イングリッド
インタビュー時:61歳
性別:女性
診断時:58歳
経歴:既婚、上級研究員
国籍:イギリス(白人)
概略:イングリッドは2008年、58歳の時に乳がんと診断された。乳房切除術を受け、それと同時に広背筋皮弁による乳房再建手術も受けた。化学療法、放射線療法、それにアリミデックスによるホルモン療法もおこなった。化学療法中は両肺に肺塞栓症を発症した。
語りの内容
私はアリミデックスを服用していました。後から考えると記憶が確かでないことが時々あるということはお分かりになっていただけますよね。いつからアリミデックスを服用し始めたかはっきり覚えていませんが、私の記憶が正しければ、最初の、いえ、最後の化学療法を受けた後だったように思います。そう、その時にアリミデックスを飲み始めたのです。アリミデックスの服用で、朝起きると右手の指の関節や足の指が痛むようになりました。吐き気もありました。関節の痛みは、日中になると和らぎましたが、朝起きたばかりの時はまるで皮の長手袋をはめているような感じでした。関節に疲労感があり、重い感じがするのです。それが私の体験したことです。吐き気や体の内側から焼けつくような感じは、1日で妊娠初期と更年期障害を経験するような感じです。それを同時に経験しなくて本当によかったけれど。
18カ月たった今でも、副作用はありますか?
少しあります。吐き気はおさまりました。でも、それもつい最近のことです。クリスマスにも1月の始めにもありました。でも、この6週間くらいで吐き気も含め、ずい分変化がありました。体の中から焼けつくような感じはもうありません。今はホットフラッシュ(ほてり 熱感)、のような症状があります。そう、いつも夜11時頃、決まってこう思うのです。「眠りたいけど、眠らないほうがいい。今は暑すぎる。」と。そんなことがあるのです。そして、時々、朝、目覚めた時、暑くて汗でべっとりしているのを感じるのです。これがホットフラッシュなのですが、それもずい分よくなりました。
それで、どれくらいの期間、アリミデックスを服用しなければならないのですか?
もうあと3年です。
インタビュー48
- イングリッドは乳がん検診を先延ばしにしたため、検診の再予約を取るのが難しい状況だった。しかし、しこりを見つけた時、すぐにかかりつけ医に診てもらい、専門医を紹介され迅速な対応を受けた。
- イングリッドは乳房再建手術には満足だったが、放射線治療を受けてから肩に痛みを感じるようになった。リンパドレナージのマッサージがその痛みを和らげた。
- イングリッドはひどい下痢と倦怠感を経験した。それは他の健康上の問題と絡みあったものだった。味覚がころころ変わったので、何を食べるか決めるのが大変だった。
- イングリッドは化学療法中、大変な問題にぶつかった。苦しい時も自分の尊厳を保ちたかったが、一部の看護師たちは協力的ではなかった。
- イングリッドは化学療法中、家事を手伝ってもらうために雇った女性には本当に助けられた。まるで友人のようで、料理、洗濯、掃除を手伝ってくれた。
- 自分が癌だということを他の人に話すのは難しいことかもしれない。イングリッドは数人に話し、そこから他の人へ話が伝わったことが助けになった。
- 女性が治療から回復するには2,3年かかるということを知って、イングリッドはほっとした。しかし、そのことをもっと早く知りたかったと思った。
- イングリッドは癌のことを考えず、熱中できる企画や計画を持つことを勧めている。彼女と夫はドイツの農場にある家に引っ越す計画を立てた。
- イングリッドはアリミデックスを服用してから、関節痛、吐き気、ホットフラッシュに悩まされたが、吐き気は時がたつにつれてなくなっていった。