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診断時:45歳
インタビュー時:49歳(2012年11月)
首都圏在住。病気になるまではピアノ講師をしていた。2007年に受けた検診で便潜血検査が陽性になり、また刺激物を摂ると下痢をするようになったが、市販薬を飲むと治まるので2年ほど飲み続けていた。その後下血をきっかけに受けた内視鏡検査で直腸がんと診断された。内視鏡下の手術で切除できたが、その2年後にリンパ節、肝臓、肺への転移がわかった。抗がん剤治療を受けてきたが、副作用が強いため現在は休薬中である。
語りの内容
―― お医者さんが、まあ「大きなポリープですよ」って言われたって、そのときの様子っていうか、実際にご覧になりましたかね?
いえ。見せていただいてないです。
―― 画面見たってこともないです?
画面、見ました、見ました。あの、最中にですね。
―― 最中の。
最中に画面が出てたので、見ました。
―― 撮られていたと思うんですけど。
うん。「あ、やだわ」って思いました。
―― 分かりました? それを見て、「あ、これだ」っていう。
あ、分かりました。分かりました。分かるぐらいちゃんと大きくありました。うん。でも、全体は見えてなかったんです。曲がってるし、大きいしで。あの、一部分しか見えてなかったですけど。
―― もう明らかにやっぱり、その、腸に何かが、こう、できてるっていう。
はい、はい。
―― 何センチとかって言われました?
7×9センチ。大きかったですよね。
―― それお聞きになってどう思われました?
どう思われました?
―― うん。やっぱり大きいなと。
あ、そう、そうですね。そんなに育てちゃったのかしら。
―― 7×9ってかなりやっぱり大きいですね。
そうですよね。
―― これぐらいかな。うん。と、それがまあ、直腸の、しかも入口に近いところにあった。
あ、ポリープ全体が7×9で、で、がんはその中のちょっと、ちょっとちっちゃい、1センチとか2センチとかっておっしゃってたと思うんですけど。
―― あ、なるほど。
うん。がん自体はね。うん。
インタビュー25
- 便潜血検査で陽性になって近くのクリニックに行ったが、市販の整腸剤を飲めば調子が良いと伝えたら、そのまま飲んでいて大丈夫と言われ二次検診(精密検査)を促されなかった
- 最初に内視鏡検査をされたときは痛かったので、二回目からは眠らせてもらうようにしたら、何も苦痛を感じなかった
- 検査の最中に「大きなポリープですよ」と言われて、画面で見たら、全体は見えなかったが、わかるくらい大きくて「やだわ」と思った
- 精密検査を受けたくなかったのは、病気の心配よりも嫌だという気持ちの方が強かった。男性の医師をイメージしていたので、女性の医師を探して受診した
- 便潜血検査で陽性になったが、子どもが受験を控えていたこともあり、落ち着いてから精密検査を受ければいいと思っていた
- 男性の医師に診察されるのは恥ずかしかったので、女医がいる肛門科をネットで探して受診した
- 直腸にがんがあり、外科手術をすると人工肛門になる可能性が高いと言われた。それは嫌だということで、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で手術を受けた
- リンパの手術をした後、肝臓と肺に転移が見つかり、抗がん剤治療を始めた。副作用がひどくなんども薬を変えたがだめで、今は止めている