語りの内容
(乳がんと診断されることを)まったく予期していなかった事だったので、すごくショックでした。私はただ死んだように固まって、どうしたら良いか分からずにいました。私はひとりぼっちで、医師達は私を小さな部屋に一人残してオフィスに行ってしまいました。そのとき初めて泣き崩れてしまいました。現実が私を襲った瞬間だったのです。
それからは、色々な思いが頭をめぐりました、発症してどのくらい経っているのだろう、それが最初の疑問でした。もう末期なのだろうか。どのくらいの希望が残されているのだろう。そういう事ばかり考えていました。
皆たぶん、そういう風に考えると思います、私にとってはそれがすごくショックな事だったのです、まだ若いし、ずっと健康だったのですから。家族の中で喫煙している人は私だけではありません。お酒を週末には楽しむけど浴びるように飲んだ事はありません。食生活だって大方健康的に食べていたし、体型も維持していました。それなのになぜ私が、なぜ私ががんにならなければいけないの?私が何をしたって言うの?
“過去に何かちょっと悪いことをしたに違いない、きっとそうよ“と考えました。本当に誰かを責めることができればと思いましたが、誰を責める事もできませんでした。だって、だれもそんなことをしていないんですから。