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診断時:74歳
インタビュー時:74歳(2008年5月)
北関東地方在住。2007年に右乳がんの診断を受け、乳房切除術、リンパ節郭清術を実施。リンパ節に転移なし。術後補助療法として、抗エストロゲン剤を処方され、服用するが、血圧上昇、動悸、不整脈などの副作用が出現し、服用を中止し、現在に至る。息子2人は自立し、夫と2人暮らし。元保健師。
語りの内容
それで、一度ね、思い切って、あの、温泉に行ってね、ええ、それで、もう脱いでみました。いっぱいね、女性客、いっぱいいらっしゃるところだったんですけれども、恥ずかしがらないで、あの、かえって、隠したり、いろいろすると、興味持たれると思いましてね。それは、あの、解決しました。もう、一度ね、そういうふうにしたら、もう2回目3回目はね、恥ずかしいことないから。ええ、ちょっとタオルでこういうふうに、前にね、タオルをこう、肩に掛けてね。ええ。そして、浴場に入って行ってもね、ええ、そんなに、あれですよね。人のことを関心持って見てる方も少ないし、かえって自意識過剰になってると、好きな温泉にも入れないから、もうその辺は。まあ、私も年齢(とし)ですのでね、若い方はなかなかそういうわけにはいかないと思うんですけれども。
最初は、私ね、パット、あの、パットの上に、あの、油紙って知っていますか。ええ。ありますよね。外科の治療でね。油紙をやって、そして絆創膏でこう貼って、そして入ろうかなと思って、そういうふうな用意はね、してったんですけれども、それしなかったんです。そしたらね、もう、素直に入れました。ええ。ですからね、その辺は、大丈夫ですね。ええ。
だから、かえって、やっぱり、自意識過剰になるとね、何ていうか、手術すると怖いっていうね、そういう気持ちが強くね、持つようになりますので。ええ。これからね、乳がんもいっぱい増えてくることですしね、ほかの人たちにも乳がんに対して、理解していただければね、そんなに、「乳がんで乳房の手術しても、恥ずかしいことじゃない」っていうふうにね、自信持ったほうがよろしいんじゃないかなっていうふうに私は思います。ええ。
インタビュー10
- 最初のがんのときは告知されて悲しみのどん底につき落とされた感じだったが、2回目は手当てすれば治るんだということが分かっていたので、安心感があった
- 頭が真っ白になり、がんなら一刻も早く手術した方がいいと思って、最初にかかった近くの病院で手術を受けることにした
- あまり自意識過剰になっていると好きな温泉にも入れない、と思って、隠さずに入ることにした
- 補整下着の専門店を紹介されたが、自分で工夫するのが好きなので、洋服の肩パットを使って下着を自作している
- 温存も可能だったが、乳房を全摘してリンパ節も広く取っておけば放射線治療なしで安心していられると勧められた
- がんの先輩を見習って玄米食と菜食中心で肉や魚、脂っこいものや甘いものは必要以上にとらないようにしている。玄米の美味しい炊き方を研究して上手に炊けるようになった
- 免疫学の専門家が書いた本を読み、頑張り過ぎてしまう自分の性格を反省し、いつもニコニコして副交感神経優位の生活を心がけている