければいけないと思います。ここで自分を取戻し、”自分のことを必要としている人がいるんだから、立ち上がって前へ進むんだ。”と自分で自分を励ますんですよ。
親しい者との死別については、本で読んだのを覚えています。夫、妻 それに二人の子供の居た家族が、子供を一人事故で失った後、残された家族はそれぞれが、大海原の荒波に浮かぶ小船に乗っているように感じるんです。そしてその波は決して止まないように思える。残念なのは残された3人が同じ一艘の船に乗っていたのではなく、それぞれ別々の船に乗っていたものですから、自分の困難を乗り越えるのに精一杯で、他の家族を助けることができないでいたということです。愛する家族が、それぞれの船に乗っていて、それぞれの苦痛に立ち向かっているときには、その状況をできるだけ早いうちに把握して、お互いを必要としていると気づくことが本当に大切だと私は思います。たとえ自分の家族の中だけの小さなサポートだとしても、自分がパートナーや兄弟や残された子供が立ちあがれるように支えてあげる松葉杖になれるんです。そして自分が立ち上がらなければならない時には家族が松葉杖になってくれるんです。
最悪の状況は、一人で部屋にこもり、自分の一番大切な人たちとのつながりまでもすっかり絶ってしまうことでしょうね。
インタビュー18
- ウィリアムは大きな事故があり道路が通行止めになったことをラジオで知った。家に電話を入れると、そこに居た警察官から病院に向かうよう言われた。病院に着くと、ローレンが亡くなったことを知らされた。
- ウィリアムは後悔と怒りを感じた。娘のローレンは誰かのせいで死んだに違いないと思ったからである。
- ウィリアムは娘ローレンが亡くなった直後に、病院で遺体と対面しました。検死が終わり、死亡の2日後に遺体は葬儀会社により自宅に移されました。ローレンは彼女の部屋で葬儀の日まで
- ウイリアムは親しい人に先立たれた後、大事なことは自分だけで悲しみにふけらないようにすることであり、家族はみんな自分自身の心の痛みに向き合って行かなければならないのだから、