語りの内容
初めて母に私が乳がんに冒されている事を告げたとき、母は泣き崩れてしまいました。それはきっと、彼女の罪悪感からきたものだと思います。彼女が私について行ってやれなかった事もあるでしょうが。そして、もしこの病気が遺伝的理由によるものならば、母は自分の方が先だと考えたと思います。私の祖母も曾祖母も乳がんを患っていたから、明らかに次は自分だと。一世代乗り越してしまったようですね。自分がガンに罹るべきだったと感じていました。私は母に「ねえ、そんなこといえないわ、私が乳ガンになってしまったのが遺伝子のせいかどうかはっきりしていないのだから」といいました。
誰を責めるべき人がいるかどうか分からないし、誰の責任でもないのだから私は誰も責めないのは確かです。どうにもならないことだし、乳がんにかかったからには、もうそれに対処していくしかないのです。
おそらくそう考えることが母を少しは落ち着かせたと思います。