ペニー
インタビュー時:47歳
性別:女性
診断時:37歳
経歴:既婚、研修生教育担当マネージャー
国籍:イギリス人(白人)
短縮版:2000年、ペニーが37歳の時に、乳癌であると診断された。主な治療経歴は、乳房切除、放射線治療、抗癌剤としてタモキシフェン、アリミデックスを服用。その他、卵巣摘出も行っている。以後10年間、再発もなく過ごしている。
語りの内容
医者が決めた治療法は、放射線療法と5年間のタモキシフェンの服用でした。その時点で、医者が説明できたことはそれだけでした。ああ、でも、腫瘍専門医は、その治療がどのように作用していくのか、より詳しく説明してくださいました。そして、私のエストロゲン受容体が陽性なので、予防策として卵巣の摘出も行いたいと仰いました。「ええ、効果のあることなら、どのようなことでもなさってください」と、私はすぐにお答えしました。今になって思うのは、私はその時、恵まれた状況にいた、ということです。というのは、私達には子供はおりませんでしたが、夫婦で既に子供は持たないことに決めておりましたので。ですから、卵巣を失うことは、幸い私達にとってそれほど大きな問題ではありませんでした。他の多くの人達にとっては、きっと重大な問題だったでしょうから。
「それで、手術はいつになるのでしょうか?」と尋ねたところ、「来週の月曜日にもう一度来て頂く時にしましょうか。」と仰ったので、「わかりました。」とお答えしました。「あら?その週の金曜日は確か9月の最終日でしたよね?実は、テネリフェへ2週間ほど休暇に出かける予定なのですが、行っても構いませんでしょうか?」先生は、「全く問題ありませんよ。行けない理由なんてなにもありませんからね。」と仰いました。「でも、卵巣を取ったら、縫合傷ができますよね?戻って来なければならないでしょうか?」「いいえ、手術のため病院に来られた時に、コンサルタントや医者に縫合手術をしないよう再確認してくださいね。鍵穴ほどの小さな穴を通して手術をしますから。安心して休暇をとられて下さい。」「わかりました。」
インタビュー52
- ペニーさんがまだ病院にいた頃、彼女は乳房切除痕をご主人と一緒に見たという。
- ペニーさんは家族に随分支えられたと言う。彼女は、家族たちにも乳房切除痕を見せた。手術前と何も変わらない同じ人間なのだということを分かってほしかったという。
- ペニーさんは、乳房切除の後まもなく休暇に出かけた。彼女は、乳房切除を受けた人の為の服を探し出し、水着などを買わなければいけなかったが、なにより値段が高いと思った。また、この何年かでデザインも素敵になったと思っている。
- ペニーさんが手術を受けた10年前と比べて、乳房切除を行った女性のための衣類は非常に増えたと彼女は感じている。
- ペニーさんは、自分の楽しみの時間を前より持つようになった。彼女は、勉強をしたり、サックスのレッスンを受けたりしている。彼女は、ファッションショーにまで参加している。
- ペニーさんは、世の中の女性たちに対し、このようにアドバイスしている。診察を受けるときは、誰かと一緒に行ってください。そして、どうか焦らないでください。
- ペニーさんのご主人は、ほぼ毎晩、彼女の乳房切除痕をマッサージしている。性行為は早期の更年期の為に変わった。彼は終始協力的に彼女に接しているという。
- ペニーは、5年間のタモキシフェンの服用の後、アリミデックスの服用を始めてから現在まで、ほぼ5年が経とうとしているが、もうすぐその服用を止めていいかどうかが分かるということです。
- ペニーは、自分の症状が更年期によるものか、タモキシフェンやアリミデックスの副作用によるものか彼女自身分かりませんでした。次の診察の時に、アリミデックスの服用を止められるかどうかが分かるというのです。
- ペニーさんは、乳がん再発の可能性を少しでも低減するために、卵巣摘出という選択をしました。彼女とご主人は、既に子供を持たないことを決断していたそうです。
- ペニーさんは、病院で卵巣を摘出した時のことを詳しく語ってくれました。少し痛みと不快感がありましたが、翌日には退院しました。