女性たちは食生活やライフスタイル(生活様式)の変更と同じように、各種の代替療法についても語っていました。インタビューに答えた多くの人がいろいろな時期にいろいろな代替療法を試してみたということですが、ある女性にとっては、今でも代替療法への関心は続いているということでした。
何人かはアロマテラピー(芳香性の物質を利用する治療、健康法)を試しており、その中のひとりは、気持ちをリラックスさせるのには役立ったが、がんには何の影響もないかも知れないと述べていました。別の人は、アロマテラピーが広い意味で役立ったと語っていました。
また、リフレクソロジー(足や手の特定の部位をマッサージして体内の他の部位の働きを促したり、ストレスを和らげる施術)、ヨガ、そして瞑想法なども何人かの女性たちに活用されていました。ある患者は催眠療法がのぼせ対策としてどんなに役立ったかを語っていました。別の女性は病気の異なる段階で試したホメオパシー治療がとてもよかったと語っていました。
ハーブティーを飲用している女性も何人かいて、普通の紅茶やコーヒーを飲むのを止めた人もいました。ある女性は太極拳と緑茶の両方を取り入れたことが役立ったと語っていました。インド系イギリス人のインタビュー回答者はインドの親類が勧めてくれた混合ハーブを飲むことについて語っていました。
代替療法を行っていない多くの女性が、再発とか別のがんと診断された場合には、これらの治療法を考慮するかも知れないと語っていました。これらの中のひとりは前向きな態度で明るく生きることの大切さに気づいたと述べていました。
幾人かの女性は、代替療法にどれだけの効果があるのか疑問を抱いており、科学的根拠に基づいた医療(エビデンス・ベイスド・メディシン)の方を頼りにしていると話していました。他には、利権の絡んだ企業やセラピストを警戒しているという人々もいました。
また、多くの女性が食生活の変更についても触れていました。何人かの人は、以前から健康的でバランスの良い食生活をしていたので、食生活はほとんど、あるいはまったく変える必要がなかったと言っていました。しかし、がんと診断されてから、より健康な食物をとるようになったと言い、特に果物や野菜やビタミンなどの大切さを強調する人もいました。最初にがんと診断された時、極端な食生活の変更を行ったが、その後は、身体的な健康と生活の質を秤にかけながら、バランスのとれた食生活に落ち着いたという女性もいました。
何人かの女性は肉類や乳製品などの摂取量を減らしたと話していました。またある人は自然食品や飲水量を増やしていました。ある女性は食生活を変更したいと思っていましたが、そうする経済的な余裕がないと述べていました。
治療からの快復後は適度な運動をすることがとても大切な生活習慣の変化だと話す女性たちもいました。何人かの女性たちは労働時間を減らして、ゆっくりするための時間を作るべきだと話していました。
2017年10月更新
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