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診断時:52歳
インタビュー時:53歳(2012年1月・3月)
首都圏在住。2004年頃から職場の人間ドックを受け始めた。検査項目の中に便潜血検査が入っていたのでそれ以来検査を継続してきたが、2010年に初めて結果が陽性になった。その後検査を専門とする病院で内視鏡検査を受けてがんの可能性が高いと言われ、紹介状を持って訪れた大学病院で確定診断を受けた。発見が早かったため、がんはまだ小さく快復が早かったのは運が良かったと思う。
語りの内容
―― あともう一つね、教えていただきたいと思ったのは、その注腸検査をするのは、がんの場所を、その、同定するのに注腸検査をした。つまり、内視鏡ではどこにあるかは分からないっていうことですよね。
そうですね。だから、あの、たぶん直腸とかS状結腸とか、下行結腸ぐらいまでだったら分かると思うんですね。ただ、それより奥になると…(わかりにくい)。たぶん上行結腸の下のほう、盲腸の付近だったら、最後の所なので、それも分かると思うんですよ。ただ、私の場合は、横行結腸なのか上行結腸なのかちょっと分かりにくい(ところにあった)。だから、あのー、ぐにゃぐにゃこう、内視鏡は進んでいくだけなので、今どこにあるかって分かんないんですよね。だから場所的に、あのー、分からないし。あと、注腸が必要なのは、外から見てどれぐらい…。特に内視鏡だけだったら、ひだひだの中に隠れてるときあるんですよね。だから、あの、全部、膨らませることがたぶんできないと思うので、注腸してレントゲン撮って外から見て、どれぐらい広がっているかというのを見られた…見られるんじゃないかなと。何か、あの、写真を、エックス線の写真というか注腸の写真見て、「ふーん、こんなになっているのか」という感じで分かりました。
―― じゃ、やっぱり全然、その、得られる情報が違うわけですよね。
違います。はい。だから、あのー、注腸だと大きさは分かるんですけど、例えば内視鏡みたいに、あの、細胞を取るとか、例えば根っこがあるポリープだったら根っこから切るとか、そういうのはもうやっぱり内視鏡じゃないとできないので。
インタビュー07
- いろんなブログを見て情報収集しようと思ったが、ほとんどが直腸がんかS状結腸のがんについてのブログで、上行結腸のブログはひとつも見つからなかった
- 便潜血検査で陽性になったのは痔からの出血のせいらしい。上行結腸のがんでは出血があっても途中で吸収されて潜血反応が出ないので、すごくラッキーだったと思う
- 術後1周年の内視鏡検査の際に横行結腸に6-7ミリのポリープが見つかった。1年前にも2か所の病院で内視鏡検査をしていたが、その時には見つからなかった
- 早期に発見したおかげでダメージが少なく医療費も安く済んだ。周囲にも受けるように勧めているが、受けるかどうかは自己責任だと思う
- 最初に内視鏡検査を受けた施設では、三日前から食事制限があり、肉やきのこといった繊維質のものは食べないように言われた
- 検査で一番つらいのはおいしくない下剤を2リットルも飲まなければならないことだ
- S状結腸はくねくね曲がっているので内視鏡を入れるのが大変らしい。腸に空気を入れて膨らますので多少の痛みはある
- 内視鏡はカメラが進んでいくだけなので、病変がどこにあるかがわかりにくいが、注腸検査ではその場所や広がりがどうなっているかわかる
- 注腸検査は肛門から空気を入れ、横になったり、斜めになったり、検査スタッフが二人がかりで体の向きを変えるなどして大変だった
- 内視鏡専門の病院で精密検査を受けたところ、早期だが悪性の可能性が高いと言われた。自分は至って元気で、人間ドックの他の検査項目も正常だったので、信じられなかった
- 早期がんだったので腹腔鏡手術で済んだが、ポリープからがんになるには時間がかかるので、もっと早い段階で内視鏡検査を受けていればがんにならずに済んだかもしれない
- 便潜血検査で陽性反応が出れば内視鏡検査を受けるというのが方程式のようにあった