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診断時:49歳
インタビュー時:51歳(2012年5月)
東北地方在住。会社員。現在は一人暮らしで、離れて暮らす子どもがいる。会社の定期健診で受けた便潜血検査で陽性となる。勤め先の社長の強い勧めで内視鏡検査を受けたところ、直腸に早期の大腸がんが見つかった。医師からは運が良かったと言われた。がんと診断されたとき、一番心配したのは治療費のことだったが、補助制度があることを知り、全額払うことなく手術を受けることができた。
語りの内容
だから、あのー、全国の、例えば、所課長会議とか行っても、……変なんですけど、売上の話とか仕事の話…しか出なくて、健康の話は、はっきり言ってゼロですね、ええ。結局、長期休むということがまず、要するに、まあ、何というんですか、駄目というかね、うーん、あまりそういう、そこまではなかなか言いづらい部分もあったですし。例えば、冠婚葬祭にしても、結局都市系は、大体3日くらいで終わるじゃないですか。それ以降は、休むなっていう、やっぱりそういう、規定じゃないんですけども、休みづらい。だから、検査で、例えば何日休むっていうのは、なかなか言いづらい部分はありましたよね、ええ。
―― 結構あのー、大きい病院、あ、ごめんなさい、大きい会社とかだと、あのー、産業医さんとか、まあ、それに近い立場の、ま、スタッフの方がいたりして、その保健指導であるとか、もっと検診受けてくださいとかって、そういう働きかけをしているようなところもあるんですけど、そういうのはなかったですか。
それも、なかったですね、ええ。ただ、……どうなんですかね、わたし辞めてから、あのー、上場しています、まあ店頭公開していますんで、そうなった場合ちょっと、どうなったか分かりませんけども、その前までは、そういうのはない、はっきり言ってなかったですね、ええ。
―― じゃ、一応、健康診断はあるけれども、それを受けて、結果がどうであれ、そのあとどうするかっていうのは、もう各個人に任せられているし。
そうです。
―― あのー、仮に再検査の必要があっても、行ったりとか、いうのも。
そうです、要するに行けともないですし、うん、で、再検査が、要するに、来たのすら言わないですよね、うん。で、言う人は言って行く人もいるんでしょうけども、結局、ま、忙しいからね、それにかまけて、結局ずるずると行かなくなったりね、っていうのが、やっぱり、そういうほうが多いんじゃないですかね、ええ。
インタビュー16
- それまで大腸がんについてはほとんど知識がなかった。がんになれば死ぬんだぐらいにしか思っていなかった
- 勤務先の健康診断に入っていれば負担なく受けられる。普通の企業は実施しているのではないか
- 体調もよかったので、がんの診断は青天の霹靂だった。当初は受けるつもりはなかったが、社長に勧められて精密検査を受けて早期にがんが発見できたのは運がよかったと思う
- 1回の内視鏡で腸の全部は見られなかったが、1週間後に行くとがんだと言われた。早期のがんで命は助かるというので、まず考えたのがお金のことだった
- 会社の健康診断では再検査に行く行かないは個人の判断に任されていた
- 自分はがんになったので精密検査は受けたほうがいいと言えるが、半日はつぶれるので、働いている人にとってそれは苦痛だと思う
- 前に勤めていた会社では、再検査の通知があっても行く/行かないは自己判断という感覚だった。大きい会社になればなるほど健康のことについて話は出ないように思う