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診断時:45歳
インタビュー時:49歳(2012年11月)
首都圏在住。病気になるまではピアノ講師をしていた。2007年に受けた検診で便潜血検査が陽性になり、また刺激物を摂ると下痢をするようになったが、市販薬を飲むと治まるので2年ほど飲み続けていた。その後下血をきっかけに受けた内視鏡検査で直腸がんと診断された。内視鏡下の手術で切除できたが、その2年後にリンパ節、肝臓、肺への転移がわかった。抗がん剤治療を受けてきたが、副作用が強いため現在は休薬中である。
語りの内容
2011年にそのリンパを手術しますよね。で、その手術をした2週間後か何かに、「今まで撮ってたC…あのCD、CT、CTよりも細かいスライスでちょっと撮らせて」っていうふうに先生おっしゃって、で、そしたら肝臓と肺に転移が見つかっちゃったんですね。
―― それまでも一応撮ってたけども。
ええ、写らなかったんです。全く写ってなくて、で、手術した後に、あの、2週間後ぐらいだったと思うんですけど、先生から伝えられて、で、それから、もう抗がん剤治療が始まりました。
―― ああ、そうですか。
はい。
―― 抗がん剤はどういったお薬使ってますか?
えーと、フォルフィリ(FORFIRI)っていう薬が私に合うらしいんですが、…4回受けたところで、もう毎回足がつってたんですね。で、回数を重ねるごとにつる場所が増えていって、で、4回目はもう全身がつっちゃって、過呼吸になっちゃってパニックになっちゃったんです。で、あの、そのフォルフィリは続けられないということで、フォルフォックス(FORFOX)に変えていただいたんです。
で、フォルフォックスを3週間にいっぺんっていう形で点滴受けまして、何回受けたかな。フォルフィリを4回受けて、フォルフォックスを12回受けたところで、あの…手足症候群って言うんですけど、手や足がしびれたりとか痛くなったりするんですが、それがちょっとだんだんひどくなってきて、「もう、嫌だわ」っていう感じで先生に言いまして、で、「飲み薬にできないですか?」っていうことに、先生に伺いまして、で、ゼローダっていう飲み薬の経口抗がん剤に変えていただいたんですが、それまた手足症候群がひどいんです。で、ワンクール飲み終えて、ツークール目の半分飲んだところで、足の裏が赤く腫れてしまって、夕方になると歩けないぐらい痛くなっちゃったんですね。
で、それを先生にお見せしたら、「あ、これは痛そうだね。ちょっと薬、休もうかな」っていうことで、今はちょっと休んでます。はい。
―― 抗がん剤打ってる間の、点滴ですかね?
うん。
―― してる間は、その、手足症候群のほかに何か不都合なこととかありますかね?
もうとにかくだるくて、何もする気がしなくって、頭もジリジリしますし、当然髪の毛も薄くなってすごく抜けましたし。あと、食べ物の味が分からなくなっちゃうんですね。痩せちゃうから食べなくちゃとは思うんですけど、何を食べても、口に入れると味がしなくって、こう、お腹がいっぱいになると、今度、胸に何かつかえているような、何かテニスボールがつかえているような感じがしてて、で、こう、何か化学物質臭いんですね、自分が(笑)。
―― ああ。何かこう、異物を入れてる、良からぬものを入れてる。
そう。何か、ビニール袋か何か詰まってるような感じがしてました。
インタビュー25
- 便潜血検査で陽性になって近くのクリニックに行ったが、市販の整腸剤を飲めば調子が良いと伝えたら、そのまま飲んでいて大丈夫と言われ二次検診(精密検査)を促されなかった
- 最初に内視鏡検査をされたときは痛かったので、二回目からは眠らせてもらうようにしたら、何も苦痛を感じなかった
- 検査の最中に「大きなポリープですよ」と言われて、画面で見たら、全体は見えなかったが、わかるくらい大きくて「やだわ」と思った
- 精密検査を受けたくなかったのは、病気の心配よりも嫌だという気持ちの方が強かった。男性の医師をイメージしていたので、女性の医師を探して受診した
- 便潜血検査で陽性になったが、子どもが受験を控えていたこともあり、落ち着いてから精密検査を受ければいいと思っていた
- 男性の医師に診察されるのは恥ずかしかったので、女医がいる肛門科をネットで探して受診した
- 直腸にがんがあり、外科手術をすると人工肛門になる可能性が高いと言われた。それは嫌だということで、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で手術を受けた
- リンパの手術をした後、肝臓と肺に転移が見つかり、抗がん剤治療を始めた。副作用がひどくなんども薬を変えたがだめで、今は止めている