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診断時:46歳
インタビュー時:52歳(2012年3月)
関西地方在住。会社の補助で受けている人間ドックで潜血反応が陽性と出て、内視鏡検査をしたところ、S字(S状)結腸に悪性と思われるポリープが見つかり、その場で切除した。調べてみたら、案の定がんであることがわかった。先天性の弱視で40歳半ばに全盲になったが、その直後にがんが見つかり、まさにダブルパンチだった。しかし、それを機にスポーツを始め、現在ではトライアスロンに参加する盲人アスリートとしても活躍している。
語りの内容
―― その間の、あのー、待たれてる間のお気持ちっていうんですかね、それはどういうものがあったんですか?
そうですね。あのー、まぁ、まず、専門医のクリニックでしたから、「もう、形からして悪性だと思いますんで」ということを言われてましたから、実際、結果が来た時もですね、ああ、やはりそうだったのかと。あの、痔だと思って受診したのがですね、悪性。まぁ、それを聞いた時には、やっぱり、あの、まぁ、見えなくなっても死なないですけれどもね、やっぱり、がんということを聞くとですね、やっぱり、少し、死ということをね、考えてしまいましたね。はい。
僕の場合、本当に早期の発見でしたんで、そういう、あの、仕事に関する影響もほとんどなかったですね。ただ、あのー、気持ち的には、あのー、先ほど言った、死をちょっと、考えることになったということで。いつ、死ぬかもわからないなというね。やり残してしまうようなこと、あとに回してるようなことを、あの、できる時にやっておこうという風に気持ちが変わりましてですね。それで、あのー、マラソンとかですね、あのー、身体に良いこと、そういうのを始めるきっかけにはなりましたね。はい。
見えなくなって失明して、えー、2、3年で、今度はがんだと言われたんで、まぁ、ダブルパンチのような感じでしたけどね。でも、開き直りましたね。
―― ああ、そうですか。
もう、これ以上、悪くなることないだろうと。それだったら、いつ死んでもいいように、やりたいことをやろうというようにね、こう、開き直りましたね。はい。
インタビュー12
- 妻の父親は、精密検査を受けて異常がなかったのに、翌年大腸がんで亡くなった。一概に人間ドックさえ受ければすべて見つかるとは限らない
- 視覚障害はあるが、便は自分で取る。少しはみ出すこともあるが特に困ったりしたことはない
- 自分は検診で大腸がんを早く発見したおかけで日常生活が支障なく送れているし、父の場合も内視鏡手術でがんを取り除くことができた
- 内視鏡検査をしてポリープが見つかったらその場で切除していいかどうかなどの説明があり、同意して検査を受けることにした
- 1週間ほど前から色々な食事制限があり、前々日からはクリニックから検査食が送られてきた
- 内視鏡検査ではポリープが三つみつかったが、検査と同時に電気メスで切除したため、開腹手術は行わなかった
- ポリープがあったので切除したという説明があった。ポリープについては悪性だと思われるが詳しい検査をすると言われ、2週間後にがんという診断結果を聞いた
- 目が見えなくても死にはしないが、がんと聞くとやはり死を意識せざるをえない。これをきっかけにやれることはできるうちにやっておこうと思い、マラソンを始めた
- 視覚障害者のため、血便が出ているかどうか確認できない。そこで痔なのか、それとも他に悪いものがあるのかはっきりしたいと思い精密検査を受けた
- 便潜血検査で陽性反応が出たが、40代と若かったし、痔のせいと考え精密検査は受けなかった。しかし、翌年の人間ドックでも陽性反応が出たため、このときは精密検査を受診した