診断時:59歳
インタビュー時:61歳

1999年に乳がんの診断。乳房温存手術、化学療法、放射線療法、タモキシフェン投与。2000年に非浸潤性乳管がんの診断。再度乳房温存手術、化学療法、放射線療法、タモキシフェン投与。

語りの内容

本当に、母の歳位まで生きると思っていました。事故やなにかでない限り、若死にするなんて考えもしなかった。今では、前よりは死を身近に考えるようになりました。
私ぐらいの歳になると、ともかく人生の最後を考え始めるものです。中年の女性にとっては自然なことね。そうね、仕事も終わりに近づいているの。
終わりに近づいている。子どもたちは大きくなって、家を去り、それぞれの家族をもつ。もう、私は注目の的ではないわ。
死は確かに現われているわ。死はそこにあるの。でも、それはそんなに悪いことではないのかもしれない。死は私に、人生に飛び込んで、人と一緒にいたいと思わせてくれるの。今までよりも、確かに友人たちと仲良く過ごせるの。本当に不思議ね。そんな風に努力しているわけではないのに。
そうする必要があったの。それは、死を自覚することのプラス面のひとつだわ。このことについて話すときには、とても感情的になるの。というのも、確かにそれは、このおぞましい状況から得られるとは考えもしなかった贈り物みたいのものだから。
同時に、嘆きや悲しみは、私の人生を深めてくれたと感じています。そして、友人たちと一緒にいたいという気持ちのせいで誰かが夕食に誘ってくれるととてもうれしいわ。

私は: です。

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