インタビュー時:65歳(2013年7月)
女性・関東地方在住。在日韓国人二世である。現在子どもの扶養家族になっており社会保険(共済)で便潜血検査を含む健康診断を受けている。育児に専念した15~6年間は夫の社会保険の主婦検診の対象になっていたものの、受ける余裕はなかった。その後、再就職して便潜血検査を受検した際に陽性になり内視鏡検査を受けたが、その時の心身の不快感は忘れられない。以降内視鏡検査は受けていないが、子どもたちが成人して少し余裕が出てきたので人間ドックに入ることも検討している。
語りの内容
―― はあー……なるほどね、じゃ、その大腸炎のときは、えー、お腹が痛くて出血され、下血されたわけですか。
そうです、下血して。もうこりゃ大変だと思って。それで、あのー、即お医者さんに行ったら、もう「入院」って言われて、ええ、それで、「仕事もしばらくしちゃ駄目」って言われて。もう絶対安静して、1カ月ぐらいはもう全く何もしないで、ただただ休養をとっていましたね。……。
―― それは、その、そのときには内視鏡検査は、し。
するようには言われたんだけど、そのあとで、しなかったんです。その、あの、下剤を飲んでまたやるっていうのがもうとっても苦になって。ほんとは「しなさい」って言われたんですね。だけど、しなかったんですね。だけど、今年はしようと思っています。
―― あ、なるほど。それは、どうしてですか。やっぱり、ちょっと、下血されたんですか。
4年経っているので、もうしなきゃと思って。
―― ああー、そうか、じゃ、その大腸炎の、じゃ、診断は、内視鏡検査をして、ここに腫瘍があるということで診断されたのではなくて、もう症状から。
そうです、もう症状から「そうだ」って言われて。最終的に、その大きな病院で、あのー、「大腸炎の検査をね、あのー、するよ」って、「それで終わりです」って、「結果見て終わりにしましょう」って言われたのに、それに予約までしたのに行かなかったんですね。
―― ああー。
どうにも、あの、大腸、やっぱり、大腸、あ、何でしたっけ。
―― 内視鏡検査。
内視鏡検査、うーん、下剤飲んで、また、あのー、おなか痛くなってって。
―― ああ、…なるほど。
そう。
―― でも、それをまあ、キャンセル、要するにキャンセルされたわけですかね。でも、そのあとは、じゃ、もう、ご自身の食生活を改善したり、いろんな努力で。
だから、それをけったからね、余計にやんなきゃって(笑)、何だか律儀に。
―― 確かにね。
そう、一生懸命、自分のできることはやって。検査は避けたいなみたいな。でも、ことしは、ほんとに、検診の案内がきたからね、あ、ことしはちゃんと、検査を受けようと思いました。
インタビュー34
- 職場復帰をきっかけに便潜血検査を受けてひっかかり内視鏡検査を受けたが、痔による出血だったようだ(テキストのみ)
- 4人の子どもを育てている間、健診に行くことは不可能だった。在日韓国人への差別がある中で、病院に行ったり、子どもを誰かに預けることにも抵抗があった(テキストのみ)
- 内視鏡検査を受けるために、下剤をたくさん飲んだり、長い時間をかけてトイレに行かなければならないとは知らなかった(テキストのみ)
- 大腸炎と診断されて内視鏡検査を受けるように言われたが、以前に大腸がん検診の精密検査で受けたときの辛い経験からけってしまった(テキストのみ)
- 子育て期間15~6年は健診を受けられず、一番下の子どもが中学に入って職場復帰してから健診を受け始めた。その間出血があったが痔だと思って気にしなかった(テキストのみ)