診断時:52歳
インタビュー時:53歳(2012年1月・3月)
首都圏在住。2004年頃から職場の人間ドックを受け始めた。検査項目の中に便潜血検査が入っていたのでそれ以来検査を継続してきたが、2010年に初めて結果が陽性になった。その後検査を専門とする病院で内視鏡検査を受けてがんの可能性が高いと言われ、紹介状を持って訪れた大学病院で確定診断を受けた。発見が早かったため、がんはまだ小さく快復が早かったのは運が良かったと思う。
プロフィール詳細
木下さん(仮名)は首都圏在住の会社員である。2004年から受け始めた職場の人間ドックには便潜血検査が入っているので、大腸がん検診も毎年受けている。便秘気味ではあったが太い便が出ていたので、まさか大腸がんにかかるとは思ってもみなかった。一般的に言われる大腸がんの症状、例えば便が細くなる、下痢と便秘を繰り返すということは直腸がんやS字結腸のがんなど、肛門に近い部位の症状であることを知ったのは、がんにかかってからだ。だから、便潜血検査で陽性となり、内視鏡検査を受けて大腸がんではないかと言われたときにはとても驚いた。
大腸内視鏡検査は自分で探した検診を専門にする病院で受けた。内視鏡検査のリスクはインターネットで病院を探すときに色々調べたので知っていた。検査は痛みもあるが下剤を2リットルも飲まなくてはいけないのが辛かった。レベル5、つまり悪性と判定された。開腹手術が必要だと言われ、紹介状を持って、職場近くの大学病院に行った。大学病院では、CT検査でリンパ節に転移があるかどうか調べ、注腸検査も受けた。幸い転移はなく、注腸検査では上行結腸にがんがあることがわかった。がんは2cmのポリープの上に1cmほどの大きさでできており、ごく初期の状態で発見された。上行結腸は腹壁にくっついているので、がんの部分だけを切るのではなく上行結腸全てを切る、つまり盲腸と横行結腸をつなぐ手術が必要だと聞いた。結局、手術は腹腔鏡手術で行った。以前から腫れていると指摘されていた卵巣と、胆石のある胆のうも一緒に手術した。計5時間かかった。術後は、麻酔が合わなくて辛かったり、腹腔鏡を入れたお臍の周囲から出血したりとトラブルもあったが、術後の抗がん剤治療などは一切なく、入院も10日と短かった。退院してから10日ほど休んで、仕事に復帰したので、結局仕事を休んだのは3週間くらいだったと思う。費用も安く済んだ。これも、検診を受け、早期にがんが発見できたおかけだと思っている。知り合いにも検診を受けることを勧めている。
手術後のケアは、大腸がんのガイドラインに沿って適切に行われていると思う。ガイドラインはインターネットで調べて知った。大学では薬学を学び薬剤師の資格ももっているので、専門的な文書を読むのにそれほど抵抗はない。ガイドラインで示されたことをやっていなければ、医師に質問をするだろうが、今のところ大丈夫だ。だが、手術の後の痛みは長く続く。術後1年たった今でも、伸びをすると手術したところは痛いし、お腹がすき過ぎると腸が痛くなる。このあたりは医療者にはわからないかもしれない。
2011年術後1年たった検査でポリープが見つかった。6~7ミリの大きさになっていたが、手術の前後の検査では見つからなかったので、大腸内視鏡検査も完ぺきではないとは思っている。だが、術後の定期的なCT検査や腫瘍マーカーなどで他の臓器のがんのチェックもできているし、食生活にも気をつけるようになったのは一病息災だろう。
大腸内視鏡検査は自分で探した検診を専門にする病院で受けた。内視鏡検査のリスクはインターネットで病院を探すときに色々調べたので知っていた。検査は痛みもあるが下剤を2リットルも飲まなくてはいけないのが辛かった。レベル5、つまり悪性と判定された。開腹手術が必要だと言われ、紹介状を持って、職場近くの大学病院に行った。大学病院では、CT検査でリンパ節に転移があるかどうか調べ、注腸検査も受けた。幸い転移はなく、注腸検査では上行結腸にがんがあることがわかった。がんは2cmのポリープの上に1cmほどの大きさでできており、ごく初期の状態で発見された。上行結腸は腹壁にくっついているので、がんの部分だけを切るのではなく上行結腸全てを切る、つまり盲腸と横行結腸をつなぐ手術が必要だと聞いた。結局、手術は腹腔鏡手術で行った。以前から腫れていると指摘されていた卵巣と、胆石のある胆のうも一緒に手術した。計5時間かかった。術後は、麻酔が合わなくて辛かったり、腹腔鏡を入れたお臍の周囲から出血したりとトラブルもあったが、術後の抗がん剤治療などは一切なく、入院も10日と短かった。退院してから10日ほど休んで、仕事に復帰したので、結局仕事を休んだのは3週間くらいだったと思う。費用も安く済んだ。これも、検診を受け、早期にがんが発見できたおかけだと思っている。知り合いにも検診を受けることを勧めている。
手術後のケアは、大腸がんのガイドラインに沿って適切に行われていると思う。ガイドラインはインターネットで調べて知った。大学では薬学を学び薬剤師の資格ももっているので、専門的な文書を読むのにそれほど抵抗はない。ガイドラインで示されたことをやっていなければ、医師に質問をするだろうが、今のところ大丈夫だ。だが、手術の後の痛みは長く続く。術後1年たった今でも、伸びをすると手術したところは痛いし、お腹がすき過ぎると腸が痛くなる。このあたりは医療者にはわからないかもしれない。
2011年術後1年たった検査でポリープが見つかった。6~7ミリの大きさになっていたが、手術の前後の検査では見つからなかったので、大腸内視鏡検査も完ぺきではないとは思っている。だが、術後の定期的なCT検査や腫瘍マーカーなどで他の臓器のがんのチェックもできているし、食生活にも気をつけるようになったのは一病息災だろう。
インタビュー07
- いろんなブログを見て情報収集しようと思ったが、ほとんどが直腸がんかS状結腸のがんについてのブログで、上行結腸のブログはひとつも見つからなかった
- 便潜血検査で陽性になったのは痔からの出血のせいらしい。上行結腸のがんでは出血があっても途中で吸収されて潜血反応が出ないので、すごくラッキーだったと思う
- 術後1周年の内視鏡検査の際に横行結腸に6-7ミリのポリープが見つかった。1年前にも2か所の病院で内視鏡検査をしていたが、その時には見つからなかった
- 早期に発見したおかげでダメージが少なく医療費も安く済んだ。周囲にも受けるように勧めているが、受けるかどうかは自己責任だと思う
- 最初に内視鏡検査を受けた施設では、三日前から食事制限があり、肉やきのこといった繊維質のものは食べないように言われた
- 検査で一番つらいのはおいしくない下剤を2リットルも飲まなければならないことだ
- S状結腸はくねくね曲がっているので内視鏡を入れるのが大変らしい。腸に空気を入れて膨らますので多少の痛みはある
- 内視鏡はカメラが進んでいくだけなので、病変がどこにあるかがわかりにくいが、注腸検査ではその場所や広がりがどうなっているかわかる
- 注腸検査は肛門から空気を入れ、横になったり、斜めになったり、検査スタッフが二人がかりで体の向きを変えるなどして大変だった
- 内視鏡専門の病院で精密検査を受けたところ、早期だが悪性の可能性が高いと言われた。自分は至って元気で、人間ドックの他の検査項目も正常だったので、信じられなかった
- 早期がんだったので腹腔鏡手術で済んだが、ポリープからがんになるには時間がかかるので、もっと早い段階で内視鏡検査を受けていればがんにならずに済んだかもしれない
- 便潜血検査で陽性反応が出れば内視鏡検査を受けるというのが方程式のようにあった