ペニー
インタビュー時:47歳
性別:女性
診断時:37歳
経歴:既婚、研修生教育担当マネージャー
国籍:イギリス人(白人)
短縮版:2000年、ペニーが37歳の時に、乳癌であると診断された。主な治療経歴は、乳房切除、放射線治療、抗癌剤としてタモキシフェン、アリミデックスを服用。その他、卵巣摘出も行っている。以後10年間、再発もなく過ごしている。
語りの内容
乳房切除手術の次の日の朝、言うまでもなく、先生方は回診にやって来て、私を起こしました。なるべく早くベッドから起きて動き回るように言われましたが、問題ありませんでした。私は胸に視線を落とし、ガーゼが貼られているのを目にしました。「仕方ないわよね。」そう思いました。胸は小さくなってしまったけれど、これは私のためなのだから、と。術後の胸は、かなり小さく、それは・・・えぇ、本当になんと言っていいか・・・ちゃんと言葉で表現できたらいいのですけど。ですが、その時「こんなこと、なんでもないわ。」と思ったのです。「世の中にいる重い病気に冒されたたくさんの人たちの方が、私よりずっと大変なのだから。」と。私は、再びガーゼを見て、この現実をまっすぐ受け止めようと思いました。私にはドレインが入っているけど、問題はないのだと。私は起き上がり、シャワーを浴びに行きました。そして、こう思いました。まっすぐに受け止めて、この身体と共に生きていこう、と。
それから、ベッドに戻り、朝食をとってから、回診などがありました。お見舞いに私の家族が全員来てくれました。おしゃべりをして、とても楽しい時間でした。私は起きて、椅子に座っていました。痛みはなかったので、気分は良かったです。「そうね、大丈夫だわ。うまくやっていきましょう。そう思いました。それが土曜日のことで、日曜日に先生方はガーゼの交換をすると仰いました。なので、主人にも必ず同席してもらい、ガーゼの交換をしてもらいました。。その時に、私達は一緒に傷痕を見ました。ええ、切除の痕がありました。10年も前のことですけれどね。おそらく、10年前と今では、やり方が違っているはずです。私の傷痕には、たくさんの縫合の痕が見られますよね。でも、いいのです。傷はいつか癒えますから。
それから私は退院することになりました。それは火曜日だったと思います。
インタビュー52
- ペニーさんがまだ病院にいた頃、彼女は乳房切除痕をご主人と一緒に見たという。
- ペニーさんは家族に随分支えられたと言う。彼女は、家族たちにも乳房切除痕を見せた。手術前と何も変わらない同じ人間なのだということを分かってほしかったという。
- ペニーさんは、乳房切除の後まもなく休暇に出かけた。彼女は、乳房切除を受けた人の為の服を探し出し、水着などを買わなければいけなかったが、なにより値段が高いと思った。また、この何年かでデザインも素敵になったと思っている。
- ペニーさんが手術を受けた10年前と比べて、乳房切除を行った女性のための衣類は非常に増えたと彼女は感じている。
- ペニーさんは、自分の楽しみの時間を前より持つようになった。彼女は、勉強をしたり、サックスのレッスンを受けたりしている。彼女は、ファッションショーにまで参加している。
- ペニーさんは、世の中の女性たちに対し、このようにアドバイスしている。診察を受けるときは、誰かと一緒に行ってください。そして、どうか焦らないでください。
- ペニーさんのご主人は、ほぼ毎晩、彼女の乳房切除痕をマッサージしている。性行為は早期の更年期の為に変わった。彼は終始協力的に彼女に接しているという。
- ペニーは、5年間のタモキシフェンの服用の後、アリミデックスの服用を始めてから現在まで、ほぼ5年が経とうとしているが、もうすぐその服用を止めていいかどうかが分かるということです。
- ペニーは、自分の症状が更年期によるものか、タモキシフェンやアリミデックスの副作用によるものか彼女自身分かりませんでした。次の診察の時に、アリミデックスの服用を止められるかどうかが分かるというのです。
- ペニーさんは、乳がん再発の可能性を少しでも低減するために、卵巣摘出という選択をしました。彼女とご主人は、既に子供を持たないことを決断していたそうです。
- ペニーさんは、病院で卵巣を摘出した時のことを詳しく語ってくれました。少し痛みと不快感がありましたが、翌日には退院しました。