テス
インタビュー時:38歳
性別:女性
診断時:33歳
経歴:既婚、医者、3人の幼い子供がいる。
国籍:イギリス人(白人)
短縮版:テスは、33歳の時、乳がんと診断された。同時期に妊娠している事が判明。彼女は、乳房切除術と化学療法、タモキシフェンとハーセプチンによる治療をおこなう。のちに、もう一方の乳房切除術を受けた後、すぐに乳房再建手術を実施した。そして、その後両方の卵巣も摘出。
語りの内容
もうひとつ、医師が言っていたことで手助けになったのは、「治療があなたとおなかの中にいる赤ちゃんに余分な危険を与えなかったとしても、全ての治療が終了しても、出産と重なることはとにかく大変なことになるでしょう。」ということでした。赤ちゃんを出産するということは明るいことだけれども、その一方でとても忙しくなることで、特に新生児の頃は母親は孤独な存在になりがちです。
たくさんのサポートがありましたか。仕事は休みましたか。
はい。私は、仕事を休んでいました。それでも、赤ちゃんがいるということは、とにかく沢山の事をしなくてはならないですよね。
赤ちゃんの誕生というのは、とても現実的なことだと思います。はじめは、赤ちゃんの誕生に対して人生の全てが美しくそして、すぐに今までどうりの生活に戻るという妄想を抱いたりするけれども、実際はひとりの小さな人の面倒をみるということは、とにかく大変で、出産は現実に気がつく瞬間でもありますよね。
そして、たとえば、たった一つの胸しかないのに、病院の職員から「両方の胸からお乳はでていますか?」と度々聞かれ、しまいには「私は1つしか胸がありません。」と、言わなくてはならず、もちろん彼らがわざとそのように言っているわけでは無いとわかっていたけれども、なぜ病院職員は自らの態度を改めないのかと感じました。
インタビュー53
- 彼女はがんを患っているかどうかはっきりとしていなかった時、とても辛くて孤独な時間を過ごした。検査の結果、しこりはがんの疑いがあり、同時期に妊娠している事も判明した。
- テスは、自分がBRCA1とBRCA2遺伝子を持っているかどうかを明らかにするために検査を受けた。結果を得るまでにかなりの時間がかかったが、その情報は役に立った。
- テスは乳腺腫瘤摘出術よりもむしろ乳房切除術をする方がよいと思った。彼女は乳房切除術後、気分的に楽になった。
- テスは、乳がんの家系であった。最初に乳房切除術を受けてから2年後に、2回目の乳房切除術と乳房再建術を行った。彼女は、それらの手術に満足している。
- 治療を受けながら新生児の世話をするのはとても大変な作業であった。最初の頃、テスは健康な胸で授乳もしていた。
- 医者は、妊娠中でも、化学療法を受けることは支障はないことをテスに保障した。 しかし、妊娠中に化学治療を受けることに批判的な態度を示す人もいた。 テスは、のちに健康な女の子を出産した。
- 2度目の乳房切除手術と両方の卵巣を摘出したことは、テスは、彼女自身の未来のためにしたことと感じている。
- テスは、午前中に、両方の卵巣摘出の手術を受け、その日のうちに退院している。手術はとても簡単であった。仕事を2週間休み、その後の経過も良好であった。
- テスは、タモキシフェンを5年間服用し、化学療法後1年間、ハーセプチンを使用しなければならなかった。 彼女は、自分のためになるのであればどのような治療でも喜んで受けた。
- ハーセプチンの副作用は、テスには見られなかった。テスはその治療の手順をとてもわかりやすい と感じ、手順を説明してくれた。