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診断時:71歳
インタビュー時:72歳(2012年4月)
東北地方在住。自営業を営んできて、これまできちんと健康診断を受けたことはない。がん検診も受けておらず、2011年に高血圧が心配で病院で血圧を測ってもらったついでに受けた血液検査で貧血がわかった。体内からの出血が疑われたため、便潜血検査をしたところ陽性となり、大腸内視鏡検査を受けてS字結腸のがんがわかった。開腹手術の後抗がん剤治療に入ったが、肝炎になったため中止し、現在に快復して落ち着いた生活を送っている。
語りの内容
でも、あのー、…その前に先生が、ちょっとちらっと気になることをおっしゃったのは、あのー、全部取りきっているんですけれど、そのー、「万が一、そのね、転移が、血液とかリンパに行っている場合があるので、抗がん剤を使用させていただきます」って言われたのが、入院、手術後の2週間後でしたから。そのときには、自分で、ええっ!ていう、ね。もう取りきったということで、わたしはすぐ退院できるもんと思っていましたから。
…そしたら、何か、2週間また延ばされまして、それで、抗がん剤飲みはじめたらね、この抗がん剤が、わたしの体に合わなかった。すごくね、もうひどい、何ていうんでしょう、倦怠感と、あと食欲不振と、あと、とにかく、…そうですね、トイレに立って行く、その歩くのすら疲れる。…で、何だこれはっていう感じでしたから、で、血液検査しましたら、あの、肝臓をやられていた。……で、それが、急性肝炎だった…劇症肝炎ですか、そのぐらいの、指数だったそうです。
わたしは、あの、嫁に全部データを送るんで、嫁が判断してくれるんですけど、「あららららっ」ていうね、数値がね、「悪いね」っていうことで。で、もう、すぐ、それが分かってから、あのー、肝臓の、ま、…薬を飲まされまして、それから、…めきめきと、1週間ぐらいで元どおりにっていうか、あのー、嫌な、そういう感覚が消えてって、そんで、その間は、もうその抗がん剤は止めていただいて、そして、ずうっともう飲まないで、しばらく様子みましょうっていうことで、飲まなかったら完全に治ったんですよ。治ったていうか、その肝臓のほうがね、正常に戻ったので。それで、先生が、「やっぱり、この抗がん剤のせいだな」っておっしゃって、それで、抗がん剤は、ストップ、今、しているんです、現在。
ですから、あの、抗がん剤を飲んでいないので、いつ、その、ね、再発するかっていうのが一番怖いっていえば怖いんですけれど。で、月1回ずつ検査していますけど、今、血液検査と両方ね、していますけれど、あの、とても今快調なので。
インタビュー13
- 年齢が上がってきて家族にも心配されるようになったが、自分だけは大丈夫だという気持ちがあった。何か病気はあるかもしれないと思っていたが、まさかがんになるとは思いもしなかった
- 内視鏡検査の後は、他に転移がないかをCT検査で調べ、血液検査(腫瘍マーカー)も受けて、局所的ながんと分かって手術に踏み切った
- 自覚症状は全くなく、「健康そのもの」と思っていた。たまたま受けた血液検査をきっかけに、がんが降ってわいたようにみつかった
- 内視鏡検査がとても怖かった。医者をやっている義理の娘から、「とっても上手な先生よ」と言われ、覚悟を決めて検査を受けた
- 大腸がんは70年の人生で想定外の出来事だった。自分の健康を過信せず、せめて血液検査くらいは受けておくほうがいい
- 検診車が来ていた頃は受けたこともあったが、自営業で毎日忙しかったので、積極的に受けてこなかった。元気だけが取り柄だった
- 抗がん剤が体に合わず、倦怠感と食欲不振に苦しんだ。トイレに行くのすら疲れるほどの状態だった。結局、抗がん剤をやめたところ、肝臓の方が回復し、体調も戻った