イングリッド
インタビュー時:61歳
性別:女性
診断時:58歳
経歴:既婚、上級研究員
国籍:イギリス(白人)
概略:イングリッドは2008年、58歳の時に乳がんと診断された。乳房切除術を受け、それと同時に広背筋皮弁による乳房再建手術も受けた。化学療法、放射線療法、それにアリミデックスによるホルモン療法もおこなった。化学療法中は両肺に肺塞栓症を発症した。
語りの内容
1月に乳がんの手術を受け、翌年の3月に人工股関節の置換手術を受けました。だから、倦怠感を感じるのかは、分からないけれど、多分、乳がんと股関節の手術と年齢から来るものでしょう。
私にはまず何が出来るでしょう。年齢には何も対処することができません。それは人間として仕方のないことですから。でも、関節の問題や乳がんから来る体力や気力の問題はどうでしょう?両方とも、だんだん良くなってきているのは分かっています。しかし、「どれだけ続くのかしら?」ということなのです。私が考えていたよりもずっとずっと長くかかっているのです。私は目標を設定しました。これこれまでに私はこれこれができるようになる、というように。そうして、今もまだ私はゴールに向かって進み続けています。
「すっかり良くなるには2,3年はかかるけど、だんだん良くなっていくと大勢の女性から聞いたわよ。」と言われたのにはほっとしました。でも同時に怒りも覚えました。もしそれが知られていたら、それが事実だとしたら、そういうものだとして受け入れられたでしょうに。雇い主はそのことを知っておく必要があります。どれくらい仕事ができるかということに影響あることですから。これが現実です。すっかり回復するには2,3年かかるという事実は受け入れられるべきだし、もっと先を見据えるべきでしょう。
インタビュー48
- イングリッドは乳がん検診を先延ばしにしたため、検診の再予約を取るのが難しい状況だった。しかし、しこりを見つけた時、すぐにかかりつけ医に診てもらい、専門医を紹介され迅速な対応を受けた。
- イングリッドは乳房再建手術には満足だったが、放射線治療を受けてから肩に痛みを感じるようになった。リンパドレナージのマッサージがその痛みを和らげた。
- イングリッドはひどい下痢と倦怠感を経験した。それは他の健康上の問題と絡みあったものだった。味覚がころころ変わったので、何を食べるか決めるのが大変だった。
- イングリッドは化学療法中、大変な問題にぶつかった。苦しい時も自分の尊厳を保ちたかったが、一部の看護師たちは協力的ではなかった。
- イングリッドは化学療法中、家事を手伝ってもらうために雇った女性には本当に助けられた。まるで友人のようで、料理、洗濯、掃除を手伝ってくれた。
- 自分が癌だということを他の人に話すのは難しいことかもしれない。イングリッドは数人に話し、そこから他の人へ話が伝わったことが助けになった。
- 女性が治療から回復するには2,3年かかるということを知って、イングリッドはほっとした。しかし、そのことをもっと早く知りたかったと思った。
- イングリッドは癌のことを考えず、熱中できる企画や計画を持つことを勧めている。彼女と夫はドイツの農場にある家に引っ越す計画を立てた。
- イングリッドはアリミデックスを服用してから、関節痛、吐き気、ホットフラッシュに悩まされたが、吐き気は時がたつにつれてなくなっていった。