ペニー
インタビュー時:47歳
性別:女性
診断時:37歳
経歴:既婚、研修生教育担当マネージャー
国籍:イギリス人(白人)
短縮版:2000年、ペニーが37歳の時に、乳癌であると診断された。主な治療経歴は、乳房切除、放射線治療、抗癌剤としてタモキシフェン、アリミデックスを服用。その他、卵巣摘出も行っている。以後10年間、再発もなく過ごしている。
語りの内容
タモキシフェンの服用に関して、私はおそらくかなりの身体の倦怠感を感じていました。おそらく、と申し上げたのは、私自身、更年期の症状が出始める年齢だったこともあり、それが更年期による身体のほてりなのか、タモキシフェンによるものなのか、よく分からなかったのです。もしくは、更年期症状と副作用のダブルパンチだったのかもしれません。しかし、実際にほてりはありましたし、その症状はまだ続いています。もちろん、卵巣の摘出を行うことで更に身体のほてりなどの更年期症状がでるだろうとの説明は受けていました。本当にすぐ、その症状は出てきました。それから他には、骨の痛みや、腕や脚の痛みもその時感じていた症状です。こういった症状のことが少し心配だったので、いくつか検査を受けてみましたが、特に異常は見当たりませんでした。
アリミデックスについてですが、私個人の意見としては、こちらの薬の方がよかったと思います。ええ、身体のほてりはあるのですが、これは更年期の症状のようです。更年期症状にみられる膣の乾燥がありますが、これもまた、アリミデックスによる副作用なのか、更年期によるものなのか、はっきりとは言えません。しかし、全体的に言えば、私には目立った副作用は見られませんでしたので、恵まれているほうなのだと思います。私の友人には、ひどい頭痛に悩まされたり、ほんとうにひどい症状の方がいらっしゃいます。私に関しては、そのようなひどい症状なんかは思い当たりませんから。私の場合は、身体のほてりや体型、体重の増加ぐらいですから。
乳癌だと診断された当時、私はとても痩せていて、10サイズを着用していましたが、今では、トップスが14サイズ、ボトムスは12サイズを着るようになりました。お腹とお尻を動かすのが、とても困難です。これもまた、副作用と言えるかもしれません。ですが、私自身は副作用と更年期によるものだと思っています。だから、アリミデックスの服用を止めたら、どのように感じるのか、とても興味深く思っているのです。
それで、来週分かるのですね?
ええ、来週です。
アリミデックスの服用を止めることについて、どのように感じていらっしゃいますか?
とても興味深いと思いませんか? 約二年前、私が服用を止めようとしていた時、そのことが正しい判断なのか、自信がありませんでした。アリミデックスは、私の命綱のようなものだと思っていたので。しかし、私は、今まで考え抜き、そして自分自身との葛藤を乗り越えて、現実と向き合ってきました。10年間という月日は、自分自身にとって、とても大切な軌跡です。そして、もし何か間違っていたのなら、これまでにうまくいかなくなっていたことでしょう。私達は、アリミデックスが良い効果をもたらすのか、そうでないのか、そのことはまだ分からないと思います。もしかしたら、私の症状が悪化するかもしれませんが、今の段階では何とも申し上げられないのです。
今は、服用を止めることが良いニュースであったらいいなと、運命に身をゆだねたような気持ちです。それから、少しでも体重が落ちたらいいなと思っています。どうなるか分かりませんけどね。身体のほてりも緩和されるかもしれませんね。もしかしたら、私自身、何の変化も感じられないかもしれません。ですが、今、私はとても前向きな気持ちでいるんです。私は自分自身で乗り越えてきましたから。ええ、10年間もです。だから、これは私の人生の軌跡のようなものかもしれませんね。
インタビュー52
- ペニーさんがまだ病院にいた頃、彼女は乳房切除痕をご主人と一緒に見たという。
- ペニーさんは家族に随分支えられたと言う。彼女は、家族たちにも乳房切除痕を見せた。手術前と何も変わらない同じ人間なのだということを分かってほしかったという。
- ペニーさんは、乳房切除の後まもなく休暇に出かけた。彼女は、乳房切除を受けた人の為の服を探し出し、水着などを買わなければいけなかったが、なにより値段が高いと思った。また、この何年かでデザインも素敵になったと思っている。
- ペニーさんが手術を受けた10年前と比べて、乳房切除を行った女性のための衣類は非常に増えたと彼女は感じている。
- ペニーさんは、自分の楽しみの時間を前より持つようになった。彼女は、勉強をしたり、サックスのレッスンを受けたりしている。彼女は、ファッションショーにまで参加している。
- ペニーさんは、世の中の女性たちに対し、このようにアドバイスしている。診察を受けるときは、誰かと一緒に行ってください。そして、どうか焦らないでください。
- ペニーさんのご主人は、ほぼ毎晩、彼女の乳房切除痕をマッサージしている。性行為は早期の更年期の為に変わった。彼は終始協力的に彼女に接しているという。
- ペニーは、5年間のタモキシフェンの服用の後、アリミデックスの服用を始めてから現在まで、ほぼ5年が経とうとしているが、もうすぐその服用を止めていいかどうかが分かるということです。
- ペニーは、自分の症状が更年期によるものか、タモキシフェンやアリミデックスの副作用によるものか彼女自身分かりませんでした。次の診察の時に、アリミデックスの服用を止められるかどうかが分かるというのです。
- ペニーさんは、乳がん再発の可能性を少しでも低減するために、卵巣摘出という選択をしました。彼女とご主人は、既に子供を持たないことを決断していたそうです。
- ペニーさんは、病院で卵巣を摘出した時のことを詳しく語ってくれました。少し痛みと不快感がありましたが、翌日には退院しました。