テス
インタビュー時:38歳
性別:女性
診断時:33歳
経歴:既婚、医者、3人の幼い子供がいる。
国籍:イギリス人(白人)
短縮版:テスは、33歳の時、乳がんと診断された。同時期に妊娠している事が判明。彼女は、乳房切除術と化学療法、タモキシフェンとハーセプチンによる治療をおこなう。のちに、もう一方の乳房切除術を受けた後、すぐに乳房再建手術を実施した。そして、その後両方の卵巣も摘出。
語りの内容
私はすでにがんになってしまったので、遺伝子の検査や検査結果に関してはあまり懸念していませんでした。どちらかというと私の妹にとって有益なもので、妹がわたしの検査結果を待っている間は、とても辛かったと思います。検査結果によっては、妹と私の子供達に、どのような影響をあたえるのかわからなかったからです。
しかし、それでも全ての情報は役立つものだと思います。私のこころの一部分は検査を望まなかったけれど、それでもよく考えると全ての情報は役に立つものだと思います。そして、私の検査結果によって、たとえば、私の妹も検査を受け、その結果によって、今後、彼女にどのような選択肢があるのかはっきりすると思うので、様々な情報は価値のあるものだと思います。それらは、決して良い経験ではないけれど。
テストを受ける事について考えている全ての女性たちのために何かアドバイスはありますか。どのようなことをするのでしょうか?
簡単な血液検査です。しかし、検査結果が出るまで、何ヶ月も何年もかかるかもしれないので、結果が出るまでにどれだけの時間がかかるのか心の準備をしていたほうが良いと思います。
もしかしたら、いつも時間がかかるとは限らないのかもしれないけれど、結果がでるまでにどのくらいの時間がかかるのか調べておいたほうが、そしてその結果が及ぼす影響をも考えておいたほうが良いかもしれません。
普通の血液検査ならば比較的すぐに結果がでて、その結果に基づいて決断を下すことができるけれど、この血液検査は、結果までに時間がかかり、そして、その結果もとても曖昧なものであると思います。
遺伝子の検査を始めてから、実際にその結果を知るまで、どのくらいの期間を要しましたか。
BRCA1の検査から全ての結果が分かるまでに、1年以上かかりました。私は検査を受けてから数カ月以内にBRCA1があるという結果を知りました。それから、BRCA2があることを知るまでに約1年かかりました。はっきりとは覚えていないけれど、確かに、遺伝子の検査結果がでるまでに、1年以上かかりました。
インタビュー53
- 彼女はがんを患っているかどうかはっきりとしていなかった時、とても辛くて孤独な時間を過ごした。検査の結果、しこりはがんの疑いがあり、同時期に妊娠している事も判明した。
- テスは、自分がBRCA1とBRCA2遺伝子を持っているかどうかを明らかにするために検査を受けた。結果を得るまでにかなりの時間がかかったが、その情報は役に立った。
- テスは乳腺腫瘤摘出術よりもむしろ乳房切除術をする方がよいと思った。彼女は乳房切除術後、気分的に楽になった。
- テスは、乳がんの家系であった。最初に乳房切除術を受けてから2年後に、2回目の乳房切除術と乳房再建術を行った。彼女は、それらの手術に満足している。
- 治療を受けながら新生児の世話をするのはとても大変な作業であった。最初の頃、テスは健康な胸で授乳もしていた。
- 医者は、妊娠中でも、化学療法を受けることは支障はないことをテスに保障した。 しかし、妊娠中に化学治療を受けることに批判的な態度を示す人もいた。 テスは、のちに健康な女の子を出産した。
- 2度目の乳房切除手術と両方の卵巣を摘出したことは、テスは、彼女自身の未来のためにしたことと感じている。
- テスは、午前中に、両方の卵巣摘出の手術を受け、その日のうちに退院している。手術はとても簡単であった。仕事を2週間休み、その後の経過も良好であった。
- テスは、タモキシフェンを5年間服用し、化学療法後1年間、ハーセプチンを使用しなければならなかった。 彼女は、自分のためになるのであればどのような治療でも喜んで受けた。
- ハーセプチンの副作用は、テスには見られなかった。テスはその治療の手順をとてもわかりやすい と感じ、手順を説明してくれた。