ベリテ
インタビュー時:61歳
性別:女性
診断時:54歳
経歴:ジャーナリスト
国籍:イギリス人(白人)
短縮版:ベリテは2005年、54歳のときに乳がんと診断された。彼女は乳腺腫瘤摘出術、放射線療法、タモキシフェン投与を受けた。タモキシフェンで重い副作用があったので、アリミデックスに変更した。その後、アロマシンに切り替えた。
語りの内容
私は2年間、タモキシフェンを飲みました。それから、最新治療はもうタモキシフェンからアリミデックスに切り替えることだと聞かされ、そのようにしました。
それから、私の腫瘍医の○○教授はとても有名な方です。彼がアメリカのサンアントニオ会議から戻ってきたのですが、それは大きな学会で、彼は「さて、今度は君にアロマシンを投与していこう」と言いました。それで、私はアロマシンを飲み始めました。でも、3つの薬全部で副作用が出ました。まさかと思ったのは手根管症候群になったことで、これは反復運動損傷(RSI)と考えられています。私は仕事をするのを止めました。コンピューターが使えなかったのです。その後、手根管症候群は私が服用していた薬のうちの一つによる副作用であると分かりました。注射をしてもらい、症状はなくなりました。
それから、心臓に問題があったため、有名な専門医の○○先生の診察を受けました。彼は「あなたには7時間の心臓手術が必要です」と言いました。それで私は、「抗がん剤のせいでしょうか」と尋ねました。「いや、違いますよ」と言われましたが、約6か月後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学から、そしてダナ・ファーバー癌研究所からも、情報を入手しました。世界の二大研究機関です。両者とも、これらの抗がん剤を服用している患者の25パーセントが心臓疾患を併発する、と述べていました。私は今、薬の副作用で骨粗鬆症になりました。そして目下、骨粗鬆症の治療薬による副作用に苦しんでいます。
でも、いいんです。もしも副作用があると聞かされていたなら、完全にそれを受け入れていたことでしょう。それは私の選択でしたから。けれど、腫瘍医の誰ひとりとして、「そうですね、これらは副作用と考えられますね」とは言ってくれなかったのです。医師たちは、副作用を無視しようとしていただけでした。
どの薬でどんな副作用が出たのか、おわかりですか…?
視力障害はタモキシフェンによるもの、と理解しています。そして、皮膚病変もタモキシフェンによるものと承知しています。でも今は、皮膚病変の前兆が分かるようになりました。前兆としては、皮膚が信じられないほどカサカサになり、ノミがいるかのように痒くなります。それから、さらなる皮膚病変が起こっていくのです。この病変はアリミデックスとアロマシンの両方で起こりました。ですが、ラ・ロッシュ・ポゼの薬のおかげで、その薬を1日に2、3回塗るだけで、皮膚はいくらか落ちつきます。
タモキシフェンを2年間、飲んでいるとおっしゃいましたね。
はい。今では、アロマシンが手根管症候群を引き起こしたと思っています。そしてそれ……いえ、間違えました……アリミデックスが手根管症候群を引き起こしたと思っています。心臓疾患を招いたのは、アロマシンだったかもしれないし、アリミデックスだったかもしれません。ジョンズ・ホプキンス大学から得た研究情報を思いだそうとしているのですが、そこには心臓疾患をもたらすすべての抗がん剤のリストが載っていたと思います。それで、二つのうちのどちらかではなかったかと。
アロマシンに移行する前に、どのくらいの期間アリミデックスを服用しましたか。
アリミデックスは2年間、飲んだと思います。それから、アロマシンが1年間です。医師たちは、約5年間、患者にホルモン療法を続けます。5年後には全てのがん細胞をやっつけられるはずだと、考えているのです。でも、特定のがんの場合、タモキシフェンをずっと……場合によって永遠に……飲み続ける患者もいるのです。がんのタイプにもよりますけれどね。
あなたは今、アロマシンを飲んでいますか。
いいえ、もうアロマシンは飲んでいません。腫瘍医によると、私の乳がんのタイプでは、これ以上アロマシンを飲む必要がないそうです。ありがたいことに。