イングリッド
インタビュー時:61歳
性別:女性
診断時:58歳
経歴:既婚、上級研究員
国籍:イギリス(白人)
概略:イングリッドは2008年、58歳の時に乳がんと診断された。乳房切除術を受け、それと同時に広背筋皮弁による乳房再建手術も受けた。化学療法、放射線療法、それにアリミデックスによるホルモン療法もおこなった。化学療法中は両肺に肺塞栓症を発症した。
語りの内容
手術はとても良かったとはっきり言えます。術後一週間、そして化学療法中は肩に何も問題はありませんでした。しかし、放射線治療終了後、肩に痛みを感じるようになったのです。違和感があり、特定の場所が特に痛みました。イギリスで受けた診察のたびに、私はそのことを訴えましたが、まともに取り上げてもらえませんでした。そこで私はリンパドレナージの施術資格を持つドイツ在住の理学療法士のところへ行くことにしたのです。そして、そこで数回施術を受けただけなのに大きな進展があったのです。私は癌専門の看護師の友人である同僚にそのことを話しました。「ドイツに行くたびに、リンパドレナージの施術を受けているのよ。」と。その時、友人は即座に尋ねました。「あなたにはリンパ浮腫があるの?」私は、「違うわ」と答えました。
しかし、ドレナージマッサージを受けただけで大きな違いがあったのです。これは単なる偶然だとは思えません。特に右手の指の痛みは緩和されました。肩はずっと調子よくなりました。完全にというわけではありませんし、いつかそうなるとも思いません。経験上、ある程度の違和感は仕方ないと思っています。でも、リンパドレナージマッサージはほんとうに効果的でした。それを始めただけで、痛みが緩和されたのです。この数カ月、定期的にドイツへ行く機会があったためそれを始めてみましたが大きな違いがありました。これからもも続けていくつもりです。
インタビュー48
- イングリッドは乳がん検診を先延ばしにしたため、検診の再予約を取るのが難しい状況だった。しかし、しこりを見つけた時、すぐにかかりつけ医に診てもらい、専門医を紹介され迅速な対応を受けた。
- イングリッドは乳房再建手術には満足だったが、放射線治療を受けてから肩に痛みを感じるようになった。リンパドレナージのマッサージがその痛みを和らげた。
- イングリッドはひどい下痢と倦怠感を経験した。それは他の健康上の問題と絡みあったものだった。味覚がころころ変わったので、何を食べるか決めるのが大変だった。
- イングリッドは化学療法中、大変な問題にぶつかった。苦しい時も自分の尊厳を保ちたかったが、一部の看護師たちは協力的ではなかった。
- イングリッドは化学療法中、家事を手伝ってもらうために雇った女性には本当に助けられた。まるで友人のようで、料理、洗濯、掃除を手伝ってくれた。
- 自分が癌だということを他の人に話すのは難しいことかもしれない。イングリッドは数人に話し、そこから他の人へ話が伝わったことが助けになった。
- 女性が治療から回復するには2,3年かかるということを知って、イングリッドはほっとした。しかし、そのことをもっと早く知りたかったと思った。
- イングリッドは癌のことを考えず、熱中できる企画や計画を持つことを勧めている。彼女と夫はドイツの農場にある家に引っ越す計画を立てた。
- イングリッドはアリミデックスを服用してから、関節痛、吐き気、ホットフラッシュに悩まされたが、吐き気は時がたつにつれてなくなっていった。