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診断時:49歳
インタビュー時:54歳(2008年2月)
首都圏在住。2002年に右乳房温存術を受けたが、断端にがんが残っており、追加で乳房切除術を受けた。3年後に乳房再建術を受け、現在はホルモン療法を継続中。夫と2人の子どもがいる。非常勤特別職員(生涯学習推進員)として仕事を続けている。
語りの内容
エキスパンダーの生理食塩水を入れてる場合は、非常にぶつかると、こう、こう弾力がないんで、パンクしちゃったりする可能性もあるそうなんですね。だから「ラッシュアワーとか、人にドンとぶつかられたりとかは気を付けてください」って言われました、退院のときに。で、飛行機とか何かでも、ちょっと、「飛行機ぐらいだったら、多少、気圧が、膨らむことはあっても破裂することはないけれど」ということでおっしゃいましたけど、ラッシュ時とか、ボールがポーンと当たったりすると、中が破裂しちゃう可能性もあるそうです。ですけれど、あの、「破裂したからって、じゃあ、先生、あの、すぐ緊急手術で何かあれなんですか」って言ったら、「いやいやいや、ただ、あの、それを、しぼんだやつを取り除くだけだよ」って言ってまして(笑)。
それで、あの、そのエキスパンダーは、ある程度おいてもいいということだったんで、えーと、1年半ぐらいおきまして、えーと、おととしの11月の末に手術をして、入れ替えをした。今度はシリコン。で、あの、シリコンでも、シリコンジェルといって、こう、ちょうどマシュマロのおっきいみたいですね。ボヨンボヨンボヨンっていう、こう動く形。おっぱいの形はしてるんだけど、その大きさのを入れるというか。そこの、液、あの、生理食塩水の入った袋を除いて、そこに入れ替えるという手術です。「手術自体はそんなに大変じゃない」って、先生、おっしゃってまして、退院、まあ、病院によっては本当にもう1日2日で退院。まあ、私の場合ちょっと、アレルギーとかもあるから、「ちょっと用心しながらいきましょう」ってことで、しました。
インタビュー04
- 医師に「細胞診」と言われても、「疑わしい」と言われても何が何だかわからなかった
- 病理検査で断端陽性という結果が出て、「申し訳ないけれど再手術」と言われたときには「何も悪いことしてないのに、何で?」という気持ちになった
- 術前からリハビリの体操をしておくと術後の経過が違う、と本で読み、手術前から腕を動かす練習をしていたおかげで、術後の腕上がりは支障がなかった
- 小さな傷が化膿してリンパ浮腫を引き起こすことがあるので、やけどや虫刺され、注射にも注意しなくてはならない
- もともと大きかったほうの乳房が残ったので、体のバランスが崩れて姿勢が悪くなったことに加え、物事に対して卑屈になってきたので、乳房再建をしようと思った
- 以前に婦人科の手術を受けていたので、自家組織を使うより体への負担も少ないということで人工物を入れる方法を選んだ
- 最初はエキスパンダーという水風船のようなものを入れて、3週間かけて少しずつ生理食塩水を注入していった。その間に反対側の乳房の吊り上げ手術も受けた
- エキスパンダーを入れてから1年半くらいして、アメリカからシリコンジェルを取り寄せて入れ替えをした
- ホルモン療法は体中に散らばった微小のがん細胞を抑えるための治療だと説明された
- ホットフラッシュに備えて暑くなったらすぐ脱げる服を着たり、陰部の痛みには自転車に乗るときにナプキンを当てたりして工夫した
- 退院と同時に脳梗塞で入院中の母親の介護、その後、交通事故で長期入院を余儀なくされた娘の看病と、自分の体に無理を強いなくてはならない日々が続いた